乙女ゲーム初心者「CharadeManiacs」をやる⑧・ソウタ きみに読む物語編
前回までの初心者
名探偵柑橘のシャレマニ捜査線のお時間です☆
そう、凝部☆ソウタさんですね。
ノリが軽いかんじで、ゲーム好き。空気を読んで空気を読まない発言が多いソウタさんですが、途中ケイトルートでなんか重要そうだなって思ったので後にとっておきました。
やってみてびっくり、見覚えのない8章が出現。展開もこれまでとかなり違う。シャレマニを勧めてくれた友達から「攻略制限」のあるキャラがいると聞いてはいましたが、こういう事だったんですねー!
なんかうまいこと残せて良かったです。多分友達がそれとなく配慮して教えてくれてたおかげ。
ありがとう、シャレマニめちゃくちゃ楽しんでますという気持ちで一連の感想文したためております。
1.悪いやつではないが
ソウタはヒヨリと同じ学校の制服を着ていて、同学年。しかしヒヨリは彼に見覚えがない。本人にクラスを聞いても秘密だとはぐらかされてしまう。
終始そんな調子で掴みどころがなく、状況を引っかき回すトリックスターといった立ち位置か。
その一方で池に落ちてずぶ濡れになったヒヨリに恥をかかせないよう、さりげなく上着を貸すような配慮もできる。んだけどあまり分かりやすい優しさではないので、ヒヨリもよく分からない人だな、と扱いに困る場面も。
ある日廊下で会うと、強引にゲームに付き合わされた。バウンサーを数体入れての人狼ゲームだ。
今の自分たちの状況に似たゲームだと知り、ヒヨリはソウタがゲーム感覚でプロデューサー捜しをしていることに違和感を覚える。
人狼はソウタだったが、ヒヨリは「処刑」という言葉に躊躇して指名することはできない。
「ねえ、ヒヨリちゃん。分かってる?これはゲームだよ。裏切り者を当てる、生死を賭けたゲーム。
嘘は見抜かなきゃ。じゃなきゃゲームには勝てないよ。死んじゃってもいいの?」
誰でも信じちゃうお花畑のヒヨリちゃん、と揶揄する言葉の後でソウタはヒントだと言って人狼のカードを突きつける。
「彼が狼かどうかは分からないけれど、彼は嘘を吐いているよ。子供の顔をした、ウソツキだ」
12歳の廃寺タクミを疑っている様子だ。ヒヨリは子供だからと無条件に信じてしまっているので、忠告してくれたのだろう。意外と親切。いや、ヒヨリの愚かにも見える純真さがもどかしいのかな?
まったく、こいつ分かってねえよな、トモセ。ヒヨリがそんな言葉で聞くと思ってんのかっつー話よな。いや言うてお前もそんなんだったわ。お前に関してはほんとになんでだ。
その後ヒヨリはタクミの代わりに自分が窓から落ちる事で、声を失う罰を受けたドラマの再演をすると班の3人に告げる。トモセは反対するが、共演のソウタはサポートを承諾し、ドラマが始まった。
予定通り、自分が窓から落ちても不自然ではないように演技をするヒヨリだったが、ソウタが割り込み、タクミを窓から突き落としてしまう。
ヒヨリは困惑し怒るが、ソウタは気にしていない。リョウイチやトモセに疑われても、かえって好都合だと笑う。
「むしろどんどん疑って?その方がキミ達を信用できるから」
あ、暗黒ゲームプレイヤーやん…
タクミを揺さぶるのが目的だったと思うが、おそらくヒヨリの反応も確かめたかったのではなかろうか。
口を開けば皆を信じる、皆と仲良くしたいと、ヒヨリは単純にそういう性格なのだが、全員等しく疑わしいと思っている人から見れば本心を確かめたくもなる。もう一つ、タクミに良いように翻弄されている(ように見える)ヒヨリを見てられなかったのもあるのかな?
まあその前にバウンサーに消防のあのクッションでも出してもらえ。ダメ?そう…
翌日、気分転換にデートをしようと言うソウタ。
この辺りからトモセがソウタに遠慮が無くなってくるので柑橘はニッコリ。
ソウタはヒヨリを懐柔しやすそうなどと言って何かと構うが、そうこうしてるうちにヒヨリも遠慮が無くなってきたのでさらにニッコリ。
可愛いと言われてもはいはいと流し、不満げなソウタに「だって凝部くん軽いんだもん」と返す。
しかしソウタに髪をとかされ内心ドキドキしていると、急に抱き寄せられ驚くヒヨリ。ソウタは冗談だと笑って警戒心がないと注意をして去って行く。
うんうん、そこ心配だよねえ。つーかとても乙女ゲームを感じています、今。今度こそ始まったのか、トキメキ☆マニアクスが…!
