子どもの金融教育について考える

現在4歳児、0歳児、2人の娘がおりますが、二人に対して、今後どのような金融教育をしていけばよいか、考えてみることにしました。


きっかけはgaccoの講座。


gaccoの講座に対する内容のメモと感想

厚切りジェイソン氏は3人のお子さんがおり、子どもたちに自分の金融における価値観を伝える、年末に子どもたちの貯金に対して利子をつけるルールといったことをしているそうです。

上の動画は3部構成で、【金融教育編】【稼ぐ力編】【投資・資産運用編】。他にも興味深い点がいくつか。


・日本人は不労所得が汚いモノという考えをしている、親が子どもにお金の話をしたがらない

→うちもそういう家庭でした。お金はすべて銀行口座、株や投資は怖いもの、という教育。奨学金も含めて借金をしないように育ててくれたのはありがたかったですけれども。お金の話を子供にしたがらない割に、社会人になったら貯めておけ、贅沢するな・・・とばかり。大人になったらどれだけ稼げるのか、何にどのくらい使うのか(特に家と子どもの教育費はどれだけかかるのか)・・・などといった、家庭での金融教育はもう少ししてくれたら、と思います。ただ、贅沢できる家庭ではなかったうえに、兄妹もいたので教育費がかかるということもあり、兄妹みな割と堅実な金銭感覚は育ったのかなと思います。

社会人がどのくらいの給与をもらえるのか、今だとネットで調べたらある程度分かるというのはありますが、知識ではなく実感として家庭の中で形成していくことは、子どもが将来どんな仕事に就くか?の考え方の一つになるかなと思います。


・日本の新卒はスキルにかかわらず一律で扱っているがアメリカはスキルを主張して待遇upできる

→新卒に限らず・・・企業に勤めている中で感じるのは、日本は仕事ができる人とできない人の待遇の差異が小さいようには思います。あまり差異をつけなさすぎると、できる人がもっと頑張ろうと思えなくなるのではないかと。。。優秀な人は、最終的には出世するかもしれませんが。

中途採用が少ないこともあって、個々に対して年収に差をつけるのは日本企業はうまくないのだろうとは思います。


・何かやりたいことがある場合、時間と労力を最低限だけかけ、うまくいきそうであればリスク管理しながらリソースをかけていく

→考え方、なんだか個人ではなくて企業みたいだなあと思いました。。。


・投資に関しては生活費2年分を現金で持って、残りは投資に回す


・FIREは、Financial Independence(経済的自立)が重要、お金ありきで仕事を選ばなくてよくなる

→これは同意。最近話題のFIREは私も気になっておりますが、経済的自立としての資金を確保しておくことで、何かあった時に仕事を断る・辞める選択肢ができると人生変わるなと思います(例えば、子育て期間中の望まない転勤の時とか)。

話が飛びますが、FIREについては、例えば子供を育てるのにゆっくり育てたい場合や、芸術分野や研究分野などの中でお金になりにくい(収入が安定するかわからない)分野にリソースをかけたい人生の場合に、人生の前半で稼いで経済的自立を確保してから人生後半でやりたい分野にする、なんて考え方ができるのかなと思いました。・・・研究の場合は例えば理系の実験系だと必要資金も半端ない場合もあるので、やりたい内容にもよるでしょうけれども。


テンポの良い流れで、日米の考え方の違いもあってなかなか興味深い講座だったと思いました。gaccoに登録すれば無料で受講できるので、興味があれば登録して見てみることをお勧めいたします。


自分の子どもの頃の、家庭での金融教育の振り返り

上でも少し書きましたが、親は子供にお金の話をしたがらない、それでいて子供にはお年玉などはちゃんと貯金しなさいというタイプでした。お年玉を親が使い込むといったことはなく、高校生くらいから自分で通帳管理するようになったと記憶しています。が、通帳に入っているお金というものは子どもには引き出しづらく、通帳から引き出して使った記憶はありません。

