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2023トロントブルージェイズ振り返り【野手編】

 3月です。大谷も、Sotoも来ませんでした。来たのはカナダ人実業家とBellingerの嫁。そんなチームにも数時間後には新シーズンがやってきます。今更ですが、現地トロントで過ごした昨季を忘れまいということで書き残します。
 成績や評価に関する詳細なnoteはブランディングに反するので、雑感集という感じで、観戦の思い出や現地の反応なんかを合わせていこうと思います。

それでは野手から。張り切ってどうぞ。


Daulton Varsho

 出場試合数の多い順に書こうと思ったら彼が最多でした。158試合。あの成績でそんな出てたんですね。確かに昨季のブルージェイズを象徴するような選手だったと思います。主にLF、時折CFで守備指標を荒稼ぎ。Kiermaierと外野守備でMLBを牽引し、お粗末すぎる打撃でチームの足を引っ張りました。彼の打撃にアプローチなんて概念は無く、向かってくるボールに対して健気にバットを振り回す。良い思い出といえば4月末のサヨナラ打と、3億円事件ことKirby Yatesから放った本塁打くらいでしょう。
 Varshoだけで見れば守備走塁の健闘を讃えたいものですが、どうしても対価に目が行ってしまうわけで。Lourdes Gurriel Jr.とGabriel Moreno、ワールドシリーズまでよく頑張りました。トッププロスペクトのMorenoを放出できるぐらい武器だった捕手デプスも度重なる故障に苦しむJansen、ビジュアルに即した成績となったKirk、トロントとバッファローを行き来するHeinemanという惨状。打線としても右打者不足と得点圏の弱さが浮き彫りとなりLuplowやLukesが無を生み出し続けた結果、チームはSDからリリースされた絶不調Nelson Cruzに興味芸。(その後Cruzは引き取り手なく引退)7月中旬に行われたトロントでのARI3連戦前には“Varsho”がX(旧ツイッター)トレンド入り。現地放送局Sportsnetが試合前後に放送する番組ではVarsho↔Moreno&Lourdesトレードのタラレバで持ち切りでした。
 結局のところ防いだ塁よりも打って進めた塁のほうが野球ファンの印象に残るということで、改めて野球は点を取るスポーツだと気付かせてもらいました。個人的にも打ってるところを見た記憶が全く無いので調べてみると、トロントでは打率.181、OPS.574(アウェイでは.254/.761)移籍初年度でこんなことやったらそりゃファンも付いてこないわけですが、FAまで残り3シーズンあるので地道にファン獲得してほしいと思います。

Vladimir Guerrero Jr.

 チームトップの26本塁打、94打点で間違いなくチームの主力打者だったはずなんですがそんな気はしません。激変ダイエットで大谷と本塁打王を争ってから2年、成績は右肩下がりで昨季はOPS.800を下回りました。月1で復調を予感させる本塁打を見せるものの、シーズン通して打球も調子も上がり切らず。WCS第2戦では痛恨の牽制死。必死のチャレンジ要求も実らず悔しいシーズン終了となりました。
 ただ、やはり現地ファンから根強い人気があり、スタメン発表の際には彼の名前が最も多くの歓声を集めていました。試合直前のウォーミングアップ後には三塁側へ、守備イニング前には一塁側へ必ずボールを投げ込みファンサービスを図っていました。そんなファン思いの彼も昨季はトロントで苦戦し打率.238、10本塁打、OPS.716(アウェイでは打率.289、16本塁打、OPS.858)今季こそはバットでファンを喜ばせてほしいものです。
 ハイライトといえば、2度目のホームランダービー優勝でしょうか。ASブレーク後にロジャセン内のグッズショップの一角を占める苔色のASGユニフォームを眺めていたら、「HRD優勝の記念に買うしかないでしょ(意訳)」と見知らぬおばちゃんに唆され衝動買いしてしまいました。

