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せっかくの3連休なのに予定がないから

せっかくの3連休なのに予定がない。
でも貴重な夏の休みだから、何もなしに終わらせたくない。
そう思った私は、家から一歩も出ずに、以下に3連休を楽しめるかを計画することにした。

とにかく家の中で楽しめることをリストアップしてみた。
1,ゲーム 2,読書 3,映画鑑賞 4,動画視聴 5,音楽鑑賞 6,ネットサーフィン 7,お昼寝 8,勉強 9,食事 10,その他
「あれ?意外と少ないかも」
もっと色々あると思ったけど、案外思い浮かばない。
「うーん、どうしよう……」
私はスマホの画面を見ながら考える。
すると1つだけ思いついたものがあった。
それは……
「そうだ!久しぶりに絵を描こう!」
私は昔から絵を描くのが好きだった。
小さい頃はノートにイラストを描いて、よくお母さんに見せていたっけ。
中学・高校と美術部に入ったこともあり、暇なときはよく絵を描いていた。
しかし大学に入って部活をやめてしまったので、しばらく絵を描いていない。
久々に描くのも悪くないかもしれない。
そう思い立った私は早速スケッチブックを取り出して、何を描こうか考えた。
「う~ん、何描こうかな~」
やっぱりここは夏っぽいものがいいよね。
スイカとか花火とか……
「あっ、そういえば私、海に行ってないな」
今年の夏はまだ海に行っていないことを思い出した。
せっかくだし、ここで描いてみようかしら。
そう思って私は机に向かって、真っ白な紙に鉛筆でサラサラっと描いた。
そして出来上がった絵を見てみる。
「わぁ~!いい感じじゃない?」
そこには青い空と白い砂浜が描かれていた。
とても綺麗で、まるで写真のようにリアルだ。
これならきっとみんな喜んでくれるはず。
さっそくLINEで送ってみた。
『見て見てー!綺麗な景色でしょ?』
『めっちゃ綺麗やん!』
『なんか本物のように見えるわ』
『さすが絵師だねw』
『ありがとー!』
『この調子でどんどん描いてくれ!』
『了解ですっ!!』
みんなの感想を聞いて嬉しくなった私は、次々と風景画を描き続けた。
しばらくして気づいたら、机の上にたくさんの絵が置かれていた。
どれもこれも美しいものばかりだ。
「ふふっ、我ながら良い出来だわ」
自画自賛しながら自分の作品をじっくり見る。
どれも丁寧に描かれているし、なかなか上手だと思う。
ただ少し気になることがあった。
「これって、もしかして……」
私が描いた作品の中に、見覚えのある人物が描かれたものがいくつかあったのだ。
しかもそれが全て同じ人だった。「まさか……」
恐る恐る他の絵も見てみる。
すると予想通りだった。
どの絵にも私がいる。それもたくさん。
「ええぇぇぇ!?!?」
驚きのあまり叫んでしまった。
なんで私の絵があるの!? どうしてこうなったのか全然分からない。

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