乙女ゲーム初心者「CharadeManiacs」をやる・メイ 君への誓い編

前回までの初心者


名探偵柑橘です。そろそろこの人別に名探偵じゃないなって自分でも思いますが最後までこれで行きます。
今回は陀宰メイ。
ハードボイルドな男が好きですという話はしましたが、そういうのなしに好きなキャラは黒バスの黒子テツヤ、ツイステのシルバー、ヒロアカの轟焦凍……
内面はどうあれ、とりあえず騒がしくない子が好き。一見すると声も感情の起伏も大きくないタイプ。ハキハキ喋ったり大口を開けて笑ったりしないタイプ。かといって暗いわけでもなく、社会性は備わっており何らかのオモシロをひと匙加えたタイプ。
もうおわかりですね。初見ではメイが好みです。

彼の事情のアウトラインくらいは前回の凝部ソウタが解き明かしてくれましたので、私の興味は彼の内側がどうなっているのか。お前マジで人様のルートで何してくれてんの。

1.おかわいいこと


メイはヒヨリと同い年の他校の高校生で、序盤からずっとあまり目立った動きはない。ヒヨリに対してもフラットな態度で接しているように見える。他が唯一の女の子に何らかの反応を示している中、お珍しい。
机の引き出しから大量の猫写真が出て来た時は安心したぜ。ヒヨリの写真だったらどうしようかと。これ完全にトモセのせいだからな…
大量のヒヨリ写真持ってそうという疑いだけでトモセに濡れ着を着せていると、メイはヒヨリに真剣な表情で「お前は絶対に帰れる」と請け合う。

「帰れるし、俺が帰してやる。だからお前は…お前のままでいてくれ」

これ異世界来てから知り合った相手に言うには重すぎるんだよな。えっ急になに?ってなるだろ。ヒヨリじゃなきゃ引いてると思うけど、ヒヨリも言葉以外の何か感じ取ったと信じたいね。

ヒヨリが声を失ったドラマ。キョウヤが飛び入りでタクミを窓から突き落とし、それを階下でメイが受けとめるという方法で再演を成功させた。
その夜ヒヨリの部屋を訪れたメイは機嫌が良さそうで、ヒヨリは何か良い事があったのかな、などと呑気に思う。おめーのことに決まってんだろ!
しかもヒヨリは「明瀬さんの存在に眩しささえ感じる」とか言うからさ…これキョウヤルートの時から思ってたんだけど、メイ報われなくて泣いた。
キョウヤの発案だし、行動を起こしたのもキョウヤだから、わかるけど、合ってるけど、メイは骨折したんですよ!?
誰のためって、お前のためだよヒヨリ!
でもヒヨリは圧倒的光のキョウヤに感謝するばかりで、メイの心配もしてくれないのでちょっとメイに同情しちゃったよね。当て馬感出されると柑橘はすぐ肩入れするからダメです。

ある日庭で物思いに沈む様子のメイを見つけ、声を掛けるヒヨリ。プロデューサーを見つけて、その後は?と考えてしまうメイに、ヒヨリは力強く展望を語る。

「みんなで帰るって言うなら、そこにはプロデューサーも含むべきだと思う。
だから決めたよ。早くこんな事はやめさせて、元の世界に一緒に連れて帰るんだ。それを私の目標にしようと思う!」

一瞬言葉に詰まるメイだが、ヒヨリに向かって礼を言う。

「瀬名には敵わないなと思って。ありがとう、おかげでちょっと勇気が出た気がする」

俺も瀬名と同じ目標にするよと言って笑うメイにドキッとするヒヨリ。
やわらかい空気感のところへ、オレらのトモセ参上。よっ!待ってました!
「まさか、こいつに変なことしてたんじゃないでしょうね!?」はぶち壊しすぎて笑うのよ。この世の男全員潜在犯扱いすんのやめな。ほんとにもートモセはトモセだよ。
しかしメイはするーりスルーして、ヒヨリに声を掛けて去って行った。

その後射落ミズキとのドラマを終えたメイに相談を持ちかけられ、部屋に行くヒヨリ。
手を繋ぐシーンでミズキにからかわれ、女性かもしれないと思ったら緊張して喋れなくなってしまったという。
このままでは演技も危うい。お互い慣れるために練習しないかと、メイはぶっきらぼうにヒヨリに手を差し出した。
ンかわいい〜〜〜手を繋ぐ練習ってなに?口実にしてもなに?聞いたか、トモセ???
だいたいお前らと来たら手を握るどころか、抱き寄せるわキスするわで倫理委員会大忙しだったよ!見なさい、この2人を!結局照れちゃって手も繋げないんだよ!!!
あーかわいい。ありがとう。体の何らかの数値が改善したと思う。