2.なんか心配
用事があると出て行ったリョウイチの尾行を口実に2人で出かけ、図書館に入るヒヨリとソウタ。
そこでヒヨリはソウタから過去配信の罰ゲームを受けた者の名簿を見せられる。最終ページには獲端ケイトと陀宰メイの名前があるのだが、それを見たヒヨリ以上にソウタも衝撃を受けていた。いつもと違う様子で顔色をなくすソウタをヒヨリは心配するが、慰めるつもりがあるならとキスをねだる。
当然断るヒヨリの隙をついて、ソウタは額にキスをした。驚くヒヨリに笑って尚も迫るソウタを引っ叩き、ヒヨリは図書館を走り出る。
えらい!ちゃんと怒れたね、ヒヨリ。でも「ばかー!」って可愛いね。そのままトモセに言いつけに行こうね。でもソウタは何を誤魔化したかったんだろうね。気になるね。
そんなある日明瀬キョウヤがいつもと違う様子で皆を集めた。陀宰メイの不審な行動を証拠とともに指摘し、理由を尋ねるがメイは何も言い訳をしない。
焦りからキョウヤの正義感が良くない方向に…
すると怪しいのはメイだけではないと、獲端ケイトの名前がトモセの口から挙がる。
渋々ながら前回参加者だった事を明かしたケイトだが、メイがプロデューサーではないかとの疑念が高まった。ヒヨリは疑いを晴らすため図書館の名簿について話すのだが、何故かソウタがそれを覚えていないと否定する。
なんで!?と思ったけどこの後の行動で納得。
自分にも疑いが向くようなことを仄めかし、怪しいと目星をつけていたタクミについても指摘した。
そして現時点で疑わしいメイ、タクミ、ソウタの3人で別の場所に隔離されることを自ら提案したのだ。
さすが暗黒ゲームプレイヤー…監視するつもりだ。
3人はあっさりと宿舎を離れて、別の建物へと移って行った。
さてこうなるとヒヨリは黙っていられない子だ。隔離された3人の下へと足繁く通い始めた。
懐柔しやすい人が見張りにいる時を選ぶあたりは案外しっかりしてると笑ってしまう。
ヒヨリがメイと和やかに話していた時、ヒヨリの口から意識しないままに出た言葉に強く反応するメイ。
メイはヒヨリに何かを思い出してほしいと必死な様子で頼み込んだ。ヒヨリには心当たりがなく、困惑する。
メイお前…!?とこちらも動揺していると「何を思い出してほしいの?」とソウタが割り込んでくる。暗躍するねえ。
しかしソウタの様子はいつもと少し違って、真剣だ。メイに知っている事を話してほしいと詰め寄った。しかしメイは答えない。
ソウタはヒヨリが忘れているのは誰かに消された記憶だからではないかと指摘する。そして自分にも、ヒヨリに思い出してほしい記憶があるのだと告げた。
そういえばヒヨリのクラスの空席、2つありましたね?
でもこのタイミングでのそれは、3人が宿舎を出て行く流れを思い出してしまうんだが。真相に近づくために敢えて自分を疑うよう仕向けたように、ブラフではないのかな…ヒヨリは誰の言葉もあっさり信じちゃうし。
しかし例の名簿を見た時にソウタは驚いていた。
ケイトの事はどうも知ってる風だったから、驚いたのはメイの名前のはずで、となると、むしろソウタも記憶を消されている…?
2人から思い出してほしいと難題を突きつけられ、悩むヒヨリが宿舎に帰るとトモセ。もうほんとトモセ。俺だけでいいだろって、切ないよね。でも致命的にやり方間違えてんだよなー!
なあ、私の気持ちも考えてくれ。お前が5回フラれてる間もずっと見守ってるんだぞ。なのにお前ときたら!
