Apple storeを予約して40分待った

所要があって、心斎橋のアップルショップにフラッと立ち寄ったら長蛇の列。本能的に「あぁ、これダメなやつね」と感じ取るも、期待をせずに最後尾の青いTシャツを着た店員さんに、どういう段取りですかね?と聞いてみる。

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「予約されていますか?予約がないと、お時間がかかります。」

と言われ把握。事前に訪問予約をしていれば順次案内されるらしいが、今日は難しいことが分かったので、諦めて帰宅。Webから2日後の夜18:45〜という枠を予約しました。

さて、当日。18:37頃に到着。改めて青いTシャツさんを探すと、

「予約されていますか?はい。ではお名前を確認させてください。すいません、まだ時間前でして、前の予約枠の方が並んでいますので,改めて18:43頃に来ていただけますでしょうか?」

とのこと。ほぉ?細かいね・・・

疑惑を持ちつつも、ちょっとその辺で返信をしないといけなかった案件にメッセージを送りつつ時間を潰す。そして、18:43に現場に戻ると、

「あ!お帰りなさい!では、こちらへ」

けっこう後ろに並びました。改めて、予約時間・名前・今回訪問する目的(これはすでにWeb予約の時に入力してあるので、スタッフ端末に表示されている)を確認。

申し訳ありませんが、前の時間枠の方から順次ご案内しております。順次スタッフが参りますので、しばらくお待ちください。

はい、そうですか。そうでしょうね。見たら分かります。黙って、秋風が心地よい御堂筋沿いの銀色の建物に寄りかかります。ちょっと冷たい...。待っている間も、通行人が「うわ!すげぇ!」とか、言いながら通り過ぎていきます。四角いリュックを背負った、様々な業者の自転車も行き交い、その人たちのハンドルや、首からぶら下げた端末はiPhoneだったりします。浸透して、普及して、仕事のツールになっている。文化だなぁ〜、などと普段の生活では考えないことを御堂筋沿いに立ち尽くしながら考える時間。

飛び込みで修理にやってきた風のお客さんが、「えぇ!予約がないと入れないんですか!?」と言っている。

(そうなんだよ、2日前の自分もそう思ったよ)などと、一見泣かせのシステムに共感しながら会話が耳に入ってくる。

「予約枠を15分に区切って、100組までWebで受け付けておりまして、事前予約していただくことを推奨しております」

え!?15分に100組さばけるわけないよね!来店者の要望は”ケース見に来た”みたいなライトなモノから、”メインPCが壊れた!なんとかしてくれ!”みたいなヘビーなものまで、千差万別なのに、15分で100組。そりゃ、タイムテーブル押しますよ・・・。

というツッコみも、心の中で済ませつつ、感染予防と商売とサービスとの最適化がここでもできていないんだな、と冷静に受け止めます。

「本日の予約はもうできないのですが、明日以降の予約でしたら今この場で、私が承ります。ちなみに、本日ご来店の目的は、どのようなものだったでしょうか?」

ストアスタッフの”お悩み相談”が始まったようです。この辺の展開の仕方が巧いな、と思います。ユーザーは、今日は話を聞いてもらえない!と失望した直後に、それだけで帰さずに、一度寄り添って対話を試みようとしてくる。一緒に解決をしようとする姿勢を見せられると、消費者側は、ほんの少し安心し始めます。

3〜4分のやりとりのうちに、笑顔で送り出していたので、あの人は数日後にデートの約束が取れた相手に会いに来るように、安心してここへ訪れるのでしょう。たぶん、並ばされるけど(笑)

さて、こうしている間に、再びスタッフが聞き取り調査にやってきました。僕の二人前の会話が、やたらハイテンションで聞こえてきます。

「今日はどのようなご用件で?わぁ!Macbook Proをご購入で!」

声、大きくない?

僕の、一人前まで来ました。

「Apple Watchですね。はい、バンドのサイズ、フィッティングですね。ご希望のカラーはありますか?ナイキモデルで、レインボーのやつですね!ちょっと在庫を見てみましょう(手元の端末を検索)わぁ!ありますよ!では、こちらと、別のカラーとをフィッティングしましょう!」

テンションたけぇ・・・。いいけど、自分もあの人に聞き取り調査されるのは、嫌だなぁ、と思っていたら、スタッフ内線電話がかかってきて、別現場に走って行きました。ちょっと安堵。

続々と入店していきますが、僕はまだ最終聞き取り調査されていませんよー!って心の中で思っていたら、来ました青いTシャツさん。お髭が立派で、全然日本人じゃないです!っていう外見の方。

(Wao...)

と思っていたら、

「大変お待たせいたしました!本日は、○○でご来店ですね。もう一度細かいご要望をお聞きしてよろしいでしょうか?」

めちゃくちゃ流暢な日本語キター!

同伴してもらいつつ、入り口でアルコール消毒してから、ストアの一番奥の方のテーブルに通されて、商品を前に確認作業開始。テーブルの上に置いてある、スマホのガラスフィルムを貼るときに使うような使い捨て型のアルコールシートを開封して、いちいち消毒。思わず、

「スタッフの方も大変ですねぇ」と声を掛けて、ねぎらってしまう。

その後、先ほど見たほどでは無い、ほどよいハイテンションで商品確認と在庫の確認をしたところ、ちょうど在庫切れ。

「ああぁ!こちらだけ、無いですねぇ!すいません!」

いえいえ、帰宅してからオンラインの方で発注して、のんびり待ちますから今日はこれでよいですよ、と伝えて満足して退店。

店内滞在時間4分程度。外周待機時間40分。

予約時間の18:40前後に並び初めて、実際の入店は19:20だったわけですが、なぜこれで暴動が起きないのか?ということ。

Appleブランドという宗教的側面はあるだろうな、とも思います。(自分はそこまでドップリじゃない)

一方、話術で不満感をリズム良く受け流されている側面もあります。

今回はいなかったけれど、中にはキレてしまう人もいると思います。そうしたときも、適切な段取り・マニュアルがあるのだと思います。

何より、予約時間に来ているのに待たされているという事実さえも、楽しみのために待っている、に転換させられるのは”マジック”でしょう。

悩める信徒がそこかしこにいて、自分たちは(事前予約した)選ばれた者だから、今日は大丈夫!安心!という集団心理。(おー、こわ)

iPhoneや、iPad、Mac製品を買って使っているだけでは、特に何も起きませんが、いざ壊れた!修理だ!公式サポートに電話だ!となった瞬間から、青いTシャツの教団関係者(あ!言っちゃった)との関係が開始します。Apple製品との付き合いは、そこからがスタートなのだろうなぁ、と肌寒くなる前の御堂筋で考えた一日でした。

10月以降は、新型iPhoneも出るんでしょうね。並ぶんですかね?

冬空の40分とか、絶対嫌だからな!!!(信徒なら出来る。自分は無理!)

以上、アップルストアに2020年9月に行ってきたでした。

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