みんなの知らない熟語シリーズ「天丼」
昔々、日本のある町で「見知らぬ天井」と書道で書く速さを競う大会が行われました。
この大会には全国から腕利きの書道家たちが集まり、己の技を競い合いました。
その中には一人の若く才能あふれる書道家、佐藤真一がいました。
彼は以前から数々の大会で優勝しており、今回も優勝候補の一人として注目されていました。
大会が始まり、参加者たちは一斉に「見知らぬ天井」という文字を書き始めました。
佐藤も例に漏れず、鋭い筆遣いで「見知らぬ天井」と書き上げました。
しかし、他の参加者たちがまだ書き終えていないのを見て、彼はふと考えました。
「少し手を加えれば、もっと完璧な作品になるかもしれない!」
佐藤はそう考え、上手く書けた「見知らぬ天井」に一つの点を加えました。
その点は「井」の上にちょんと書き足されたものでした。
その後、書が並べられ審査が始まりました。
審査員たちは各々の作品を吟味し始めました。
ところが、佐藤の作品を見た瞬間、一瞬の沈黙が訪れました。
そして、審査員長がゆっくりと口を開きました。
「これは…『見知らぬ天丼』と読めるではないか!」
佐藤は驚愕しました。
彼が完璧を追求して加えたその一つの点が全てを台無しにしてしまったのです。
もしその点を加えなければ、間違いなく彼の「見知らぬ天井」が一番だったでしょう。
結局、佐藤はその大会で優勝を逃し「天丼」の一文字の違いが彼の勝利を奪ったのでした。
この話は後に『天丼』という言葉として広まり、余計なことを加えることで全てを台無しにするという教訓を伝えるようになりました。
おわり
そう。これが熟語『天丼』の話。
どこかで聞いたことがあるようなないような?
エヴァンゲリオンではないですよ。
このnoteに『天丼』を加えるなら、この話はとある熟語の話のアレンジバージョンです……
おっと、みなまで言うのはやめましょう。
それこそ蛇足になってしまいますからね。
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