2.気付け…


メイの部屋でキョウヤと言い争う声が聞こえた後、リビングに全員が集められた。
メイが「前回参加者が残した」と偽り、スポンサーやバウンサーについてのメモを作っていたことがキョウヤによって暴かれる。メモの内容は皆への警告と助言ととれるもので、害があるようなものではなかったが、メイは言い訳どころか何も言わない。
続いて前回参加者だと判明したケイトから、メイは前回キャストの中にはいなかったとの証言があったことで、ますます疑いが深まってしまった。それでも何も言わないメイに、彼を信じたかったキョウヤはそれ自体を裏切りと感じ、激昂する。
結局メイをはじめ、現時点で疑わしい凝部ソウタ、廃寺タクミの3人は別の場所へ隔離されることとなった。

隔離した方はこのあと段々とへこみ始めるのだが、された方は案外平和にやっている。心配して訪ねたヒヨリはその様子に安心し、メイに動かなくなってしまった犬型ロボットのパルトの話をする。可愛がっていたことを話すうちに悲しみが蘇り黙ってしまったヒヨリに、メイはしばらくの沈黙の後で「そのうち忘れる」と言う。

「また、そんなこと言うんだね」

ヒヨリの口から出た言葉に、ヒヨリ自身が驚いた。悲しみの感情から勝手に出た言葉は記憶との齟齬がある。「前にもそんな話をしたと思ったんだけど…勘違いかな」と戸惑うヒヨリに、メイは強い反応を見せた。ヒヨリに手を伸ばすものの、すぐにその手を下ろす。

「…………思い、出してくれ……」

絞り出すように懇願するメイ。
しかしヒヨリには何を思い出せばいいのか見当もつかない。落胆した様子のメイだったが、ごめん、と謝るとあらためて決意を口にする。

「これだけは言っておきたいんだ。ーー瀬名、絶対にここから出よう。絶対に……お前を元の世界へ帰してみせる」

メイを信じていいのだと安心し、涙が出そうになるヒヨリだが、そこへソウタが現れる。
ヒヨリの記憶の欠落について、それが奪われたものだからだと示唆し、自分もヒヨリに思い出してほしいことがあるのだと言うソウタ。
ヒヨリ…ほんとに思い出してくれ。もう既につらい。こんなん報われないどころの騒ぎじゃねーだろ。

疑念と信じたい気持ちに悩みながら、隔離された3人の元へ通う日々が続く。
シャレードゲームでヒヨリにキスを迫るソウタを止めるメイ。ため息を吐いたかと思うと、ソウタの手で上げられた見えないベールを再び下ろした。
私は二重線で書いた『ヒヨリ気づいて!』カンペを出すも、ヒヨリはキョトンとしてやがる。すまん、メイ、力及ばす…

夕暮れの帰り道、ヒヨリを出口まで送るメイ。
1人でも大丈夫と言うヒヨリに「俺の気分の問題」と返すメイはあんなに初心なわりにできた男だなあと思う。
なんか母親や姉、女が強い家庭で育ったかんじするよね。レストランで奥のソファ席に座ろうもんなら「信じられない」とやいやい言われるようなかんじの。ドア自分だけさっさと通ったら「押さえときなさいよ!」って教育的指導してくるかんじの。
今の状況を優しく気遣われ、ヒヨリはつらい気持ちを吐き出した。

「信じたいと思う私が、すごくバカで現実から逃げてるだけの人に見える。ううん、実際そうなんだと思う。そのことを何度突きつけられても、受け止められない。変われないっていうか……変わりたくない」

でももう何も分からない、何も信じられないと素直に弱音を吐くヒヨリ。
さすがにヒヨリはちょっとは警戒してほしいし、甘いことばかり言ってバカだなとは実際思うんだけど、こうしてちゃんと自分を持っている。
弱さは罪じゃないよ、ヒヨリ。誰だってそういう部分はある。より善くあろうとするお前は正しくても正しくなくても、ちゃんと自分の足で立って生きてる。そこだけは自分を認めてやってもいいんじゃないかな。
嘘ばかりの世界で独りになりたくないと溢すヒヨリに、メイは辛そうに「ごめん」と謝る。少しは隠せ…お前ほんと嘘とか向いてねーよ…ヒヨリじゃなかったら3日と保たずに気づかれてるよ…

「ここにいる人間を、一人残らず信じられなくなってもーー俺はいなくならないよ。俺にとっては、お前だけが真実だから。
どんなことがあっても、絶対にお前を置いて行ったりしない。お前が俺を信じられなくなっても、俺はお前を信じてるから。だから……お前は独りじゃない」

