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美味しいの創造Vol3

本来であれば、越後妻有 大地の芸術祭のお話をしようと思ったのですが、新潟と同じぐら

いご縁があり、5 年ぐらい前から足を運んでいる香川県について少し書いてみたいと思いま

す。

瀬戸内海に面しているとても美しい県であり、瀬戸内特有の小さいな島々もあり、新潟の

芸術祭をモデルとして始まった瀬戸内芸術祭は今ではトリエンナーレとなれば 100 万以上

の人が集まります。

43 都道府県の中で一番小さい県と言う特徴もあります。

さて、そんな香川県に訪問するきっかけとなったのは 1 本のアスパラガスでした。

神の様な作り手だと勝手に尊敬している眞鍋牧場の眞鍋さんが作る春のアスパラガス。

甘くて、ジューシーで柔らかくて。最盛期は皮を剥かなくても一切気にならない程の出来栄

え。

きっかけはある野菜ソムリエさんのイベントで使わせて頂く機会があり、本当に美味しか

ったので、それから今に至るまで使わせて頂いてます。

今から6年ぐらい前の 2 月、眞鍋さんに今年も美味しいアスパラをお願いします。とご連

絡した所、実は病気になってしまいました。あまり畑の手入れが出来ず今年のアスパラは米

澤さんに使って頂くのは恥ずかしいです。でも一応できたので送りますね。

全然そんなことは知らなかったので、期待は心配はしましたけど、アスパラへの期待はして

ませんでした。

だがしかし、

そのアスパラが激ウマ過ぎた。

これは眞鍋さんの畑を見なくてはいけない!

そう思い眞鍋さんのアスパラを一度お店に食べにいらして頂いたお客様に連絡をして事情

を話すと‘私が連れてってあげる’。と言う事になり、眞鍋さんの畑は勿論色んな所に連れて

行って頂きました。

その晩にうかがった‘おきる’で出会った店主の小島さんは今となれば香川の兄貴分ですし、

今回 瀬戸内海放送 50 周年企画 香川はうまいか?をプロデュースされている国見さんも

この頃からのお付き合いです。

それからと言うもの、オリーブ牛の 200 名近い着席コース、小豆島オリーブオイルの収穫

祭、大好きなかめびし醤油の蔵でのイベントは 4 回ほどやらせて頂きました。

三豊市で養豚をしている増田さん達とは毎年‘大人の給食’と言う、自分たちが卒業した小学

校を買い取り、色んなイベントを仕掛けています。

私は東京、浅草出身。両親も同じ中学の同級生と言う事もあり、おばあちゃんの田舎。と言

うのがありませんでした。

夏休みに田舎に行く同級生を羨ましく思ったのは毎年の事だった気がします。

だからこそ、今この大人になった環境で行く田舎町には本当に色んな感情が生まれます。

地方の過疎化は日本中で社会問題となり、地方から本当に若者がいなくなっている。

でも瀬戸内海は 2019 年 NY times 唯一の日本で行くべき所に選出されていたり、新潟の芸

術祭は本当に田舎風景がきれいです。

今回の瀬戸内海放送の‘香川はうまいか?’のテーマは私の香川訪問のきっかけとなった野

菜たちでした。国見さんとはいろんな議論を重ねた上で、ヴィーガン料理だけのコースで

どれだけ香川の農産物が美味しいか!これをテーマに第一回目はやりたいです。

そんな熱いメッセージの元、行いました。

結果的には本当に沢山の方に喜んで頂き、The Burn でもヴィーガン料理を提供していると

言う事もあり、めちゃくちゃ嬉しかったです。

野菜料理を作る思いの中に、かっこよくて美味しい野菜料理が増えれば、その素材を自分が

作りたいと言う気持ちになる若者もいるんじゃないか?新たな若手就農者が出るのではな

いか?かっこいい服を見てデザイナーになりたい。おしゃれな建物を見て建築デザイナー

になりたい。と思うのと同じ思考な気がしています。

地方に行くと色んな方に出会い、とても豊かな気持ちになる。

もっと時間を作り、これからも様々な田舎に行き、いい食材を見つけうまい酒を飲み、それ

を活力に旨い、かっこいい野菜料理が作れたらと思います。

次回はまた違った気持ちにさせてくれる新潟県 十日町 越後妻有 大地の芸術祭につい

て書いてみよう。

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