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取り越し苦労はやめましょう。大学受験では志望校に行けなかったが、そのおかげで、幸せな日々を送っている。

 あなたの行く道を困難な問題がよぎることがあるかもしれません。しかし、構わないで放って置けば、そのまま行ってしまいます。居座ることはありません。解決できないほど難しい問題は生じません。背負えないほど重い荷を、背負わされることはありません。取り越し苦労はいけません。明日がもたらすものに、不動の信念と断固たる精神で立ち向かいなさい。万事うまくいきます。シルバーバーチはそう語る…。

 私が、一浪した時、予備校の仲間たちは、次々に志望校に受かっていった。私だけは志望校に合格できなかった。友人たちは、スキー旅行へ…。たった一人、予備校の寮に残された私…。

 昨日まで仲良かった友人たちは、私に気を遣ったのか、ほとんど話しかけてくれなかった。なんとなく気まずい雰囲気。そんな時、一人の友人が声をかけてくれた。「次、試験いつ?」たったそれだけの声掛けであったが、とてもうれしかった。人はたった一言で、救われることがあるものだ。その時初めて気が付いた。19の春。あれから30年、今も彼のことばは忘れられない。

 シルバーバーチは続ける。「苦しむ人に手を差し伸べ、人生に疲れた人、心に潤いを求める人に真理を語って聞かせてください。病の人を癒し、悲しみの人を慰め、不幸な人を訪ねてあげなさい。人生に疲れきった一つの魂に生きる力を与えてあげることができたら、それだけであなたが生まれてきた意味があります。」そう、だから一人ぼっちの私の心には、彼の一言は光明だった。

 当時、大学入試には、前期・後期試験があり、後期試験は定員が10名くらいと非常に少なく、倍率は10-20倍はあったろう。ほとんど合格の見込みはない。案の定後期試験、不合格。

 唯一、力試しで受けていた大学にだけ、合格していた。私自身は最後の最後まで行く気はなかったが、1浪で精いっぱいやり切った私の精神は、このまま2浪、3浪…5浪と永遠に続くのかと思うと、もう1年浪人を受け入れる余裕はなかった。仕方なく、その大学に行った。嫌ならいつでもやめてやる、そう、半分やけくそで…。そしたらなんと…。

 それは、いやいやながら行ったはずの、大学の門をくぐった、わずか5分後に起こったのだ。とんでもなく素晴らしいことが‼️

 人生では、自分の思いと裏腹に、違う方向に導かれることもある。しかし、後になってその方が良かったのだと気づくことも多い。あの時の私はそうだった。志望校にどうしても行きたくて、行きたくて、必死に勉強した。昼も夜も…。しかし、努力は必ずしも報われるとは限らないし、期待通りの結果が得られるとは限らない。しかし、志望大学合格に向けて受験勉強を頑張ったからこそ、もう一つの唯一受かった大学に合格できていたのだ。あの、残酷なまでに過酷な日々は、その後の素晴らしいことのためにあったのだ。だから言いたい。合格発表の日。自分の名前がない掲示板を見て、肩を落とした日、泣きながら地下鉄に乗った日。あの日の自分に言ってあげたい。「大丈夫。これから素晴らしい日々が待っているよ。君の努力は報われたのだ。君は祝福されているのだから…」と。

 人の力ではどうしようもないこともある。人事を尽くして天命を待つ。まさにこの言葉は当たっていると、今ならいえる。なぜなら、今の私は本当に幸せだからだ。あの時に、希望の大学に受かっていれば、今の暮らしはなかったし、この素晴らしい家族にもめぐりあえなかっただろう。その後も、奇跡的な多くの出会いがあり、運命に導かれるように、ここまでやってきた。そう。あの時、希望が通らなくてよかったのだ。

 マザーは言う。希望が叶わなかったら、神がお望みでなかっただけ。すぐに忘れます。私は神の鉛筆。何を描くのかは、神にお任せ。

 霊的視点から見れば、時は永遠の一瞬。現在も、過去も、未来もない。今ここにすべてがある。私たちがどこへ行くべきか、魂は知っている。自らのなすべきをなし、なすべきでないことをなさない。あとは天にお任せ。人は決して一人で人生を歩んでいるわけではない。陰に陽に、私たちを支える存在がいる。天は、一人で人生を歩かせるほど、残酷ではない。必ず霊的サポートがある。人間の側がそれを無視するのだ。だから、迷ったときは、いつでもこう言えばいい。天の神様、ともに歩んでください、と。父なる天は、私たちが声をかけるのを、いつも待ってくれている。そして喜んで聞いてくれる。同時に神は、私たちに常に語り掛けてくれている。そよぐ風、花の香り、赤ちゃんの巻き髪、鳥の声、流れる雲、沈む夕日…。時にやさしく、時に激しく。すべてが神の語り掛けだ。もう一度言おう。人間側がそれを無視しているだけだ、と。

 宇宙を創造した大霊は、愛に満ちた存在です。私たち一人ひとりを創造してくださったその愛の力を信頼し、すべてのことは、なるべくしてそうなっているのだということを知らなくてはいけません。今は理解できないことも、そのうち明らかになる機会が訪れます。シルバーバーチ

 悩みは悩みにあらず。真の悩みは見つめれば消え失せる…。

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