月々のお小遣い制は高校生になってから。中学生までは、必要な時に必要な分だけもらう形でした。毎月、姉妹で少女漫画誌りぼん・なかよしを買ってもらっていたのは、ある意味お小遣いだったと思いますが、自分で支払うことはなくて、親と一緒に行ったときに買ってもらう形でした。中学生くらいになると友達と遊びに行くときにお昼代+αをもらって、その日の分くらいはやりくりするようなこともありましたが、月単位でお小遣いを考えるといった経験はなかったです。あと、欲しいものができた時は、お年玉の中からやりくりする形でした。お小遣いがなかったので、自分の好きなマンガや小説などを自由に買えなかったのが残念だったなぁと思いました。小説は図書室で頻繁に借りていましたが。時間はあるけどお金がない子供時代、少しだけでも自分の好きなものを探すためにお金を使うことができたら・・・今とは少しだけ違う人生もあったかも、なんて思います。

高校生になって、初めてお小遣い制になり、たまに本やCDを買ったりできるようになったのがうれしかったです。また、高校生になってからは、洋服も季節ごとにいくら以内で、と予算をもらって、買いに行っていました(洋服代はお小遣いではないので、余ったら返金です)。

休みの日には、暇だったこともあり、食料品などの日常の買い物によくついていったので、食品の価格や1回の買い物金額など経験として金銭感覚を身に着けたかと思います。高いときには買わない、特売の時に買う、といったことも覚えました。

大学生になると、入学金や半年の学費がどのくらいか、などの情報も話してもらえるようにはなりましたが、それが実家の収入や貯蓄に対してどのくらい、といった情報はなかったので、大学費用が家計に対してどのくらい大変なことなのか、実感はなかったです。(実感したのは自分に子どもができてかららでしょうか・・・)

その他、家庭内ルールとして、兄妹間で共同購入はOKでしたが、お金の貸し借りはNGでした。欲しいものがあったり、出かける用事があってお金が必要な場合は、母親に話して必要金額をもらうか、自分のお年玉の残りでまかなう、誕生日かクリスマスに買ってもらう、の選択でした。まあ、子どもの頃は欲しいものを自分で買う、という感覚もなかったので、大概の場合は誕生日・クリスマスを待つ形でした。


振り返って思うのは、もう少し早くから自分の自由になるお金があっても良かった、ということと、高校生か大学生になったら、学費が家庭の支出の中でどのくらいを占めるのか、くらいはその時に知っておくべきだったなと思いました。大学に入って勉強しなかったタイプではないですけれども、今思えば、これだけの費用がかかっているのだからもっと真剣に身につけねば、と思うべきでした。(もっと大学で勉強して元をとるべきだった。今ならまた学びたいことがいろいろあります。。。)

自分の経験から、子どもの金融教育を家庭で考えなければいけないなと思っています。


子どもの金融教育(幼児編)

ここからは自分の子に対してどのように金融教育を取り入れるか考えてみたいと思います。

考えるにあたって、参考になりそうなサイトをいくつか挙げておきます。


4歳娘(年中)は、お金の価値を少しずつ分かってきたということもあり、4月からお小遣い制にしています。ガチャガチャの好きな娘は、出かけるとすぐガチャガチャをしたがるので、毎回お金を渡すのではなく、お小遣いから使ってもらう形にし、月に1~2回ガチャガチャをできるくらいの金額ということで金額は500円に設定、毎月1日にお小遣いを渡すようにしています。

出かけるときには自分でお財布を持って行かせるようにしています。近所に散歩するなどお財布がない日はガチャガチャなしです。出かけるときにお財布を持っていくこと、欲しいものを手に入れるにはお金が必要、ということをわかってもらえたらいいかなと考えています。