でもヒヨリはヒヨリでトモセにだけ厳しいと思います。皆を信じずに仲良いフリしてたんだね、裏切りだよって、言うてお前も他の奴もまあまあ疑い合ったりしてるのであんま言わない方がいいと思います。
もうトモセは今回もダメだ。でもいつか間違えないトモセが見られるよな、頼むぞ。
トモセやミズキの忠告を無視して、3人に会いに行くヒヨリ。ソウタは皆でシャレードゲーム(ジェスチャーゲーム)をしようと提案し、ヒヨリを目の前に立たせた。
見えないべールを持ち上げ、ヒヨリの左手をとる。キスをするかのように顔を近づけるソウタはメイに止められたのだが、結婚式かー。題材選びが案外可愛らしいというかなんというか。
好きな人と家族になりたいと素直に思うタイプなのかな。意外だね。
いつもそんな調子なため、ヒヨリに「本気になったことがないんじゃない?」と言われたソウタは表情を変える。地雷だったか。ヒヨリたまにデリカシー消えるからな。
「じゃあ俺に、本気ってヤツ教えてよ。なんでもいいよ。キミなら知ってるんでしょ?」
一人称まで変わっとる。ド地雷やん。
キミが本気を教えてよとキスを迫り、またも現れたメイに止められて有耶無耶になったのだが、今回のは本当に良くないやつだね。普段はおふざけで済ませられても、痛いところ突かれてヒヨリを試すようなことするのは良くないね。ちゃんと傷ついたって言えばいいのに…難儀なヤツだよ。
なんか、心配になってきた。トモセとは違う方向で心配になってきた。
おそらく人並みかそれ以上に器用に色々こなせるだろうソウタは、その分夢中になって楽しめる経験が少なかったのではないか。
やたらとヒヨリに構って何かとボディタッチやキスをしようとするのは、何でも顔に出て素直な反応をして考えている事なんか分かりやすいのに、いつでも誰かを信じようと一生懸命で本気でぶつかって来る理由はソウタには分からないからではないか。
裏を返せばソウタは本気になれるものが欲しいってことだけど、そしてその気持ちはヒヨリにも向いているってことだけど、素直になれるのかなぁ。
3.本気かどうか
気を揉んでいる間に、タクミがヒヨリに不穏なことを言い出した。
「これ以上、凝部お兄ちゃんには近づかない方がいいよ」
そんな事言うんだな、お前…ここへ来て明らかに知性上がっとる。
ヒヨリは「私は凝部くんをすごく信頼して一緒にいるっていうわけでもないけど」って意外と冷静でわろた。いいよ、その調子でいこ。
タクミの話を聞き、ヒヨリはそれでもソウタは裏切り者ではないと感じ、彼にきちんと向き合いたいと考える。
夜宿舎を抜け出したヒヨリはソウタに会いに行く。
図書館でソウタは失くなったはずの前回配信のディスクを見せ、自分も前回参加者だったと言う。以前ケイトがソウタもメイも参加者にはいなかったと証言していたため、どちらを信じていいのかわからなくなるヒヨリ。ソウタの言う思い出してほしいこともわからず、帰ろうとソウタの手を引くと、押し倒されてしまった。
乙女ゲームだ!!今、わたし、確実に乙女ゲームをしています!!
「僕のこと信用してるの?信用しすぎると、そのうち痛い目見ちゃうよ?こんな風にさ」
ヒヨリの首筋に息を吹きかけ、からかうように笑うソウタ。反論するヒヨリになおも続ける。
「誰のことも信用する必要はないのにさ。全部嘘だと思わなきゃダメだよ」
ソウタも誰も信用しないのかとのヒヨリの問いに、もちろん、と答える。するワケがない、じゃなきゃゲームには勝てないと、ヒヨリの頬にキスをする。
隙あらば許可なくキスさせるオトメイト先輩へ抗議のプラカードを作ろうとした柑橘の機先を制するかの如く、ヒヨリはソウタの腹に膝をぶちかまし抜け出した。よくやったヒヨリ!シャレマニ法廷遊戯編リリース決定!
ショックで思い出したりしないかというソウタに、ヒヨリはきちんと自分の気持ちを伝える。
「いくら思い出すためでも、こんな風に…されるのは…っ嫌だからね…!私は、凝部くんのこと信じられたらって、そう思って話してるのに…!!」
それはほんとにそう。あやまんな、ソウタ…
駆け出し、図書館を出るヒヨリの耳に届かない声で、ソウタが呟く。
「……これはあんまり、いい気分じゃないなぁ」
後悔してた。
チッしゃーねーな、二度とやんなよ!
な、ヒヨリ。怖かったよな。かわいそうに。男ってほんとイヤよね。ソウタのやつ、冗談でも信じらんないわー!
