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春夏秋生の生えてきたインタビュー第17話

【聞き手:春夏秋生×ズガ・コーサク】 
[ズガ・コーサクとクリ・エイト:インスタレーション]
秋生:みかのはら~とに出展されたのは、伸子さんからの求愛からですよね?(笑)
ズガ・コーサクさん:はい、いろんな人に「告白されたんでしょ。」と言われ、「そうです。」と言うてます。(笑)
秋生:何度も伸子さんがラブレターを送られたんですよね。
ズガ・コーサクさん:そうです。私全然自覚が無いんですけど、伸子さんの長い長い文章を読んでいるうちに、怒り顔のスタンプが連続して押されてしまい、それがビュンといってしまったような気がします、、、。それでも、ま、いいか~と放置していたんですけどね!
秋生:そうだったのですね、怒るつもりは全然なかったんですね。(笑) その頃、伸子さんは「謝りに行かないと。」ととても深刻に言われていましたよ。(笑)
小豆島に伸子さんご一家が行かれたんですよね。アトリエがあったのですか?
ズガ・コーサクさん:ないんです。たまたまメールをもらった時に小豆島で展覧会をしていたんです。それで、「一度作品を見に来られたらどうですか?」と言ってしまいご一家がはるばる来られたんです。初めて伸子さんからメールをもらった時から、へりくだり加減が底の底をいくくらいのへりくだり用だったので、私の相方のクリちゃん(クリ・エイトさん)は、伸子さんのことを「きっと武士にちがいない。」と言ってました。(笑)
そして小豆島のギャラリーの入口で話している時もそれはそれはとても丁寧にお話をされ一時間が経った頃ギャラリーの方に、「あの、外でお話してもらえますか?」と言われ外で話していると日は昇ってくるし、お子達もだいぶと時間を持て余し気味になりお腹も空いてくる頃だし、このまま帰ることになろうものならこちらの武士が切腹しかねないと心配のあまり、「ではとりあえず今年やりましょう。」と急きょ決まりました。
そこでやっと、みかのはらはどこかしら?加茂ってどこかしら?というところから、このような素敵なところとはつゆ知らず・・・ここまで来させてもらいました。
秋生:この作品の展示場所はどのようにして決まったのですか?
ズガ・コーサクさん:私達は小豆島があったので台所でもどこか空いた隅っこの場所でもと言っていたのですが伸子さんからの提案で、この場所を使わせてもらうことになりました。
(その作品はやぎやの長い道を歩いてきて一番手前のもともと洗濯機が置いてあった場所にあり、そこに飛び込んでくる作品こそがズガ・クリさんの二週間の愛の結晶!何十枚と集められた段ボールは色を塗られて、みるみるうちに様々なパーツパーツに変身しパイプを切ったものは、あるべき場所に設置され銀色が巻かれ、スイッチボタンの凹凸、くるくる回すレバーの一つ一つまで目を見張るくらいに、ただただ凄い仕上がりで、それはもう部屋を見た人にしかわからないほどの驚きなのです。入口の係員以外立入禁止の表示を目にすると入る事をためらってしまう人が続出するくらいでした。)
秋生:なぜボイラー室にしようと思ったのですか?
ズガ・コーサクさん:この場所の広さを二週間で作り上げる事ができ、候補の中で私達がときめくもの、好きだなと思ったのがボイラー室だったんです。
秋生:やぎやでは何日くらい制作されていたのですか?
ズガ・コーサクさん:土、日、土、日です。金曜は仕事終わってから電車で来ました。そして泊まって土曜の朝から作業がスタートします。そして日曜の夜にまた家へ帰っていました。
秋生:お二人はアートに関わるお仕事をされているのですか?
ズガ・コーサクさん:私達二人ともOLなんです。普段は制服着てます。全面的に会社のゴミ捨て場から廃材をもらい、会社で使わなくなった紙管や銀テープなどあらゆるものを使わせてもらっています。
