1000文字思考 その42 「喫茶店のヘンな常連」
客人 「こんな所に喫茶店あったんだ。暇だし
入ってみるか」
カランコロンカラン
店主 「いらっしゃ...あ!」
客人 「あの、どこに座れば...」
店主 「どこって、いつもの所空いてるでしょ
ここどうぞ」
客人 「はぁ...、わかりました」
店主 「今日は、オリンピックの選考会帰りです
か?」
客人 「え?オリンピックの選考会?」
店主 「前来た時言ってたじゃないですか、選考
会あるから銃の修理出してるって」
客人 「銃...???」
店主 「最近クレーに中々当たらないから修理出
して選考会間に合わせなきゃって」
客人 「僕クレー射撃の日本代表じゃないです」
店主 「何を言って、はいエスプレッソのメガ」
客人 「頼んでないです頼んでないです、エスプレ
ッソをメガサイズでいく人いないです」
店主 「あれ、もしかして人違い!すみません」
客人 「僕この店初めての客です」
店主 「これは、大変失礼いたしました!ここに
よく来られる常連さんと非常によく似て
いらしたもので」
客人 「良いですけど、え?僕に似てる常連さん
が居るんですか?」
店主 「そうなんですよ、少し変わった人で、ク
レー射撃の達人の方でして」
客人 「あ、だからクレー射撃の話題を」
店主 「その人試合に負けたらここに来るから、
いっつもイライラしていて」
客人 「そんな短気な人が銃持ってるのめっちゃ
怖いですね」
店主 「その人がエスプレッソのメガサイズを
いつも注文されるから、今日もご用意
したんですが」
客人 「こんな苦いコーヒー、ちっちゃいおちょ
こくらいのサイズが普通なのに、これ1
リットルくらいありますよ」
店主 「そちらをいつも一気飲みされるんです」
客人 「これ一気飲み!!死にますよ」
店主 「あの、もし良かったらお客様も飲んで
いただけないでしょうか、お代は頂戴
しません」
客人 「僕一気飲み無理です」
店主 「いえ、ちびちび飲んでるところを見せて
頂くだけで結構です」
客人 「こう、ですか?うわ、結構苦い」
店主 「写真撮って良いですか?うわ、ちびちび
飲んでるの初めて見た!すげえ」
客人 「俺その常連のないないをやらされてる」
店主 「ありがとうございます!」
客人 「こちらこそ」
店主 「また来てください」
客人 「来ねえよ」