(嫌だから蹴ったけど)
(冗談なら、それも嫌だ……)
んーーーーーごめん、ソウタ。満更でもないみたいでーす!!!
柑橘が両手で大きく作ったマルをソウタに見せようと振り返ると、タクミとのドラマが始まっていた。
ソウタはそこで台本にないセリフを言う。
「本気になって何かを失うくらいなら、全部必要ないよ。捨ててやる」
お前…そういうの…よくないぞ…
それに応じる「そういって逃げてるだけだろ」というタクミのセリフは台本通りだが、いつもの幼い口調が変わる。
その雰囲気に配信を見ていた宿舎の5人の中で、2人への疑いが深まってしまった。
ヒヨリは堪らずソウタたちのいる場所へ向かう。
待ち受けていたのはタクミだった。そして図書館から何者かに持ち出され行方不明になっていた名簿を、ヒヨリに手渡す。ソウタの荷物の中にあったと言って。
タクミ…?あの、すごく、嘘っぽいんだけど、人を陥れることまで出来る子だったの…?よその子の成長早いわ〜とかのレベルじゃないが。
これまでのソウタの様々な行動が重なり、ヒヨリは彼を疑わざるを得ない。最終ページを確認しようとしたところ、以前にはなかった次ページがあった。そこにはタクミの名前と、名前・容姿を奪われた記載が。
プロデューサーとの「特別ルール」のゲームに負け、もう何度も異世界配信に参加していると話すタクミ。もう本当の名前も年齢も分からない、と言う彼の事情に一応納得するヒヨリに、ソウタを信じてはだめだと言い募る。
「お姉ちゃんと話す時もきっと、『本気』じゃないよ」
お前知性上がってるどころの話じゃねーだろ。ピンポイントで急所狙うじゃん。
だがヒヨリはヒヨリなので。ソウタを信じたいと思ってしまうんだよなー!残念失敗!
それは自分が合理的に判断したのではなく、ソウタを好きだからではないのかと自問自答していると、ソウタがやって来る。
昨日の今日で意識してしまって上手く話せないヒヨリを見て、茶化すこともなく引き下がろうとするソウタ。
「やっぱ、嫌われたかな?帰るね」
えー!意外と繊細!なにお前…もしかして好きな子に嫌われるかもって思ったら何もできんタイプなの…?そうか、本気になって拒絶されるのが怖いのか…
慌てて嫌いじゃないと引き留め、ヒヨリはソウタと座って話し始めた。
キミの方に引っ張られてるのかなと言うソウタは、ヒヨリの目を見て問いかける。
「ねえ、なんか根拠ないの?絶対にキミがプロデューサーじゃないっていう根拠」
あんなに誰も信じないと言っていたのに、今はヒヨリを信じたいんだね。
困惑したヒヨリに重ねて根拠が欲しいんだと言うが、当然そんなものはない。
やがてソウタはゲームの体で自分がヒヨリのクラスメイトである事を告げ、迷いなくソウタを信じたヒヨリに礼を言う。
「ありがとう。キミが信じたいって思うもののひとつに僕もいるんだなって思うと……よく分かんないんだけどさぁ、なんか……嬉しいね」
えっ素直になった…なりましたね!なんかクソ生意気な親戚のお子様が懐いたみたいな感動!これが…オトメイトのやり方…ッ
ソウタはクラスメイトなのは本当だが、今のクラスでは一度も登校していないのでヒヨリとも会った事がなかったと告白し、ヒヨリが思い出すべき事などなかったのに嘘をついた事を謝る。
怒涛の素直さ。だがこれだけではない。自分が前回参加者だった事をケイトには口止めしていたとも話す。そしてもう一度ここに戻って来たのは、正体の分からない「心残り」があったからだと言った。それを帰還する前に確かめないといけないと話している途中で、ヒヨリと2人ドラマの教室へと転送される。
ドラマの始まる前のわずかな時間。何も楽しくなかったが、こちらに来てからは少し楽しかったと言うソウタ。少しは本気になれたし、真面目にもやったと。
「それに……冗談ばっかり言ってると、キミが怒るから。本気になんないとキミには届かないみたいだから」
ドラマのカウントダウンが始まり、配信の時間が迫る。
「キミに嫌われるのはイヤだな。信じてもらえないのはつらい。キミを押し倒したあの時に、手に入れたって勘違いしちゃったからなのかな。だから、俺は--」
じかんぎれ、と笑ってそこで配信が始まる。
ズ、ズルーーー!!!そこで!?こいつ、ずっる!!
