ものごとへの理解を深めれば深まるほど何も断言できなくなる現象について

何も言えない。

例えば、ある特定の出来事に遭遇しても、それに強くショックを受ける人と、たいして何も感じない人が存在するのはよく知られている。
これは高度な認知に関する問題で、様々な文献や書籍を漁っても特に決まった答えはないのだと考えているが、結論から言えばこの問題に対して俺は何も知らないので、断言できないということに尽きる。

一方で、この問題について深く考えることをしなかった時の方が、はるかに断言は簡単であったような気もする。

以上のことは「ある出来事へのストレス差反応」というとても狭い範囲の話題ではあるが、そもそも人の感情というものは一概に何か断言できるものでもない。

なにも感情に断言しなくても、複雑な社会に関するある複雑な出来事というものは、専門的に知れば知るほど断言できるものではないということになる。

何かを一般化して語るには、あまりにも何も知らない。

そう考えればこの記事のタイトルである「ものごとへの理解を深めれば深まるほど何も断言できなくなる現象」についても、本当に万人に当てはまる現象であるのかすら疑問視すべきであって、いったい自分は何を主張したかったのかすらわからない。

一方で、ムニャムニャと「俺は何も言えない……」と言っている人物よりは、たとえ完全に間違ったことであろうとハッキリ断言している言動の方が注目を集めるのは理解できる。そう考えると、ある分野の専門家の歯切れの悪い事実よりも、よくわからないインフルエンサーの虚構の方が注目を集めるのも実にわかる。

以上のことを深く考え始めると、なんとなく深い絶望感の様なものが湧いてくるので、俺は微妙な顔になってしまう。

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