微笑むメイの真摯な言葉で、ヒヨリは自分を信じることを思い出すことができたのだった。

宿舎に戻り、自分のやり方でプロデューサーを見つけようと腹を括るヒヨリ。9人それぞれの言動について考えていく。
ケイトの (口は悪いし態度も悪いけど、あれは元々の性格って感じがする) にひっくり返るほど笑いました。でも信じるってさ、良かったねケイト。
やはり疑わしいのは隔離された3人と結論づけるヒヨリだが、メイだけは「信じたい」と思ってしまう。
そこへ現れた我らがトモセ。ヒヨリとは「俺だけでいいだろ」と抱き締めて拒絶されて以来である。
警戒する柑橘を制してこの間は言い過ぎたとヒヨリが謝る。トモセの考えが自分と違うからといって責めるのは違ったと。ヒヨリがトモセにきちんと歩み寄ってくれたの、何気に初では?ありがとうな、ヒヨリ。
するとトモセはハッとしたように口を開く。

「それは、俺が言うべきだろ。言い過ぎたのも、意見の違いを許容できてないのも俺の方で……お前を傷つけたり、言い争ったりしたくないなら、もっと考えるべきだった」

トッ……トッ…トモセ〜〜〜!!!!!
苦節8周目、ついに、この時が…柑橘嬉しいよ。やっと気づいてくれたんだな。感動。今からこれトモセルートになりませんか???
しかしトモセの自省と自制は遅すぎた。もちろんこれはメイルートです!解散!

部屋に戻るトモセを見送り、ちゃんと話ができて良かったと安心するヒヨリ。うんうん。安心したよ。心置きなくメイのところへ行っておくれね。
さあさあと手のひらを向けると、ヒヨリはソウタに言われて寝ているメイを起こしに行く。
思い出されるキョウヤの名シーンだが、さすがはメイである。ヒヨリに触れることもなく飛び起き、寝顔を見られたことに顔を赤くする。バブちゃんなのかな?カワイイね。
寝癖を指摘されても赤面するメイにニッコリしてしまうが、ヒロインであるヒヨリと同等のかわいさ見せてくんのやめな。
テレビで『異世界占い』を見ていると、ヒヨリの運勢は最悪で、ラッキーアイテムは『手』だという結果に笑う2人。「お前こういうの気にするもんな」と言ったメイにふぅん…と思っていたら「ほら」とヒヨリに手を差し出す。

「……手。握手でもしておけば少しは運勢上向くんじゃないか?」

『握手』なんだね。ほほえましいね。
遠慮がちな握手を終えて照れて黙ってしまう2人に、こちらはもう可憐に咲く野の花を見ている気持ちになっています。守りたい、この小さな花を。

そして間を置かずヒヨリとメイの恋愛ドラマが。
自分が相手で大丈夫かと気にするメイだが、ヒヨリの安心させようとする笑顔に助けられ、ヒヨリの手を自分の頬に当てる。メイの嘘のない表情にときめくヒヨリだが、そんなことも知らずメイは言う。

「お前がいれば、頑張れるよ」

配信が終わり、戻ってきたメイは額を押さえて俯いていた。セリフを間違えたと真っ赤な顔で言うメイをからかうソウタ。
それを見ていたヒヨリは激しい頭痛とともに学校の風景を思い出し、屈み込んでしまう。
心配するメイにそれを話すと、もう一度落ち着いて考えてくれと頼まれ、ソウタが学校に行ってみようと提案する。ヒヨリは監視付きで暮らしている2人を連れ出す許可を貰うことになった。

その夜ヒヨリが翌日の弁当を作っていると、キョウヤがキッチンにやって来る。正直に3人へ持って行くものだと言うヒヨリに、キョウヤは何も言わない。
ヒヨリの「信じるために疑って、本当のことを確かめたい」という気持ちを知り、この件には自分にも反省すべき点があることを話す。
ヒヨリのようには出来ないけれど、お互いに出来ることをしようと言うキョウヤは穏やかで、本来の彼を取り戻しているようで良かったなあとしみじみしてしまった。
軟化したキョウヤの態度を見て取るや、ヒヨリが3人に会いに行くこと、メイとソウタを学校に連れ出すことの許可をもぎ取る。ヒヨリが時々すごいたくましいの、ほんと好きだよ。
呆れながらも許可を出し、ヒヨリの頭を撫でながら「俺お前に甘いよな」と言うキョウヤもよいものだ。
今回は一つずつ問題が解決していくの良いね。