お小遣い制にした他の理由として、親の価値観≠子どもの価値観、というのもあります。お小遣い制にする前は、つい、これにはお金をかけてもいいけど、こっちはすぐにゴミになるからいらない、などと、親である自分の価値観で買う・買わないを決めてしまっていたのですが、親が必要と思っていなくても子どもがその時にどうしても欲しい・価値があると考える場合もあり、自身の価値観で選ぶ方が幸せなのかもしれないと考えたためです。その場で自分がお金を出すと、もったいないと思ってしまいがちですが、子どもが自分の財布からお金を出すのであれば、月々定額だし、いいかなと思えるので。月々一定額なので、親の方も、トータル金額は少なくなったりもします。。。

お小遣いの使い道は、ガチャガチャの他、数百円程度の小さいおもちゃなど。スーパーでのお菓子は食料品として家計から出します(ただしおもちゃメインのお菓子はお小遣いから)。今のところ、お財布の存在を忘れて持って行かないこともあり、毎月のお小遣いが足りなくなることはないようです。

その他、もう少し成長してからかもしれませんが、親に借金をしたりや姉妹間でのお金のやりとりは禁止です。成長したら、お友達ともお金の貸し借りをしないように話していきたいです。お小遣い分以上に必要なのであれば、都度交渉かなと。夫は娘に甘いので、娘が欲しいものがあると、大体出してくれる気がしますが・・・。(こないだも小さいレゴのおもちゃを買って帰ってきた・・・)


お小遣い以外での金融教育としては、生活していくために父と母が働いているんだよ、娘にも学校に入ったらしっかり勉強して、大人になったら自分で稼ぐんだよ、という話はしています。


子どもの金融教育(小学生編)

小学校に入ったら、お小遣いは雑誌一冊+αくらい必要かなと思いますので、1000円になるかなと考えています。雑誌を買うようになったらにするかもしれません。

下記サイトより、小学校低学年のお小遣い相場は500円(中央値)とのことですが、お小遣いでどこまでの範囲を含むのかによって、金額は結構差がでそうだなと思います。

少女漫画誌のりぼんやなかよしも600円台だったりしますし(自分が子どもの頃より高くなってる)、それを含むとお小遣い500円では足りないでしょうし。雑誌1冊は小遣いとは別で、とするのであれば、500円のままでも良いかもしれませんが、できたらそこも自分の裁量の範囲で買う・買わないを決めてもらいたいと思っているので、お小遣いに組み込む形にする可能性の方が高いかなと思います。

小学校に入ったら、お小遣い帳もつけてもらいたいと考えています。また、貯蓄に関しては、上に書いたgaccoの講座でやっていた、年末の金額に対して利子をつける、といったことも考えていきたいなと思います。実施するとしたら、例えば、郵便局の子どもの口座の残高に+5%くらいとかでしょうか。

他、スーパーなど日常の買い物で何がいくらで買えるのかを知ってもらったり、外食したらどのくらいかかるか・・・など、身近なところから生活するのに必要な金額を理解していってもらいたいと考えています。


貯めることばかりではなく、使うことについても経験してほしいと思いますが、例えば夏休みの自由研究で少しお金がかかるようなことがやりたかったり、自由研究でなくても長期休暇でないと経験できないことや、好きなことを追求することなど、やりたいことに対しては、出資してあげたいと思いす。子ども本人の意向次第ですが。


子どもの金融教育(中学生~高校生編)

小学校高学年~中学校くらいで、株式投資にも少し触れさせられたらと思います。単元未満株でごく少額にはなると思いますが、好きなものを取り扱っている会社の株を所有して、株価がどのくらい動くのかを経験してもらえたらと思います。

中学生~高校生の6年間で、お小遣いとは別に、千円程度毎月定額での投資信託を買ってもらう経験をしてもらいたいと思います。金額は高校卒業・大学に進むのであれば進学のお祝い代わりかな。購入銘柄については口を出しますが、たぶん世界株インデックスか米国株インデックスを勧めると思います。