George Springer

 ブルージェイズの袖スポンサーで、カナダのメガバンクであるTD Canada Trustの広告を務めるSpringer。野球に疎い友人からはTDの広告塔として認知されていました。昨季からRFへコンバートされ堂々の154試合出場。契約時からの懸念だった耐久性が改善し、TeoscarとLourdesに挟まれて守備をするのが如何に負担であったかをファンに理解らせる形となりました。
 一方で肝心の打撃は大苦戦。開幕戦で5安打を放ち最高のスタートを切ったかに思われたものの、7月22日の試合からは36打席無安打というトンネルに迷い込み、終わってみればキャリアワーストのOPS.732。TDの支店に生卵が投げ込まれたなんて情報はまだ入ってきていませんが、それぐらいストレスの溜まるシーズンでした。34歳の外野手に残り3年の契約が残っていることに一抹の不安はありますが、まだ老け込むには早いので、今季も先ずは健康第一でチームを支えてほしいと思います。

街中にGeorge Springer

Whit Merrifield

 2022年中盤、KC所属時に反枠発言を残しトロント遠征を拒否しながらも僅か数日後にブルージェイズへトレード加入し、渋々ワクチン接種したMerrifield。移籍後の1年半は復活と言って差し支えない成績だったのではないでしょうか。その変貌ぶりにファンの間では“Vaccinated Merrifield”がミーム化していました。昨季はチームトップの26盗塁を記録し、見事3度目のASG出場。(試合では怠慢ライナーバックを披露)後半戦はフィジカルの衰えを感じさせるパフォーマンスでしたが、シーズン通してナイスなベテラン選手でした。
 日米野球やスポーツ男子頂上決戦に出てた時は見向きもしませんでしたが、贔屓の選手として見てるうちに強く惹かれました。以前は顔が俳優の鈴木浩介に似てるなんて思っていましたが、全然2枚目顔でした。しかしながら彼もトロントで成績を落とした1人で、打率.255、OPS.646というホーム成績とは対照的にアウェイでは.288/.748。私がトロントで惹かれたMerrifieldは全く本領発揮出来ていなかったようです。
 トロント市内のハンバーガー店“Cabano’s cheeseburgers”にて“The Whit Stack”というコラボバーガーが販売されていて、売上のうち1カナダドルが球団運営の基金団体に寄付されるとか。美味しかったのでトロント遠征の際は是非一度とオススメしたいところでしたが、相互オプション破棄のFAとなったため今季限りで販売終了となりました。


Matt Chapman

 打率.384、OPS1.152のロケットスタートで4月の月間MVPを獲得したChapmanでしたが、5,6月は大きく調子を落とし、7月にやや復調したものの、8,9月は共に月間打率が1割台というトロントの天気ぐらいムラの激しい成績でFAシーズンを終えました。彼も例外なくホームで数字を落としていたのは言うまでもないでしょう。
 トロント在籍の2年間は平均程度の打撃と平均以上の守備というピンとこない活躍。とはいえBiggioとEspinalを年間プラトーンしながらコンテンダーを名乗るわけにもいかないですし、球団も再契約の線を探っていたようなので優秀だったということでいいんじゃないでしょうか。
 成績ではOAK産三塁手の前任者のようなインパクトを残すことは出来ずも、血気盛んな点では勝るとも劣らないものを見せました。7月末に行われたトロントでのLAA3連戦。カード頭の第一打席で早速大谷に被弾すると、ベンチへ戻って間もなく「なぜ大谷と勝負するんだ」と監督のSchneiderを叱責。それに屈したSchneiderが以降の大谷との勝負を避け続けると、今度は大谷の活躍を一目見ようと球場へ集まったトロント中の日本人からブーイングを浴びるなんて一幕がありましたが、中間管理だけがSchneiderのメインツールなので好きにしたらいいと思います。