3.すれ違い


学校にやって来たヒヨリたち3人。監視だと校門までついて来てくれたキョウヤにメイは「ごめんな」と静かに謝罪する。
ヒヨリの通う学校によく似た教室で、窓際の逆光に照らされ顔の見えないソウタの姿に何かを思い出したヒヨリ。しかしそれはソウタではなかった。
クラスメイトではあるが一度も会ったことがないことを明かすソウタに怒るメイだが、ヒヨリは困惑する。何かを思い出したのは確かで、ソウタでないなら何の記憶なのか。
事情を知るはずのメイを疑って責めるソウタに「話せないものは話せない」と言うメイ。ソウタが出て行きヒヨリとメイの2人きりになる。
「凝部は信じていいと思う。もしお前が一人、選ぶなら」っていうメイの言葉に泣きそうなんだが。

「本当は少し、ムカつく。俺だって何もかも全部話して、冗談だって言いたい。
『思い出すことがないと思い出してもらえた』あいつが羨ましい」

嫉妬と羨望。普段フラットなメイから出るそれらは心に来る。ある意味ナイスアシストだよ、ソウタ…

「ほんとムカつくなあいつ。いつも俺に出来ないことをするから。だから…お前に思い出してもらうことを俺は何より優先すべきなのに、つい……余計なことまで言いそうになる……」

もどかしいね。ヒヨリに思い出してほしいけど、ヒヨリを混乱させたくないけど、気持ちが抑えきれないんだね。隠しておかなきゃって思うこともつらいだろうにな。でもヒヨリに本当に思い出してほしいのはきっと、ただの記憶じゃなくてその時の気持ちごと、だもんな…

ヒヨリの記憶が失われたのは何故か。ミズキとの会話からメイが前回デッドエンドになっているのではないかと不安に駆られたヒヨリ。なんでだよ。そうはならんやろ。
確かめようと走ったが、本日の門番はトモセである。これほど「門番」にふさわしい男もおるまいて。しかしヒヨリの必死な様子に、「困ったらたまには相談しろよ」とだけ言ってトモセは扉を開ける。
これだけでもう言葉にならないよ、トモセ…お前がこの扉を開けるがごとく外に向かって心を開いていればヒヨリだって…
お礼を言って駆け出すヒヨリの背中にトモセの声が聞こえる。

「ーーいつの間に、こんなに遠くなったんだか」

ウワアアアア!!!トモセエエェッ…!!
報われないのに輝きを放つな。人のルートで成長してどうするんだ。見たはずのない幼いトモセが走馬灯してしまう。幼稚園のお仕事(モンテッソーリ)でヒヨリにブレスレットを作ってくるトモセ…前日に何度も持ち物を確認し不安そうにしていたのに、朝ヒヨリの手を引くようにして初めての小学校へ向かうトモセ…ちょっと大きめの学生服を不満そうにしていたら、すぐに大きくなるよってヒヨリに言われて嬉しそうに頷くトモセ…本当にどうして……どうしてはお前だ柑橘。落ち着け。

ヒヨリはメイの元へ向かう途中で、学校が舞台のドラマに転送される。それがきっかけで金魚の墓を作ったことを思い出した。ソウタに言われてヒヨリのもとへ走って来たメイは、ヒヨリの涙に驚く。ヒヨリが記憶の一部を取り戻したことを聞き、メイは思わずヒヨリ抱きしめる。

「やっぱり、お前はーー」

突然のことに身を固くするヒヨリに、我に返ってすぐ体を離すメイ。お互い顔を赤くしながらもヒヨリはメイの手を取った。
ヒヨリの思い出した記憶は全てではなかったものの、それだけでも充分嬉しいと言うメイに、ヒヨリはメイが死んでしまったのではないかと思った不安を打ち明けながら再び涙を溢す。
メイは「お前をここに残して死んだりしない」と自分が生きてることを示し、ヒヨリの涙を袖で拭った。
今日は休みにしようと草原に腰をおろす2人。何気ない話をしながら、メイはヒヨリを見つめ続ける。
そしてヒヨリの手を握り、笑う。

「どこへ行っても、どんな時でも、お前はお前で……全然変わんなくて。安心するよ。すごく……
今も多分お前は苦しいんだろうなって、思うけど、それでも諦めずに頑張ってるところがすごいと思うし。ーーやっぱり、好きだ」

