膵SPNと私(精密検査②)
5月19日大学病院へ受診する。
市の総合病院と連携している病院のため、
事前に撮っていた画像や生検の検査結果が
大学病院に送られていた。
こちらの大学病院には神経内分泌腫瘍(NET)専門外来と言う外来があり、私を診察してくださった医師は主に肝胆膵外科を専門としている准教授との事であった。
総合病院では膵SPNの可能性があると言われたが
大学病院では膵NETの可能性が高いと言われた。
膵体尾部に2cm程度の大きさだった。
腫瘍の大きさや特徴をもう少し詳しく知るため
特殊な検査をすることとなった。
オクトレオスキャンとPETCT(ペットシーティー)
という検査だ。
オクトレオスキャンとは神経内分泌腫瘍に集まる薬を使い腫瘍を画像化し局在部位を診断する検査。
PETCTとは
がん細胞は正常な細胞と比べ3~8倍のブドウ糖を取り込む性質がある。その性質を活かし、PET検査ではブドウ糖によく似た構造のFDGという薬剤を注射した後、全身を撮影しFDGの集まりを画像化する。
また、神経内分泌腫瘍は症例が少なく研究のため
検査結果、治療後の経過等を学会に発表させて欲しいとの事だった。
検査は6月2日、3日の2日間にかけて行われた。
オクトレオスキャンは海外から取り寄せた特殊な薬を注射してから検査するとのことで
その注射をしたあと数時間は体内から放射能が出てる(人体には無害な程度の)と言われ
人体兵器になった気分だった。
注射は研修医らしき医師が行うこととなり
失敗が許されない緊迫した雰囲気のせいか
医師の手が尋常ではないくらい震えていた。
無事注射は成功したが、気が緩んだのか抜く時に
血塗れになり大惨事となった。
あの焦った医師の様子は忘れられない。
そして機械に入っていく。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/113269471/picture_pc_517d055a7cfe7ec1c566cebd45ef537a.gif?width=1200)
このような機械を使い検査していくのだが
この上の水色の板は360°グルグル回っている。
検査時間が40〜1時間のためその間はずっと
動かずに寝ていなければならない。
だんだん眠くなり眠ってしまい目を開けた時
板が目の前にあって天井に潰される前の景色みたいだった。
こちらの検査が2日に分けて行われた。
PETCTも薬剤を注射して機械に入るのだが
こちらはそこまで時間かからずに終わった。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/113269729/picture_pc_f2472a952be161356b00bc83f31a5ae2.png?width=1200)
検査結果はとりあえず転移はしていなさそうとのこと。
ただ、神経内分泌腫瘍だとオクトレオスキャンに反応しPETCTには反応が乏しいらしいが
私の腫瘍はオクトレオスキャンに反応が少なく
PETCTにはとても良く写っていたとの事だった。
結局は手術で腫瘍を取ってみなければ
この腫瘍が何者なのか分からないという結果になった。
実はこの年、私は7月に結婚式を控えていた。
そのため7月の結婚式以降に手術をして欲しいと伝えた。
実母や義母には早く手術した方がいいと
言われたが頑固な私は
結婚式前に手術をするのであれば手術しなくていい。私の体だから決定権は私にある。
と絶対に譲らなかった。
今思うと皆が心配してくれているのに
何とも我儘なやつだなと思う。
ただ、ここまで頑なにこだわったのは
もし手術中に何かあったら、最悪な事態になったら
その前に最愛の夫と思い出を作りたかったのだ。
私がいなくなっても良いように
少しでも2人が夫婦だったという証を遺しておきたい。と考えたからだ。
今となっては元気に暮らしているため
深く考えすぎたなと思う。
結局私達が言い争いしようがしまいが
病院側の手術の空き状況もあり
7月30日の予定となった。
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