え、見ました、今の?とんだやり手やで!
ワアワアとヤジを飛ばしていたら、ヒヨリが台本の「大嫌い」を言えずに固まる。ソウタの大事な気持ちを聞いて、今だけは言いたくないとセリフが出ないヒヨリを見て、ソウタが何かを思い出した。
ディレクターに向かって演技拒否を告げると、罰には右目をと要求する。要求は受け入れられ、ソウタが右目の視力を失うことでドラマは終了した。
怒涛の展開なんですが。一旦どっちかにしてくれや。
右目って、メイですよね。
前にも同じ事があり、ヒヨリのおかげで思い出せたと言うソウタ。演技が出来なかったソウタの代わりに罰を受けてくれた人がいた。それが「心残り」の正体だった。
しかしソウタはそれが誰かまでは思い出せない様子で、記録も自分の記憶も消された部分があることに気付く。話を聞いていたヒヨリはそれがソウタの潔白を示すことに喜び、彼に抱きついた。待ってヒヨリ、今メイの話気になってるから。
「私には、凝部くんを嫌いになんてなれないよ」と言うヒヨリに抱きつかれたまま、ソウタは困ったように手をさまよわせ、抱き返すことなく腕を下ろした。
ヒヨリは意外だと感じたようだが、私にはわかります…嫌われたくないんだよな!ソウタ!昨日の今日だもんな!
ヒヨリ誰にでも優しくて誰でも信じちゃってるから、自分が特別かどうか、自信がないんだろう。
カワイイねえ。ニコニコしちゃう。これまで勝手にキスはするわ押し倒すわで少女マンガの悪いとこ全部載せみたいな言動してたくせにさー 何だよもーコイツゥ!
4.隣のヒーロー
少し冷静さを取り戻したキョウヤが隔離された3人と話したいとヒヨリを伴って出向く。しかしソウタは思い出した事などをまだ話したくないためにその場から逃げ出してしまった。連れ戻そうと追いかけたヒヨリにトランプで勝負を持ちかける。
結果はソウタの連勝とヒヨリの一勝。ヒヨリのお願いを聞くかわりに自分のお願いも聞いてほしいと言い、ヒヨリは承諾する。
すると「キミの手に触っていい?」と聞くソウタ。意外性でこちらを殴ってくるじゃん。手なんだ。
そして許可とるの、とっても良いと思います!!!
「俺を変えてくれる手だ」と愛おしげに触れ、掌に穏やかなキスをする。
「この掌からキミの血流に乗って、心臓まで絡め取れればいいのに。毒みたいにさ」
ソウタにとって恋は毒なんだな。今までの自分を殺す毒。
遠回しな告白だったがヒヨリがそれが意味するものを理解しはじめた時、ソウタはキミに対しての宣戦布告だと言ってヒヨリの手を離す。
この後に及んでお前ときたらもー!まあらしいっちゃらしい。
キョウヤと話すと言って立ち上がったところで、ヒヨリがタクミから見せられた名簿の話をすると態度が一変した。
「疑うことは、僕がやる。だからキミは信じればいい。これからもそのままのキミでいて」
聞いたか、トモセ?あれだけ周りを疑えと言っていた男の、ありのままのヒヨリを愛する言葉を!
さて夜。ソウタに呼び出され、右目を奪われたドラマの再演について聞かされるヒヨリ。ソウタは演技でもヒヨリに大嫌いと言われたら傷ついてしまうから、その前にたくさん大好きと言ってほしいとねだる。ソウタったら策士〜諸葛孔明〜でもヒヨリくらいにしか通用しないと思う〜
慌てるヒヨリに近づいて、ソウタははっきりと好きだと伝える。
問い詰めるようにしてヒヨリからも好きという言葉を引き出すと、「俺の勝ち」と言ってキスをした。
「好きだよ。俺のものにならないキミも。俺のものになったキミも……全部」
強気〜!なんか探り探りだったくせに〜!
だが皆さん、ここからです、こいつのすごさ。
ニコニコといつものような笑顔で唇を離すと、ヒヨリを前に呟いた。
「……キスってこんな感じ?なんか……ヤバいね」
初めてのキス〜!えっ嘘やろお前?そのかんじで…嘘やろ???照れてる…照れてる!?