メイ…そんな顔で笑うんだね……
自分の言葉をデカい独り言だと片付け、ヒヨリがいるから頑張れると話すメイ。

「お前が笑顔で帰れるなら、どんな形でもいいって思うし、そのためなら、どんな想いだって捨てられる」

な、なにを決意したんですか……?
やめよう、もうこんなのやめましょう。お前らはまだ10代の子供なんだぞ。そんなほいほい自分を犠牲にしなくたっていいじゃないか。わがままだって言っていいし、諦められなくたって、そんなに何もかも上手く出来なくたっていいじゃないか。
しかしメイは自分の想いをヒヨリの幸せのためなら「どうだっていい」と笑顔のまま切り捨てて、ヒヨリの手を離す。
一緒に帰りたいからと言ったメイを信じ、ヒヨリは「私も陀宰くんが好きだよ。一緒に帰ろうね」と告げるがメイはその『好き』を特別な意味とは受け取らない。もうなんで…メイのバカ!そんなメイを見て自分の気持ちを自覚するヒヨリ。

翌日ソウタに誘われてついて行くと、廃墟の謎の扉の奥に通信施設があった。
ソウタは扉のパスコードを解除し、ここを見つけたと言う。お前この間から有能すぎんだろ。
しかし肝心の設備には扉と異なるパスコードによってロックがかかっており、アクセスできない。
そこにタクミが現れ、苦もなくパスコードを入力してロックを解除してしまった。
理由を尋ねても「知ってるから」としか言わないタクミ。そして通信機能のパスコードは知らないと言う。
これで納得するのさすがっつーかまあ問い詰めたところで埒が明かないってのもあるとはいえ、基本的にシャレマニ世界みんな理性的で善性強いんだよな。みんないいこ…報われてほしいし幸せになってほしい。
助けは呼べないと分かるが、この『異世界』が月の裏側に位置することを示す座標が表示された。
怒涛の情報開示。
つーかタクミの狙いが分からないね?いつもヒヨリが「どう思うか」を気にしているから、今回もヒヨリが「ロックを解除したがっている」から協力しただけなのかな?それはどういう挙動なんだ。

夜になり、ヒヨリが人の声で目を覚ますとシステムがダウンしており、バングルやバウンサーが機能を停止していた。集まっていた者が今はどうしようもないと各々の部屋へ引き上げた後で、玄関にソウタが現れる。例の施設からシステムをダウンさせたというソウタについて行った先は、ケイトの腕のレプリカがある店。そこにプロデューサー権限でロックの掛かった箱があった。今なら開けられる。
中には眼球のレプリカとメイの名前があった。
ソウタの有能さがこんな形で…
ヒヨリはメイに会いに行き、見たものを話す。メイを信じられる言葉が欲しかったヒヨリだが、メイは「お前の見たものは事実だよ」とだけ告げて姿を消してしまう。
メイが黙ってしまうのは嘘を吐きたくないからだとヒヨリは分かっているが、何も話してくれないことに落胆して宿舎に戻った。

4.ハッピーで埋め尽くして


翌日、他のメンバーにメイの目の事を話すヒヨリ。
あ、そこは言っちゃうんだ。さすがに言うにしてももう少しメイと話してからかと思ったのでびっくりしたわ。
ヒヨリがプロデューサーに丸め込まれることを心配して接触を控えるように皆が言う中、トモセが間に入る。

『俺はこいつに任せていいと思います。ちゃんと自分で考えて動いてる。だよな、ヒヨリ?」

エーーーン 今のお前にならヒヨリを任せてもいいと思えるよトモセ…

話し合いの場から逃げ出し、ひとり泣いているヒヨリに声を掛けたキョウヤ。今まで自分が言っていた「信じる」はただの押し付けだったと話す。

「俺は俺のやり方で、最後まで信じるよ。陀宰はいいヤツだよ。すげーいいヤツ」

お前もなあ!キョウヤやっぱお前いいヤツだよ…!

今回フラれる男たちのポイントが爆増していく中、この男までもが。
マモルに見張りを代わってもらったというケイトは、メイを疑わしいと思ってはいても、記憶のない状態で決断を下すことは間違っていると感じていた。何か引っかかりを覚えながらも、その記憶を思い出せないのは自分が諦めてしまったからではないかと。でもヒヨリは自分とは違って諦めていない。

「だから、頼む。お前が全部思い出したら、きっと何かが変わる気がする。そのためになら協力する。
……行ってくれ、瀬名」

3人まとめて5億ポイント…ッ 全員帰還!シャレマニ完!次回作は謎技術でヒヨリが9人に増えるラブコメにしましょう。
ダメか。どれがオリジナルのヒヨリかで血で血を洗う抗争になってしまうか。トモセが9人全部娶ろうとして法律変えるために政治家目指してしまうか。

3人の住居に行くと、ソウタがいた。ヒヨリはソウタにコントロールルームで記憶を取り戻せないか協力してほしいと頼む。
しかしソウタはどこか投げやりな様子で、ヒヨリへの協力を渋る。

