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「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (09)好きな下着を選びたい

性別二元論を前提に設計されている社会の中で、そもそも多様な人を二つのジェンダーに割り振るのは無理があるのでは?という捉え方・認識を強く持つノンバイナリージェンダーの人にとって、身につける衣服にまつわる価値観に対する葛藤や受け入れ難さが描かれているページを紹介します。

初潮を迎えてすぐに、生理ナプキンとショーツがぴったり合うようにはなっていないことに気づいた。 6枚入りのショーツで、一番嫌じゃないのはどれだろう? 全く気乗りがしなかったが、私は「女の子用」の売り場に戻った。
私は15年にわたって、全く同じショーツを買った。 6枚入りに入ってくるピンクと紫のショーツを妹のフィービーにあげて、濃い、ニュートラルな色のものを自分用にした。 ヘインズ(男性向け下着メーカー)で、ビキニカットの6枚入りはないのかな? ここにはないか。。 うーん。
さあどうぞ! わーい。 恐竜の絵がついてる! 宇宙船だ! 漫画が描いてある! でも、これ履けるかな?自分に合うかな? 試着室で、パックを開けてあげるから、履いてる下着の上に重ね履きして試してみたら?いい?
いてみてどんな感じ? いいね! いや、凄くいい! 家に帰った時、小さな奇跡のように感じた。 1パックの中に6枚の下着が入っていて、その中にピンクのものが一つもない。 なんで、何年もの間、嫌いな下着を買ってきたんだろう? その間、可愛くてオタクっぽいパンツを履けていたかもしれないのに。

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