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ミドリムシ博士の超起業思考

ユーグレナを立ち上げた鈴木さんが起業をする際に使っていた思考方法がなかなか面白く、いろんな分野で応用可能だと思った。

特にロジカルシンキングをわかりやすく説明しており、起業をする人に限らず考えや課題をまとめる際に誰もが使える方法なのだろう。


箇条書きのメモ


・バイオマスの5Fと単価で優先順位を決める
Food / Fiber / Feed / Fertilizer / Fuel の順で単価が低くなる
→ 食品は参入障壁が低く単価も高く販売できることから市場として成立しやすい。そこで次第に単価が低いが障壁が高い燃料などへと移行していく。

・「勝利の要件」と「勝ち方」を決める
→「人と地球を健康にする」と「バイオマス5Fに従った成長」

・小さな実験と大きな実験
→小さな実験で失敗の要因を特定し、成功確率の高いやり方を見つける

・ロジックツリーを作り課題を分解していく
1, 解決したいことや達成したいことを全て書き出す
2, 因子が失敗する原因を検証する実験を行う
3, 影響力の大きい因子を見つけ対策を実行する実験を行う
によって原因をどんどん分解していくことで小さい実験にまで落とし込めるが変数が増え再現性が難しくなるのでアカデミックな世界ではあまり使われない
・ユーグレナの大量培養に役立たなくてもアカデミズムの世界での信用も大切なため論文を書き続けた

・「東大発の企業で私がその研究者です」と言うとブランド力もあり話を聞いてくれる人が増えたため、使えるものはなんでも使ったほうが良い

・ランチェスター戦略により、小さな分野でまず一番を取り別の分野や少し大きな分野に徐々に広げていき後発企業が現れても並行的に常に一番になれる分野を開拓していく

・トルネードチャートを使い「油分量を増やす」「大量かつ安価に作る」「効率的に燃料に加工する」などの変数の多い要素を出して全体とバランスを合わせながら最適化していく
その中でもリッター200円などの最終的なユーザー目線を知ることが目指すべき指針になるので最初のうちに叩き台として決めておくべき

・比較優位
デビッド・リカードのミクロ経済における「比較優位の原則」によれば、相手が自ら用意するのが困難で欲しがるものを提供できれば、そのほかの分野で劣っていても取引が成立するという論理

・あらゆる論文を読み込んで理論武装できるのは大切だが、実験という点ではユーグレナは検証が素早くPDCAが速く回せるので仮説もすぐに修正できる点が魅力だった

・論理的思考力を身につけさせるために子供に対しても「なぜそうしたいのか」の理由を説明させることで階層構造の把握をできる力を身につけさせる育児

・仕事はWILL(やりたい)CAN(できる)MUST(求められる)を把握する

・演繹的なアプローチとして抽象から具体へと学びを進める
数学→物理→化学→生物などアウトプットが多いもので論理的思考を身に付けてから学びを進めることで合理的な判断がしやすくなる

・階層構造を考えると「いい論文を書かなくては」というものが「そもそもなぜいい論文を書く必要があるか」とロジックを遡って考えられる

・バイオベンチャーは「事業拡大のタイミングが早すぎる」ことや「成果が出る前に打ち切りになる」という理由で失敗することが多い。

産学連携の形で進めた方が信用も高まり予算もおりやすくなる


個人的なメモ

自分がやるとしたら学会に論文を発表するとして所属が必要になるため、大学に入学しつつ会社を作って両方の面で信用を高めておくのも悪くないかもしれないと思った。
そうすることでアカデミックな研究気質な学生と仕事をしたり、行政を絡めて仕事を進めやすくもなるかと思う。

そうした場合に本書で紹介されていたロジカルツリーは重要で、研究を行う上での検証に使えるツールだろうと思ったわけだ。

論文を作るとするのであれば、大人数に対しての統計の調査か、再現性のある実験を組むか、論証をしっかりと組んだ考察が重要になってくるだろう。
そうしなければ観察日記になるのだが、逆にいえば観察日記にそれを加えれば論文として成立するのではないだろうか。

観察日記はウェブ上でいえばレビューサイトだが映画で言えばそれを表象文化論と結びつけるとアカデミックな要素が加わって面白いだろうなとか考えたりした。

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