「珍しくこの手につかめない不確かなものを信じようとして、あ、やっぱり違ったんだって。僕の勘違いだったって気付いて」

それは…メイのことですか…
信じようって思ったんだね。そしてあの眼という事実を知って傷ついたんだね。メイを好きなはずのヒヨリまで皆にその事を話したと聞いて…
でもヒヨリはまだメイとの「思い出す」という約束を諦めていない。
必死に頼むヒヨリに、ソウタはそれならとキスを迫る。ナイスブラフ。あの結末を知った今なら分かるぜ、お前のその性格。
ソウタがヒヨリに顔を近づけたその時、メイがヒヨリの名を叫んで遮った。
どこかで見てるってソウタは分かってたんだろう。
怖気付いてもう出てこないかと思ったと言うソウタに、メイは何かを耳打ちし時間稼ぎを頼む。

「キミから頼み事をされるなんて初めてだから、聞いてあげるだけだからね」

10億ポイント追加っ…!!
駆け出すソウタ。メイはバングルを操作し、ドラマの配信を手配する。それは彼がプロデューサーである証拠だった。動揺するヒヨリにメイはドラマとは違う、何か再現を一緒にしてほしいと言う。

「……頼む。これが最後のお願いだから」

最後とか…言うな…
転送された先は学校。メイはヒヨリの手を握って走り出す。

「お前を…みんなを元の世界に帰す。それが一番大切なことだった」

だから後悔なんてないと顔を綻ばせるメイ。

「でも一つだけ。最後くらい、本当のことを言ったっていいだろ」

たどり着いた教室で、ヒヨリは記憶の混乱の中メイの「俺を信じて」という言葉に頷く。
窓辺で照れくさそうに微笑むメイに、見覚えがあった。

「俺はお前が好きだ」

メイの告白は二度目。一度目は誤魔化してしまったメイに、ヒヨリも冗談だと思って誤魔化した。
今度は誤魔化すことなく続ける。
どんな事があっても、ヒヨリなら思い出してくれる気がしたからヒヨリをこの世界に呼んだと言うメイ。いざとなればプロデューサーの権限で帰してやれるという切り札があったのに、苦しむヒヨリを見ながらその札を切ることができなかった。ヒヨリと一緒にいたかったから。諦められなかったから。

「せめて最後に……伝えたい。好きだよ、瀬名。忘れないでくれ。今度こそ」

許す。いや許した。完全に許した。
こんなとこにヒヨリを呼びつけやがってどんなクソ野郎かと思ったらお前のような…やつが…出てきたら…外野は黙って泣くしかできないだろが…ッ

全てを思い出したヒヨリだが、気がつくとディレクターが全員を集めていた。
「ルール違反」があったため、これが最後のゲームだと明るい声を出すディレクター。プロデューサーを指名しろとヒヨリたちに迫る。
しかし誰もメイを指名しようとはしなかった。
メイの事情を知り、彼の人となりを知っている彼らはメイがプロデューサーではあっても裏切り者ではないと信じたのだ。
そうだよね。皆に嘘もついたし重大な隠し事をしていたけど、メイ自身はずっとそれ以外は誠実であろうとしていた。やった事はやった事として責任を負うのが筋だが、当事者が責めないのなら誰が責められよう。
しかし皆を帰すというメイの決意は固い。自らを指名しようと声を張り上げたところで、ヒヨリが止めた。メイに走り寄り、その手を握る。
全て思い出したことを話し、今まで忘れていたことを何度も謝るヒヨリの涙を、メイが笑って拭った。

「俺たちの勝ちだ」

異世界配信の通常ルールの他にメイとの間で行われていた「賭け」。
正体を隠したままヒヨリがメイを思い出せたら、メイを含め全員を解放する取り決めだった。
前回配信でプロデューサーを見つけたメイは自分以外の人間を帰し残ることを決めたが、もう一度ヒヨリに会いたいという気持ちからプロデューサーに勝負を挑んだのだ。
メイの力強い勝利宣言アツい。めちゃくちゃいい最終回じゃん…
と思ったけどケイトの左腕もメイの右目も取り戻せないままなんだね。
異世界配信はミズキたちの手によって捜査がなされ配信は停止されているもののどうやら存続しており、マモルは右腕を手術により切除して徐々に前向きに生きようとしている様子だが、リョウイチは変わらず噂を広めている(こいつヒヨリがいないと一番ダメなやつじゃねえか)。ソウタは恩人の右目を取り戻せなかったことを悔やみ続けていた。
帰還したメイたちの記憶では参加者は9人。プロデューサーはメイだったがそれは今回だけで、『真のプロデューサー』がまだ存在していた。