Bo Bichette

 Instagramアカウントを密かに削除し臨んだ昨シーズン。一時は打率部門を独走しながらIsoDが.300を切る超積極打法を武器に前半戦は打率.317、15本塁打、OPS.842というMVP級の活躍でした。チームの規定到達者で唯一の打率3割、OPS.800以上という成績を残した彼も勿論ホームではなくアウェイで躍動。ホーム打率.287、OPS.768に対してアウェイ打率.325、OPS.859。契約延長は厳しいでしょう。
 課題だった守備に関しては、相変わらずのトンデモ送球持ちで5月のPHI戦でサヨナラ悪送球を記録したものの、今季の失策は8つのみ。シーズン20失策は2年連続でストップとなりました。

 一方で走塁面は低調でした。7月末にハムストリングを痛めたのもあって僅か5盗塁とMLBトレンドを逆走。悪い意味で印象的だったのがカナダデーとWCG初戦。カナダ全土の注目を浴びる両試合で痛恨の本塁憤死。共に三塁コーチャーの制止を無視して本塁へ突入しながら目視できるアウトだったのがお粗末でした。25歳にしてロジャセンの人工芝に足腰を蝕まれ、思わぬ脚力の衰えに本人のイメージが追い付いていないのでしょう。確かに現地で観てみると「なんか思ってたより線が太いな」という印象で、2年前に25盗塁した体型には見えませんでした。今オフはドレッド頭の親友にダイエット法を尋ねてみては如何でしょうか。
 成績を残しながらどこか信頼しきれない姿がブラジルやベルギーの血を引いているなと、海外サッカーファンの私は思ってしまいますが、個人的には今のブルージェイズで一番好きな選手。何やらトレードの噂が囁かれているようですが、今季もトロントで頑張ってほしいと思います。

Kevin Kiermaier

 めちゃくちゃ良い選手でした。ホーム開幕戦で挨拶代わりのHRキャッチを見せファンの心を掴むと、その後もリノベーションされたロジャセンの外野を守り納得のゴールドグラブ賞獲得。
 球場で見るとより魅力的な選手で、代走・守備固めで途中出場した際にグラウンドで見せるウォーミングアップや、守備時の抜かりないカバーリングと常に正確な送球。センター方向へ打球が飛んだだけで歓声が上がり、その期待に応えるダイナミックなプレー。正しく『守備でお金が取れる選手』でした。
 さらに昨季は打撃でも貢献し、特に5月は月間打率.366の大活躍。例によってホームで打率.238、アウェイで.286と大きな乖離があったのですが、そんなことを気付かせないぐらいトロントのファンを魅了。Kiermaierが良すぎるあまり、休養日にVarshoやLukes、Espinalがスタメンに名を連ねた際には落胆を隠せませんでした。
 やはり度々の故障離脱があり、9月のKC戦後のヒーローインタビューにて「残り3週間やるぞ。プレーオフ行くぞ。」とファンを煽った直後のTEXカードで4戦スイープを食らうなんてこともありましたが、総じて素晴らしいパフォーマンスでした。Kiermaierで舌の肥えてしまったファンを満足させるという難題が来季のCFに課せられているわけですが、そこは評価がストップ安のVarshoに任せたら良いんじゃないかと思います。

※追記
 めでたく再契約となりました。彼の家族もトロントの過ごしやすさをえらく気に入ってくれたようで、元市民として誇らしい限りです。(ユニフォーム買って数か月で退団にならなくて一安心)

Alejandro Kirk

 173cm111kgの巨漢捕手、通称“ドラえもん”。Kirkを見るたびに映画『マネー・ボール』のラストシーンでピーターが紹介する巨漢捕手を思い出しますが、それはさておき。
 ここまではアメリカ国内でのみ本領発揮する“不届き者”ばかりを紹介してきた当noteですが、逆にトロントで一際存在感を放っていたのがこの男でした。ホームで.285/.348/.441、圧倒的という程ではないですが、アウェイでの.215/.321/.274と比較すればトロントでの別人ぶりは明らか。
 球場内での歓声が大きく、確かにAS経験ありの若手生え抜きは愛されて然るべきなんですが、球場スクリーンのOPS.700に満たない年間成績だけを見ていた私は不思議に感じていました。
 しかし、トロントに限ればブレークイヤーとなった2022年と同等の成績を残しています。しかも昨季8本塁打のうち7本がトロントで打ったもの。あの人気ぶりも納得の活躍でした。改修によりアミューズメントパークと化した外野コンコースで遊び惚けてたトロントのファンたちも真面目に野球を見ていたみたいです。

