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春夏秋生の生えてきたインタビュー第18話

【聞き手:春夏秋生×やぎやガウディ  黒板】 

秋生:どうして出展しようと思ったのですか?
ガウディ:みかのはらの人から早々とたくさん申し込みがあり、誰かに「ガウさん出さないの?」と聞かれて、ついついその会話の流れの勢いのまま「出すよ。」と言ってしまった。「やってみようかな。」というかんじでスタートはわりと軽かった。
秋生:ガウディさんが取り組んでる時期はわりと間際だったような…。
ガウディ:みんながバタバタしている時バタバタの手伝いとかで走り回っていて、やぎやの片付けや作品のレイアウトを決めたりしていたので、作品作りはギリギリまでタイミングが合わなかった。基本皆がご存知の通り間際な人だから。(笑)
秋生:お尻に火が付かないとなかなか…。(笑)
ガウディ:なんでなのか早くしようと思っても進まなくて、でもその日に走り込めるのはその日にさあ、やろうじゃなくて前からその日めがけての組み立てがあったからそこでできるんだけど、取り掛かりは間際だった。
秋生:それまでに頭の中でイメージができていたのですか?
ガウディ:だいぶ変わっていったね。最初管理人さんからの提案もあって「黒板」を使ってやってみようとなって始まった。黒板に書き始めていくうちに感じたのは、最初は書いてる僕が僕で、例えばガウディジョーンズでもやっている奈良時代の事とかを書いていくと、恭仁京の事だったら聖武天皇の気持ちで書いたりするとそれはそれで面白いのだけど何か違うというところがあって、「アートって何や?」の勉強会をしたり、辺口さんと話したりしていろんな人と話をしていくうちに、「自分と向き合う」という事を意識するようになり、「自分って何だろう。」と考えるようになった。それは書かれてる黒板とか字を引き出す「黒」が僕の理想のところなのかなと思った。白のチョークで書いている僕より前に、その器的な書く「場所」としての僕がいる。それは決まった形じゃなくて色々変わることもある、というイメージがあった。それで「黒」を書かないといけないと思った。「どんな黒があるだろう。」と思いながら自分のイメージの黒を色々試した。黒板に書かれている文字はそれほど重要ではなくて、そこに存在している「黒」が大事。実はもともとは、黒板ではなかったから、黒板になる前のそこに至る前は自分の過去でもあるからそれをイメージしてちりばめたりした。
秋生:もともとは黒板ではなかったのですね。もとから黒板があったと思っていました。
ガウディ:どちらかというと人に見せるというより自分に入る、内向きのものだったかなと思う。だから「さあ、見て下さい。」というものになっていないからこれでいいのかなと思ったけれど、やっぱり自分の中に落とし込みたかった。
秋生:作る人は表現する前に自分と向き合っていくことになり、作り出すと自分の中で葛藤があったり、「自分ってこんな事を感じているんだ。」そういう事に気付かされたと聞きます。
黒く塗ったのですね?何で塗ったのですか?
ガウディ:黒板塗料で。
秋生:それはもともとは何でしたか?
ガウディ:もともとはやぎやの戸だったり茶箱だったり、本とコーヒーの黒板も置いておきたくて、それは自分の歴史でもあるし、そこに自分の思いだったりこれまでにしてきた事やこれからやってみたいなと思う事を書いてから黒く塗った。
秋生:そうだったのですね。作家として出展してみて自分の中で何か気持ちの変化はありましたか?
ガウディ:自分の経験になった。普段生活していてなかなかこんな経験はできないし、一つの面白い経験ができた。他の人もそうだと思うけれど、この事が何かにつながっていくんだろうなと思う。スタート地点というかんじで、自分の振り返りができたなというようなそういう気持ち。
秋生:みかのはら~とが終わっての感想は?
ガウディ:全体として良かったと思う。来た人も出した人も見た人も満足できたと思うし、お疲れ様会も皆がにこにこして終われたので。
秋生:色々スムーズにいかないこともありましたが、安全に無事に終わって本当に良かったです。
ガウディ:今後はこれをもとに地に足をつけて次の目標に向かおうというかんじ。
秋生:今、はまっていることはありますか?
ガウディ:絵を描く事かな。
秋生:そうなのですか?もとから描く事が好きでしたか?
ガウディ:小、中学生と描く事は好きで美術は大好きだった。でも描くのに人の倍くらい時間がかかるから遠慮しがちだった。
秋生:ふと描いてみようと思ったのですか?どんなものを描いているのですか?
ガウディ:鉛筆を持って字を書くのは好きで、だいたろうやはねたろうが描いているのを横で見ていて描いてみようかなと思った。数字や円や波線が描いていくと「あ、楽しいかも。」と。今、鉛筆と画用紙を持った段階。
秋生:だいたろうやはねたろうは何を描いているのですか?
ガウディ:図鑑や漫画を見て描いたりしてる。
秋生:みんな描く事が好きなのですね。管理人さんも絵上手ですよね。
ガウディ:そうね、中学の時とかずっと描いていたみたい。絵を描くって手段みたいなイメージ。英語とかも何かを伝えるための道具だろうし、表現する手段として絵って面白いなと思った。
秋生:手段の一つなのですね。私も鉛筆で書く感覚が好きです。将来やってみたいことはありますか?
ガウディ:何だろう?夢は道具を使いこなせる人になる事。例えばなりたろうさんみたいに工具を使いこなせたり、ガムランの太鼓も叩くんだけどもっと叩けるように、ギターも思い通りに弾くんだけどもっと道具として使えるようになりたい。鉛筆も。

ガウディさんは、ギターでは指から血を流すくらいに練習するし、研究熱心でコツコツ努力を重ねて自分のものにしていく。その目的はあらゆるものをもっと自由自在に操れるようになりたいからなのだな、と感じました。そこまで練習に熱中できる熱さがとてもとても眩しくて、その熱い風を周りにもなびかせてくれます。これからもその熱さで色々な風を吹かせて下さい。





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