少しずつ日常を取り戻し、学校へ向かうヒヨリ。途中トモセと出会う。休みの日に制服を着てどこへ行くのかと尋ねられ答えようとするヒヨリを遮るトモセ。訝しみながらもその場を去ろうとするヒヨリにトモセは「あいつに伝言頼む」と言う。

「早く別れろ」

……『成った』な………
ついに完成しちまった。これこそ完全なるトモセ。究極にして至高。アルカディアはここにあったんだね…ただし当て馬として。
だがあまりに完璧すぎる。この美しさ後世に語り継いでいきたい。お前が鈴鹿央士だ。(※silent)
つーかこのかんじなんで今まで出せなかったの!?トモセが吹っ切れた反応を示したのはキョウヤとメイ…か…分かるわ。それはそうだわ。
マモルは優しいけどよく知らないトモセにしてみれば自分の右腕切り落とそうとするヤバ奴だし、ミズキはどっち!?だしソウタはなんや知らんが痛いとこついてくるしケイトはケイトだしリョウイチに関しては元の世界帰ったら未成年に対するアレコレで通報しようと思ってるだろ。

さて学校の教室で会ったメイとヒヨリ。
男だらけの異世界では気が気じゃなく、ずっと我慢していたと言うメイにえへへと笑うヒヨリがかわいい。
そしてカーテンが揺れる窓辺でキス。
柑橘の耳にsubtitle(髭ダン)の幻聴が聞こえる中ハッピーエンド!!!

良かった。窓辺でのキスにソウタとの対比をチラつかせんじゃないよとは思いましたが、何はともあれ良かった。本当に。
だってこいつ…こいつ…我々の知らないところでずっと当て馬やってたんだよ!?
走馬灯のように蘇るあのシーン…このシーン…
トモセがヒヨリにキスした時。
ケイトにヒヨリが選んでくれと言った時。
ヒヨリを元気付けたいと相談しにきたマモルにぬいぐるみのアドバイスをした時。
自分だけが異世界に残ることを決意しながらも悩むキョウヤを励ました時。
ヒヨリの指にリョウイチから貰った指輪が光るのを見た時。
ミズキがドラマでヒヨリを刺した時。
何もかも全て、ヒヨリの一挙手一投足。
お前…一体どんな気持ちで……
あ、やばい。これ後になればなるほど来る。吐きそう。
もう全ルートにメイのお気持ちsubtitle(字幕)つけたやつ販売してくれや。この際ハッキリ言ってくれ。想像するしかない方が多分100倍しんどいから。副音声でもいい。
リョウイチのことガチでどう思ってたん?わりと本気で消したろうかなくらいチラッと思わなかった?
あとソウタ…ソウタの…もう全てにどう…どういう気持ちで…あいつのこと好きなのかって聞いた時よくもお前あんな穏やかに…絶対あのあと泣いてたよね…ソウタに確かに助けられてるんだけどまったく助かってはねーの誰も悪くないからこそ心が死ぬ。
ソウタ、この間は「早くメイ迎えに行って」とか言っちまったけど絶対に行くな。お前だけは、お前だけはメイのそんな気持ちに一生気付かないでくれ。頼む。お前のためなんだ。でも行くんでしょうねえ?!?!!だってお前はそういう男だから!!!
え、どうしたらいいの?この気持ち。ほんとに何してくれてんだ。メイのおかげで情緒めちゃくちゃだよ。めちゃくちゃになった結果ソウタさんルートの後日談幻覚を生み出しちまったよ。

※参考

てゆーかよ?この上バッドエンド用意されてるってどういう事だよ!!!!!!!
もう既に7回バッドエンド迎えてんだろうがよ!!!
しかもあともう1回あんだろが!!!なんとメイにだけ多彩なバッドエンド取り揃えてございますじゃねんだわ!!!
見たくないのよ、こいつのバッドエンド。つーかもう見てんの。7回。そうとも知らされずに。
でもここまで来たら見るわな。毒をくらわばなのよ。
………泣いたが?メイを選ばなかったヒヨリを問い詰めたい程度にはダメージを負ったが?
タクミが言ってた顔も名前も奪われてという境遇はそのままメイのこの結末なんだな。タクミどういうつもりであんな事言ったん?ちょっと許せねーわー先生ちょっとタクミくんに大事なお話あるからそこ座って?
つーかこれ本当に必要でしたか?????(泣いてる)