秋生:そうだったのですね。お二人ともに二足のわらじだったのですね。ズガクリさんのパンフレットでも少し拝見したのですが、作品の規模の大きさに驚きました。
ズガ・コーサクとクリ・エイトさんとしての活動はどれくらいになりますか?
ズガ・コーサクさん:15年位になります。
秋生:クリ・エイトさんとはどのようなお知り合いだったのですか?
ズガ・コーサクさん:2000年頃二人とも版画をやっていたんです。銅版画のプレス機が扱える工房で出会いました。それから何年か経って偶然たまたま一緒に作品を作る事になりました。
秋生:初めて一緒に作った作品は何でしたか?
ズガ・コーサクさん:駅です。駅や電車が二人とも大好きなんです。駅一回、電車一回、改札口一回と計三回作りました。今回も「車掌室したいね、この形ええよね。」と言ってたんですけど、ちょっと難しいかなとやめになりました。
秋生:どこで作ったのですか?
ズガ・コーサクさん:阪急電車の高架下にあるギャラリーです。阪急とJRが三ノ宮でぶつかるのですがその阪急とJRの高架が近づく寸前で幅が少し太くなっているところがギャラリーになっていました。その真上を電車が走っています。そこで「やってみない?」と声をかけてもらったのですが、私もクリちゃんもそれぞれが絵を描いたりなどで個展をしたところだったので二人展をやろうとなりました。そこで初めて、『ズガ・コーサクとクリ・エイト』という名前が誕生したんです。
さあ何をやろう?となりお互い好きなものを言いながら「電車」という事だけ決めてまずはDM写真を撮ろうという事になり、阪急王子公園駅に集合したんです。何も言ってないのにクリちゃんは栗のお面を被って、ごみ袋を着て、私も『ズガ・コーサク』という割烹着を着て駅に行きました。小学生が使う筆洗器をポシェットにして二人でポーズ撮って「撮らせてもらってもいいでしょうか?」と駅で尋ねると、当時は皆気さくな方で、駅員さんもちゃんと身を乗り出して一緒に写ってくれました(笑)今だったら絶対怒られると思います。その当時は写真を撮らせてくれるし、写ってもくれるし、怒られないし、という事がありました。そのギャラリーの真上を電車が走っているので、ガタガタという音だけで電車がなくても駅感が出たんです。それが私達第一回の作品です。
秋生:その時は、段ボールを使ったりして作ったのですか?
ズガ・コーサクさん:その時は直描きしていいと言われたので、クリちゃんが段ボールで色々作ったりしながら直接描いていきました。とても楽しかったです。それに味をしめて二回、三回と続いたんですね。(笑)
秋生:その作品は見に行ったら今もありますか?
ズガ・コーサクさん:もう、今はないんです。
秋生:そうなのですね。これからやってみたい事はありますか?
ズガ・コーサクさん:ネタが切れてきているので私はゆっくりしたいなと言ってます(笑) したいことは、休憩(笑)
秋生:なるほど、ちょっと何も作らず土日もゆっくりしたいのですね。 今、ハマっていることはありますか?
ズガ・コーサクさん:最近は漫画を読むのにハマっていて、私は漫画を描くのが好きなんです。自称4コマ漫画家を小学校の時から名乗っています。
秋生:どんな漫画にハマっているのですか?
ズガ・コーサクさん:クリちゃんがアニメを見るのが好きで、「王様ランキング」を私が漫画で読んでいて、彼女がアニメで見ていたので炭本家のだいちゃんにもおススメしました。そして私達とだいちゃん三人で熱くそれについて語りました。こういうところに来たら、色々な事があってすごく楽しいです。
秋生:本当に楽しいです。見に来る人もみんな笑顔でとても楽しそうです。遠方からの御参加本当にありがとうございました。

ズガ・コーサクとクリ・エイトさんのボイラー室、今のところやぎやで会えます。いつまで会えるのかは未定でございます。





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