諸葛孔明ソウタじゃなかった。オトメイト先輩だわ。こんなん応援したくなっちゃうじゃん…!
しかしソウタはこれで止まらない。ご覧ください、ソウタの駆け抜ける姿を。
ドラマの再演のため3人の住居に行くと、メイだけがいた。ソウタを探しに行こうとするヒヨリの腕を捕まえて、メイは真剣な表情でソウタのことが好きかと尋ねる。躊躇わずに肯定したヒヨリに、メイは思い出してくれと言ったことを気にしないでいいと微笑んだ。
えっ…なんか…メイそれは…
ご存知、報われない想いの気配に弱い柑橘。メイに一気に感情移入しそうになったところでドラマ再演が始まる。気持ちを確かめ合った2人は今度は笑顔のまま演じきり、戻ったソウタはメイが前回配信で自分を庇ってくれたことをヒヨリに話した。
次はそれを再演しようとした時、辺りが暗転しキャストが集められる。
プロデューサーはソウタだと指摘したいタクミによるものだったが、ソウタは自分とメイが前回参加者であることを明かし、その証明にとメイが右目を失ったドラマの再演を始める。
「またキミとドラマが出来て嬉しいよ。キミの右目を取り戻して、今回も一緒に帰ろう。--このゲームを、終わらせるんだ」
「俺も、お前が思い出してくれて嬉しいよ。それだけで……ここにいる、意味があった」
もうこれ…ヒーローじゃん…!ソウタさん!なんか報われない感じだったメイ助けてくれて私も嬉しいよ!このお話ダブルヒロインだったんか…!
全てを思い出してはいないというソウタだが、それでも確かに取り戻した2人の友情に感涙していると、ドラマが終わり戻って来る。あと一つ、最後は黒幕の指名だとソウタさん。もう敬称つけちゃうよ、こんなん。
しかしそこにディレクターが現れ、目標達成の文字が。更にメイが帰還に必要なポイントを達成したことが告げられる。これってソウタが思い出してくれたから…?
そしてお久しぶりのルール、1人か1人以外全員かを選ばなくてはならない事が明かされた。
メイは事もなげに自分が残ると言うと、ケイトの腕も戻してやってくれと要求。ディレクターは承諾し、腕が戻された。じゃあ、と皆の帰還を促すメイを、ソウタはそれではダメだと止めようとする。
「キミが犠牲になる必要なんてない!一緒に帰るんだ。俺が何のために戻って来たと思ってるんだ…!」
帰還が始まり景色が崩れて行く中、ソウタはメイに向かって叫ぶ。
「お前が犠牲になるなら、勝つまで何度でも勝負を挑むからな!!勝つまで絶対に……忘れないし、俺は負けない……!!」
そんなソウタに笑いかけ、穏やかにメイが言った。
「お前にはいつも負けっぱなしだ。だから……あいつの隣は、お前に譲るよ」
ヒ…ヒエッ……どっちに感情移入したらいいか分からん。苦しい。助けてくれ。こんなのひどいよ…!!
帰還したヒヨリたちは療養と事情聴取を経て日常へ。異世界の記憶はところどころが欠落し、参加者は8人だと認識している。
しかし2人は大事な記憶を失っていると感じ、取り戻そうと踠いていた。せめてもの…だね。
と思っていたら、不登校だったソウタの席は空いていた一番後ろ、ヒヨリの隣に。
私は覚えています。冒頭、学校に来ていないとクラスメイトが話していたのは一番前の席だと…そこ…文字通りヒヨリちゃんの隣…絶対メイの席じゃん〜!!
こんなん泣くが!?
なんでや…なんでそんなことしたん、オトメイト先輩…純粋にヒヨリとソウタの可愛らしい初恋楽しませてくれよ。何でそんなことするんだよ。
今度こそプラカード作ろうと立ち上がったが、ヒヨリとソウタの幸せそうな様子を見て着席。
窓際のカーテンに隠れて、キスをする2人。シャレードゲームで見えないベールを上げたあのシーンを思い出させる。本気の時は『俺』になるとヒヨリに指摘されて、無意識だったと驚くソウタ。まあいいけど、と続けて。
「キミに対しては、いつだって本気だから」
ふえぇ…思うところはありますが…ソウタとヒヨリの恋は…ハッピー…エンド…ッ!
ソウタめちゃくちゃヒーローじゃん…!!