まあ、とはいえね、今回は一応幸せな結果だったからね!これ大事ですよ!
この事実を知ったのがメイのハッピーエンドストーリーと同時で本当に命が助かったわ。それがなければ危なかった。
ヒヨリに思い出してもらえて、好きになってもらえて、本当に良かった…
メイについての記憶が奪われる前、ヒヨリはメイのことどう思ってたんだろうなあ。
好きでもそうじゃなくても、どんな場所でも何度でも、出会ったら好きになるって思える希望が今回の2人にはあったね。
つーかメイがトモセのスルースキル妙に高かったの単に慣れだったら笑う。前からギャンギャン吠えられてたんだろな。
トモセをキャストに選んだのもメイなのかな?ヒヨリを守ってくれる保険的な。なおさら開幕キスぶちかまされて頭抱えたろうな。私以上に「トモセお前ー!!!」て叫んでたかもしれん。

前回配信からがんばっていたメイ。もう一度ヒヨリに会いたくて呼んだのに、孤独を嫌ってほど知ったはずなのに、それでもやはり皆を帰そうとしたメイ。お前もめちゃくちゃヒーローだったよ!
これまでの色々も、今回も、メイを知った後で振り返ると様々な感情が荒れ狂って苦しい。
でもヒヨリと揃って奥手なかんじかわいかった。
ヒヨリを好きになった理由もメイらしくて良かったし、色んなこと上手く言えなかったり上手く振る舞えなかったりするのも、それでもヒヨリが困ったり悲しんでいたりすると助けようと動くのも、好ましかった。
このような男が唯一、我を通さずにはいられなかったのがヒヨリなんだなと思うと…幸せに…とにかく幸せに…なってくれ…
もう何の苦労もしてほしくないからとりあえず遺産あげたい。明日都内来れる?住民票持って新宿公証役場集合ね。

そして最後、ディレクター?を心配するような言葉を残してましたが…お前はそこも救いたかったのか。どこまで…ほんとメイのやつ…いいかげんにしろ。自分の幸せだけを考えろこのバカ野郎が。(感情移入しすぎてキレるパターン)
ディレクターっていうかもうタクミだよね。
彼は救われるのか?
次回ついに最後の1人です!



【名探偵柑橘の今回気になったことメモ】
・またヒヨリのお母さんの話題でてきた。異世界配信を偶然見てしまったヒヨリに気のせいだと言い、モルぺウス計画にやけに詳しく、思い出や記憶を大切にしてるお母さん…何かあるやろこれ。
・次で最後なのでたまには真面目に考えよう。
冒頭から何度も言及される2つの月の話。衛星が爆発して月基地にも被害が及び、それによって計画が頓挫した。タクミは月の関係者なのかな…でも30年前。いくら年齢詐称しててもそういうかんじではないな。なんならあのガワと中身違いそうなんだよな…ちょいちょいディレクターの中身になってそうだし。なんらかの思念体?サイバー空間にしか存在してない生命体とか?
んー…月で発生したまたは作られたナニカで、月基地の壊滅により解き放たれた存在!異世界人はタクミが作った。何のために?…さ、寂しかった…から……(想像で瀕死)
これでファイナルアンサー!ちょっとトライガンのヴァッシュみたいな。
いや、そうなると爆発もこいつの仕業なのでは。暴走したのか、避けられないミスか。
乙女ゲームにディストピアSFを持ち込むな。食い合わせどうなん。
ヒヨリママどこに絡んでくるんや。5人の子持ちでヒヨリが長子なら30年前は月基地関係者としては若すぎる。ヒヨリママの親か。タクミが発生間もない人外なら必要なのは母性。これは便宜上母なだけで男女はどちらでもよい。
月基地の事故によりヒヨリママのことを忘れてしまった親がタクミに寄り添った人間なのではないか。逆か?事故により早くに亡くなった親の記憶が曖昧になってしまうことの恐怖の方か?
モルぺウス計画に詳しい事と思い出を大切にしすぎるエピを強引に繋げるとこんなかんじか。え?ママ関係ない?ほんとオタクはこじつけ好きだからイヤよね。
・トモセが良い感じになるターン…ここ!!!(ゴー☆ジャス)

【ご報告とお詫び】
前回ソウタルート終わった時点でのアンケート結果載せたんですが、その後アンケ締め忘れてたので見に行ったんですよ。そしたらこれ。

逆転してた


どの時点でこうなってたか、見てなかったので分からないんですが、最終結果はこちらでした。本当に申し訳ない……でも今後シャレマニやる方はこちらも考慮に入れてご検討ください。たくさんの投票ありがとうございました。


「君への誓い」も映画。事故で記憶を失った妻に自分を思い出してもらおうと奔走する夫の話です。実話だそうで、過程も結末も彼らの胸中を思いながらぜひ。

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