※野球場です

https://x.com/_bkuh_/status/1736945515840074058?s=20

 いつまでも若手だと思っていたら4月で29歳になるようです。内外野出来ちゃうお陰でポジションをたらい回しにさせられていたり、そこそこ顔が良かったり、年に1,2試合自力で勝ち試合を作ってしまう辺りがトロントの平沢大河という感じ。
 2世トリオの長男としてデビューし、ルーキーイヤーと2020年の短縮シーズンで指標芸人たる成績を残しましたが近年は低迷。相変わらず出塁率だけは担保されてますが、彼の打席を見ていても巧打者感は無く、どうやって高出塁率を維持しているのかさっぱりわかりません。
 3年前Semienの加入によって3Bへコンバートされたものの、球際の強さがダイエット前のVladdy以下だったため定位置確保に失敗。ところが昨季8月末にChapmanが離脱し、久しぶりに3Bへ就くと見違えるような守備を披露。何やら洒落たダブルプレーも決めていました。

 昨季はハイレバレッジ場面におけるwRC+がチーム1位という、いわゆる“良いとこで打つ選手”だったみたいです。現地ファンに愛されるのも納得ですし、こういうニッチな指標で持ち上げてもらえることこそが愛されてる証左だと感じます。”昨季後半戦ベストプレイヤーの1人”なんて評価も受けているようですが、今季はシーズン通して2世トリオ揃い踏みな成績を残してほしいと思います。


Brandon Belt

 慣れ親しんだサンフランシスコから遠く離れたトロントまではるばる移籍してきたベテラン打者。獲得当初はフリースインガー右打者ばかりのトロント打線の良いアクセントになるのではないか、あわよくば打点王とか取っちゃうんではないか等と絵空事を並べていたのですが、シーズン開幕してみるとバットが空を切りまくる。
 ひたすらに三振を量産し、一度は加齢に伴う衰えと補強失敗を悟ったのですが、100打席を過ぎた辺りから良化。気付けばブルージェイズ打線に欠かせない打者になってくれました。初球凡退、3球三振当たり前のトロント打線の中で熟練のアプローチを披露し、規定未達ながらOPS.858を記録。“ベテランは100打席から”、荻野貴司とBeltが教えてくれました。
 一塁守備ではかなりフィジカルの限界を見せながら、8月のBAL戦では一塁走者にピックオフ右アッパーをお見舞い。Vladdyの休養日を作るぐらいにはやってくれたと思います。

 しかしながら、3月になっても去就未定。そんな彼のことで気になっていたのが、ロジャセンで度々見かけたBeltのネームナンバーが入ったASG2023ユニを着た一人の男性ファン。ご存じの通りBeltはASGに選出されておらず、公式もそのような商品は販売していませんでした。コアなファンなのは間違いないのですが、何者だったのか、そしてどうやって入手したのでしょうか。

Santiago Espinal

 ASG2022のスタメン二塁手の姿は見る影もなく、93試合に出場して積み上げたWARは0.1。居ても居なくても変わらんという感じでしょうか。
 Biggioの復調、SchneiderとClementeの台頭で尻に火がついたのか9月以降は打率.341、OPS.836も打っていたみたいですが、そんな印象は全くありません。大して打てなかったのはさておき、守備走塁で存在感を発揮できず、言うなれば『守備が平凡な守備型野手』。どうしたら良いんでしょうか。
 覚えているのは、7月末のLAA戦。昨季のTORで最も本塁打率の低かったEspinalとKirkの2人が揃ってHRを放った試合。Kirkに関しては2打席連発。大谷目当てに集まっていた日本人の皆さんにつきましては、大谷よりも貴重な試合を見ていたことに気付いてほしいと思います。