チャラチャラしくさりおってこいつは何だ趣味ゲームじゃなくて暗躍とキスか!?とか思ってたのに、こいつぁとんだ伏兵だぜ。
しかも何です?途中急に可愛げ出してきませんでした?本当に好きになっちゃったらあんなかんじなんだねえ。ヒヨリもソウタには遠慮のないかんじがすごく可愛かったねえ。本気になったことがない奴の初めての本気の恋なんて、そんなん全生物好きに決まってるじゃんねえ。
許可なく女の子に触れたりするの許さんぞ派ですが、ヒヨリがちゃんと怒ったりやり返してたからイヤなかんじしなかったな。行為は一方的だけど立場は対等なのが良かったのかも。
ソウタが唯一「ヒヨリちゃん」て呼ぶのも好ましかった。距離感を表していたとは思うけど、どいつもこいつも距離感おバグりあそばしてるから…
わたし、シャレマニやってて初めてこれほんとに乙女ゲームだったんだな…と思いましたよ。
キョウヤの真っ直ぐな主人公感にも、ケイトのツンデレにも、マモルの萌え袖→スーツにも乙女の気配は嗅ぎ取ってましたけど、多少疑ってましたからね。これ…ジャンル分け本当に合ってんのか?って。私が素人だから分からないだけなんじゃねーか?って。
謝罪します。シャレマニ乙女ゲームです!
でもトモセはホラーだしミズキは7:3くらいでハードボイルドです。リョウイチはわからん。おもしれー男。
そんでメイね!つーかソウタとメイね!
ソウタを庇って右目を失った挙句二度も残るメイも、記憶を失い何も分からないのに戻って来たソウタも、お前らほんま…
あのソウタが必死になってメイをお前と呼び「何度でも挑むからな!」って叫ぶの本当に胸が詰まったし、ソウタのことめちゃくちゃ好きになったよ。
トモセルートの最後では急になんだこいつ!?と思ったけど、そうとは分からないままだったのにメイのために残ったんだなと知ってしまった今…記憶は奪えても、そこに宿っていた感情は奪えなかったんだね。本当に何度でも挑むんだ、この男は。もうダメです。ソウタやばい。
いや乙女ゲームでなんで男の友情で心動かされてんだとは思うけど。
早くメイを迎えに行ってあげてくれな…頼んだぞ…BFF…
メイとヒヨリは…もうメイの世界線に賭けるしかないので…今考えたら負けなので…
報われない片想い、負けヒロイン、当て馬、以上私が死ぬほど弱いものです。silentではゴリゴリに湊斗に感情移入したしオーマイボスは間宮祥太郎しか記憶にない。
蘇るトモセのトラウマと戦いながら、名探偵柑橘は最後まで突き進むのであった。
【追記】
アドバイスもらってクリア後に追加されるショートストーリーを読みました!
ソウタかわいすぎて腰抜かしました。ウッソだろお前…意外性を人型にした男。ヒヨリちゃんにもそういうの見せてあげてよぉ…好きな子には余裕ぶってたいからダメかー。そうかー。
【名探偵柑橘の今回気になったことメモ】
・これこの様子だとタクミがプロデューサーってわけじゃないんだね!?え、じゃあタクミなに…そもそも人間か…?やはり上位存在…?
・タクミじゃねーならもうメイしかいないが、前回もソウタ達のために自ら1人残って…「もう一つ賭けがある」…そういうこと?そういうパターン?そこ全然疑ってなかったー
・トモセが報われるシナリオを求めて幾星霜…更にメイを加えるな。何してくれてんだ。つーかトモセが良い感じになるターンあるんだろうなぁ!?
【お礼とご報告】
アンケートにご協力ありがとうございました。
すごく迷って自分では決められなかったので、とても助かりました。
私がソウタ終わったタイミングでの結果はこちら。
笑うしかない。
どっちからやるのもまたヨシてことね?でも決めなきゃなんでぇ…コレの前にはなりますが、途中経過スクショがこちら。
というわけで、もうここはひとつ陀宰メイちゃん行ってみます。
コメントではヒヨリちゃんとのセット推しの方が多くて、期待しちゃうなー!
ついでのついで。「きみに読む物語」は記憶にまつわる映画なんですが、なんとなく思い出したので…
曖昧な記憶の中に生きる人が時折それを取り戻してはまた忘却の波にさらわれてしまう…かんじが…少し重なり…ラストをどう捉えるか視点によって変わるところも含めて喉に違和感残す良作です。