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あほらし

「海が見たい」と言って連れてってくれた。

珈琲牛乳の色した海は大きくて今にも雨が降りそうな空も、名前のない関係性な私たちみたいだった。

お互いの気持ちを確かめるかのように、
「彼女が出来たら、絶対に一番に優先する!」
と得意気に話す。

わたしは背中の汗がスーっと通って、ちょっと反射的に距離を取って傘から外れた。左肩が少し濡れても。

優先順位なんて、いつも同じなわけがない。
家族も友達も、仕事だって彼だって、そして自分だって一番にしたいときがある。

重荷だなぁ~~!ってわたしは思った。
それから次会う予定も、延期してもらった。

ひとりになれてしまって、でもひとりぼっちにはなりたくないけど。誰でもいいわけではなくて。もっと楽に生きたいな。もう少し

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