少しだけ人生を振り返ってみようと思う。
まだ短い人生の、ほんの数年間でしかないかもしれないけれど
誰かの少しの勇気や、希望になれるかもしれない。
そう思ったから
真実だけを書いていこうと思う。

2002年の夏だった。
モンゴル800の「小さな恋のうた」が流れていた。
私はただただ、穏やかな日々を過ごしたいだけだった。
高校生だった私の夢は、この後高校を卒業し、大学へ行き、就職し、結婚して子どもを産む。普通の人生を送ることだった。
なぜか、というところを話すとまた長くなるのでまた次の機会にするとして
平凡を目指す私の目の前に
急に「命」が現れた。

それは衝撃でもなければ、日常でもない。
目指す「普通の生活」でもないけれど
非日常でもない。
ただただ、そこにある現実、というような出来事だった。

17歳の誕生日から2か月後、
私は「娘」と出会った。
比喩ではない。

遡れば妊娠は16歳ということになる。
だれも祝ってはくれなかった。

子どもの誕生は、
そのときだけでも喜んでもらえる、それが多いだろう。
しかし、17歳と2か月で娘を産んだ私に
「おめでとう」と言ってくれる身内は誰一人いなくて、
産んだことをどう隠すのか、そればかり、世間体ばかり気にする家族に
私は戸惑っていた。

それでも、一人だけ
たった一人だけ
私に、娘に、
「おめでとう」と言ってくれた人がいた。

お産を介助してくれた助産師さんだった。

でも、不安なんてなかった。
今もそうだが、いつでも私はいろんな意味で崖っぷちにいる。
それは、お金だったり、精神状態だったり、家族関係だったり・・・
だけど、不安よりもなによりも
「守る」
それだけで生きてきた。

それは、「娘を守ること」
きっと私が生まれてきたことに意味があるとしたら
その一つが「娘を守ること」じゃないかと思うほど。

この思いは、後に「違う」ということを学ぶのだけれど、
それもまた、別のお話。

とにもかくにも、
17歳と2か月で、私には新しい家族ができた。
気持ちを一言で表すと
「うれしい」
ただ、それだけだった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?