Danny Jansen

 守備型捕手みたいな面下げてたのに、いつの間にかDHでプラトーンされるぐらいの打撃型捕手になっていました。打撃の調子に合わせて眼鏡を変えてみたり、コンタクトレンズにしてみたり試行錯誤していた過去が懐かしく感じます。最近は素手に手甲ガードという奇天烈な装備で打席に入っていて、それもあってか死球で指を骨折。9月頭で悔しいシーズン終了となってしまいました。
 前述のKirk程の乖離はないにしろ、ホーム>アウェイの成績となっており、MLBにおける捕手の激務さを表しているのかもしれないと思うところもあります。但し、そういう情けは捕手としての責務を果たしている選手にかけるものであって、もう何年もマトモに盗塁阻止しているところを見た覚えが無いトロント捕手陣には通用しません。(ここでGabriel Morenoの守備指標を調べてはいけない)
 今季のJansenと言えば、5月14日ATL戦の逆転サヨナラタイムリー。個人的ベスト現地観戦でした。バックネット裏の良いお値段の席買って観ていたら、近くに来たバカタレ日本人に「やっぱり5階席の最安チケット買って、1階の空席座ってるんですか?バレないですもんね」とか言われたことも良い思い出です。


Davis Schneider

 右打者の補強が必要ということにファンが気付いた頃から、3Aでやたら打ってる右打者がいると番記者たちが取り上げ始めたSchneider。
 オフに右打者を3人放出した上にTDLでも大して補強出来なかったチームの言い訳かと思ってたら、評判に違わぬ大活躍。監督が同姓で、さらに大手食肉加工メーカーのSchneider社がブルージェイズのスポンサーを務めていることもあって縁故採用との噂がありましたが、結果で黙らせました。
 8月頭のボストン遠征からチームに合流すると、いつかのTrevor Story級にMLBデビューが大当たりし、BOS戦スイープに貢献。9月には2週間ヒットが出ないこともありましたが、OPS1.0以上でシーズン閉幕。後半戦だけの出場ではありますが、トレードマークの口髭も相まって、昨季のトロントを大きく盛り上げた選手の一人と言えるでしょう。
 2Bに置くには俊敏性が足らず、3Bに置くには肩が弱く、その両面から外野にも置きづらい。早速ポジション迷子になってしまっていますが、主力打者が揃ってFAとなった今のトロントにそんなことを言っている余裕は無いので、今季はレギュラーに割って入るんではないでしょうか。

 ちなみにスポンサーの方のSchneiderは月に1,2回、ロジャース・センターで$1ホットドッグキャンペーンを開催。Sportsnet番記者による集計結果は以下の通りです。


Ernie Clement

 すっかり守備専UTだと思って、実際TORでの初昇格時はそうだったはずなんですが、8月末に再昇格すると、打撃面が別人のようになっていました。特に8月末からのWSN→OAK→COLの9連戦で打ちまくる、タンキング絶許打法を披露。”ジェネリックDeJong”と言うべき活躍で、Bichetteの離脱を攻守でカバーしました。何やら今季のSTでも引き続き打ちまくっているらしく、バッファローの打撃コーチだったMatt HagueがMLB担当に栄転したのも納得です。
 そんなClementはSchneider、Horwitzとともにバッファロー生え抜きトリオみたいな顔して球団SNSによく出ていましたが、彼はプロ入りもMLBデビューもCLEなのでご注意下さい。

Nathan Lukes

 第4外野手として開幕ロスターに入るも、とにかく打撃がキツかった。この選手が3Aで打率.366、OPS.953打っていたのだから困ったものです。
 SpringerやKiermaierの休養日に起用されるため、不運にも彼らと比較され、球場まで行ってLukesがスタメンに並んだ日には正直がっかりする気持ちもありました。MLB1年目にはかなり過酷な立ち位置だったかもしれません。LADやなんかだったらこの手の選手をそこそこのプラトーン要員にまで育て上げられるのかもしれませんが、TORなので、目指せEzequiel Carreraぐらいの心持ちで見ていこうと思います。