参考として、中学校進学時に毎月1000円積み立てると・・・中学・高校の6年間で元金72000円、年3%で運用できたと仮定したら約78000円。株価動向次第ですが、6年間実施したら、月々積み立ての効果を実感してもらえるくらいの金額にはできるんじゃないかなと思います。(もっと早くに興味を持つようであれば、例えば小学校4年生から9年くらい実施できればより効果がでるかもしれませんね)

大学進学費用は私の方で月々積み立てで投資信託での運用に回しているのですが、その内容についても、高校生くらいになったら話していきたいと思います。どのくらいの費用が掛かるのかも含めて。


ここまでは貯める方の金融教育でしたが、どうやって自分に必要な生活費を稼ぐか?ということも金融教育としてはとても大事だと思います。将来の職業については、20歳くらいまでは好きなことを追いかけて、その先は何で稼いでいくのか決めてほしいと考えています。やりたい職業があれば、それに向かっていけばいいですが、子どもの頃になりたかったものが大人になってもずっとなりたい職業なのかはわかりませんし、好きなことから仕事につながるものを見つけることができるかもしれません。一方で、いつまでも好きなことやっていいよ、とは言えませんので、好きなことから将来の職業を見つけることができなかったとしても、大学卒業の22歳までにはどんな職業で生活していくのか決めてくださいね、という方針。

自分は子どもの頃将来なりたいものがあまり明確ではなかったタイプで、大学進学も自分の興味で決めたので、子どもにも将来の夢をしっかり決めてほしいとは言えない・・・。ですが、将来の夢が早く決まっていると、なりたいものになるために必要な経験をさせてあげたり情報を調べてあげたりと親としてはサポートできるので、そこは子どもにはしっかり伝えておきたいと思います。

・・・ちなみに上の娘4歳は、まだまだ日々やりたいことがコロコロ変わります。保育園の先生になりたい、父・母のテレワークを見てか、同じ会社で働きたい(ちょっとうれしいですが、将来も同じ仕事があるかは不明・・・)、最近では宇宙一の料理人(Eテレの「宇宙なんちゃらこてつくん」の影響っぽい・・・)などと言ってみたり。まあやりたいことがいろいろあるうちに、いろいろな経験をさせてあげられたら良いなとは思います。(・・・が一緒に料理しようかと誘ってもあまり乗ってこない、言うばっかりでまだまだやりたいことではない様子)


また、どんな職業が平均給与としてどのくらいもらっているのか・・・といった情報も高校生くらいになったらインプットしていった方がいいかもしれませんね。自身の生活に必要以上に稼ぐ必要はないと思いますが、職業についてから思ったよりもらえなかったから別の職種に転職する、というのは結構大変かと思います。お金を稼ぐだけが仕事ではないですが、職業によって収入差は出てくる、という現実もありますので。


あとは、高校生くらいになったら、家計費について、親である私自身がどれくらいの給与をもらっていて、どんなことに生活費がかかっているのか、大学に進学したらどのくらいかかるのか、などなど、開示できる範囲で家庭のお金について、子どもたちとも共有していきたいなと思います。


おわりに

今考える自分の子どもの金融教育について、簡単に考えをまとめると、下記です。

・幼児期からお小遣い制で少しずつお金の使い方に慣れていく、何に使うか自分で決めていくようにする

・少額投資から慣れていってもらう、株式投資や月々積み立ての投資信託を経験させていく

・生活費について、小学生くらいから少しずつでも、何にどのくらいかかっているのか理解してもらう、高校生くらいになったら家計のお金についての情報を共有していく


子どもも素直に親の言うことを聞いてくれるわけでもないでしょうし、なかなか思った通りに進めることはできないとは思いますが、子どもの将来がより良いものになるように、親である自分がお金の話を避けるのではなく、家庭で教えられる金融教育を実施していきたいなと思います。



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