アダルト配信をしたら捕まった話(4)


正直記憶があまり残っていない。


刑事さんは5人いた。
ただ聞かれることに返事をした。
このパソコンを使った、この画面はこう操作した、ここで配信をした、と指さしをしたりした。ドラマとかで見た事あるやつだなと思った。
高校の先生によく似た刑事さんが沢山写真を撮っていた。

途中で刑事さんが私のお昼ご飯と、こまちのご飯を買ってきてくれた。
甘いパンと、しょっぱいパンと、ペットボトルのお茶2本。私が好きそうなものを買ってきてくれたんだろうけど、喉を通らなかった。


「やばい!時間!今何時!?終電は!?」


長崎から京都ですから。急がないと本当に時間がなかった。でもやることは沢山あった。
 
事情聴取をし、押収品を集め、着替えを紙袋に詰めた。

時間の都合もあり、こまち(猫)は結局自動餌やり器と循環機能付きの水やり機があったので、おいていくことにした。お風呂場の洗面桶にも水を用意した。ちゃんと帰ってくるからね。ごめんね。
刑事さんにお願いして、友達にも解決した!急にごめんね!とLINEを送らせてもらった。


午後2時。職場に精神的なもので体調が優れず、2週間お休みをいただきたい。と連絡をした。すごく心配してくれた。心苦しかった。



こまちをおいて、最低限の荷物を持って、外に出て、警察車両に乗った。7人乗りの大きい車だ。ぎゅうぎゅう詰めで後部座席、刑事さん二人の間に座る。



「6月24日、14時××分、わいせつ電磁記録記録媒体陳列の罪であなたを逮捕します。」



手錠は、思っていたより、重くて、冷たかった。



その時のわたしのきもちは絶望ではなかった。



やっと人生終わった。と思った。安心した。終わらせたかった。もう疲れていた。これが終わったらこまちとどこか遠くへ行こう。こまちが最期まで生きたら、わたしも死のう。


そう思った。

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