Tyler Heineman

 2022年途中ブルージェイズにDFAされPITへと移籍していたHeineman。昨季途中に再びPITからDFAされると、ブルージェイズはすかさずクレーム。対価を払ってわざわざ再獲得。というのも今季はJansenとKirkが度々故障に悩まされ、3A捕手陣にも離脱が重なっていたらしく、Mr. タクシースカッドの如く片道3時間ほどのトロントとバッファローを反復横跳び。
 人員としては助かったのですが打てるわけでもなく、大して守れることもない。決して若くもない彼の何がブルージェイズに必要とされていたのかさっぱりわかりません。乗り物酔いしないから移動に強いとかでしょうか。今オフはNYM→BOSと渡り歩いているようです。ありがとうございました。

Spencer Horwitz

 イスラエル代表だったような気がします。昨季MLBデビュー。めでたく初HRも打ちました。
 ベースから離れて背番号丸見えで構える姿はアンチ・現代野球という感じで、球種・コースに構わず野球盤みたいなフルスイング。それでも打率.250、OPS.726残したので、MLB職場体験としては結果良かったんではないんでしょうか(3Aで.337/.450/.495やってるコーナー野手はもっと打ってくれてもいいと思いますが。)
 今季はVogelbachに加え、Vottoまで入ってきたので左打ちの1B/DH枠はなかなか厳しいかもしれません。バッファローではLFと2Bも就いていたらしく、LFはともかく2Bを守れるようには全く思えないのですが、引き続きバイソンズの主力打者として昇格機会を伺ってほしいと思います。

Paul DeJong

 EspinalやBiggioがプラトーンされてた内野の補強候補としてTDLに名の上がっていたDeJongは、Bichetteの故障によりややパニックバイ的に入団。Bichetteのような爆弾守備は無いので、パンチ力のある打撃が発揮されれば離脱期間のカバーくらいはしてくれるんではないかと思っていましたが、さっぱりでした。
 STL時代から躁鬱打法で、ハマればめちゃくちゃ打つタイプだったんですが、トロントで過ごした2週間は鬱期でした。44打席で.068/.068/.068。芸術的ですね。四球拒否な点ところだけBichetteの穴を埋めてくれたみたいです。
 この成績では流石に我慢ならないということでDFA。SFに移った初戦で、(トロントでは1本も出なかった)HR含む猛打賞の活躍を見せてTORファンの逆鱗に触れていましたが、その後は再び低調なパフォーマンス。とにかくトロントとは縁が無かったんでしょう。ヤンキースと対戦することなく去ってしまったのが惜しい限りです。


Jordan Luplow

 オフにTeoscarとLourdesを放出したチームが、右打ち外野手枠として使っていたのがこのLuplow。私がトロント入りする前に4試合出てマイナーに落ち、7月に再昇格して3試合でリリースされたので詳しいことはわかりませんが、損切は早いほうが良いという感じでしょうか。MIN移籍後も大して打てなかったみたいです。

Mason McCoy

 多分Bichetteが離脱してる時に内野デプスで昇格したんだと思います。現地で観てないので全く語ることがありません。可愛らしい名字ですね。

Cam Eden

 8月末にバッファローでMiLB観戦をする際にバイソンズの選手を下調べしたところ、何やら盗塁しまくってる選手を発見。それがこのCam Edenでした。8月中旬にして球団の単一シーズンでの盗塁記録を更新する44盗塁をマークし、最終的に53盗塁。その俊足が買われてシーズン最終盤にコールアップ。結局チームが代走の一発勝負に懸けるようなステージまで辿り着けなかったため5試合の出場に止まりましたが、シーズン最終戦ではMLB初ヒットを記録。それだけでも価値あるシーズンになったのではないでしょうか。



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