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駿河台大学・森林文化B 『MTBと里山について』資料

奧武蔵マウンテンバイク友の会 三上和志
2022/09/24

駿河台大学の森林文化Bという授業を奥武蔵マウンテンバイク友の会(OMC)で協力させてもらうことになりました。同大学が所有している里山にMTBで遊べる環境を授業を通じて学生さんたちと一緒に整備していこうという内容です。本来であれば2回目以降の授業は実際に野外で行う予定でしたが、この日の授業は雨天につき教室内で行うことになり、急遽学生さんたちを前にMTBについて話をするという機会を与えていただきました。
その際、学生さんたちへの説明に使った文章をnoteにまとめ、その後加筆修正しました。

●●●MTBについて●●●

■遊び方の種類を説明

●レジャーとして森林の散策
・森林内をサイクリングする非日常感を味わう 
・乗車できる地形であれば歩くより広範囲を移動できる。
・飯能に住んでいると僅かな移動時間でスグに楽しめる 
・MTBさえあれば他には費用があまり掛からない
・1人でも仲間とも遊べる

幅広い年代が交流して楽しむ


■スポーツとしてのMTB

・トレーニングとして取り組み、身体を鍛える MTB操作を鍛える 
・レースに参加する。大きく分けて2つ。持久運動系のクロスカントリー競技( オリンピック種目)と短距離系のダウンヒル競技
・プロスポーツとしてはレースのほかに動画でスタイリッシュな走行でアピールすることも近年盛んになっている。

レースで競う事もMTBの楽しさの一つ


■旅の道具としての利用
・テントを持って旅に出る

キャンプ用品を積み込んで気ままな旅が出来る


■機械いじり

・メカいじりが好きな人はパンク修理から様々な修理を自分自身で行うことが出来る。
・さらに知識を深めていくと、一つ一つの部品を選び、バラバラな状態から組み立てる作業を楽しむことも出来る。
・4畳半ほどのスペースがあれば十分に作業できる。

好みのパーツを選び、組み立てることも楽しみの一つ


●●●この地域とMTBの親和性●●●

(入間市 加治丘陵 〜 駿河台大学の森 〜 飯能市 七国峠/青梅市 霞丘陵)

■緩やかな地形の丘がMTBライドに最適
・駿河台大学の里山の森はまさに最適な地形である。
・緩い丘であるため、初心者でも少し慣れてくれば(小学生でも)登りは歩くことなく登れ、下りも怖がらずに走る事ができる。

■隣接する地域では
・東京の都会に在住のマウンテンバイカーにとっては最寄りのトレイルの一つ。時には週末に100名ほど訪れる地域でもある。(近距離なため毎週通っているライダーも多数いる)
・MTBライドをきっかけに飯能市に移住する人もいるほど。
・サーファーが海のそばに住むのと同じでマウンテンバイカーはトレイルのそばに住む。
・仕事前や昼休みにMTBで毎日遊べる環境。

■国内のトップライダーも通いたくなる環境
・群馬県に在住のオリンピック日本代表選手も通ってくる環境である。
・OMC会員で西東京市在住の高橋翔選手は小学2年生からこの地域に通い始め、高校2年生となった現在は日本代表選手として海外のレースに参戦している。

●●● 里山整備のこれまでの流れとMTB●●●

MTBの遊び場は里山や低山地帯の未舗装路。そこはもともと林業や農業のために利用してきて人の手によって整備されてきた地域である。
かつて各家庭にガスが普及する前は薪がエネルギー源だったので生活の一部として里山を利用し、整備していた。
林業や農業で利用頻度が下がり、また家庭でのエネルギー源もガスに変わると里山道の整備は地域の自治会の方々や森林ボランティアの手によって行われるようになった。この地域では市から指定されたまちづくり推進委員会や、地元自治会の手によって行われている。
MTBで遊んでいる我々としてはこの素晴らしい環境を残し、ここで遊び続けたいので、この環境を守るため、長年整備を続けて来られた団体に混ぜてもらい共に行動させてもらえるよう交流を始めた。現在9年目となっている。

おじいちゃん世代から孫世代までが一緒に作業を行う様子

■里山道の現状
・近年の豪雨災害により里山道がダメージを受けている。
・老化した樹木が倒れ里山道を塞ぐ事例が多く発生している。
・これまでボランティア活動を行なってきた地元有志の方々の高齢化が進んでいる。
・四輪駆動車やオフロードモーターサイクルが過激な走行をしてダメージ与えている現状がある
・ここ数年は『ナラ枯れ』の被害が広範囲で進行中である。

4輪駆動車がぬかるみを走行し深い轍となった道


■MTBライダーによる里山整備
・この環境を維持し、この地域で遊び続けたいという強いモチベーションがある
・山中で土方仕事を行う体力がある。
・山中に土方作業に使う道具を運ぶ機動力がある。

里山道の整備もMTB遊びの醍醐味の一つとして多くの仲間が参加


■MTBライダーが里山整備活動を行うことのメリット

・MTBで遊ばせてもらっている環境を維持できる。
・地元住民からの理解が得られ、排除されることの危険性が回避される。
(山を荒らしている者と勘違いされないため(※1)ともに活動することでMTBライダーが歓迎される立場に慣れることを期待)
・まだマナーを知らないMTBライダーに対する里山を走る際のマナーの啓蒙(※2)まれにMTB専用コースと勘違いしているライダーへの啓蒙活動

※1 四輪駆動車やオフロードモーターサイクルが過激な走行をして里山道にダメージ与えている現状があり、同類とみなされることもあるため

※2 ハイカー等の他の里山利用者とのトラブルを未然に防ぐため

市役所による看板が設置された


●●●奧武蔵マウンテンバイク友の会の活動理念●●●

『奥武蔵地域は関東平野の辺縁部。里から山に繋がる部位に位置しており、親しみやすい里山を多く有しております。この地域の里山には多くのマウンテンバイカーが訪れ、自転車走行とともに、里山の豊かな自然とふれあうことも楽しんでおります。

 一方、近年ではゲリラ豪雨などの様々な要因により、里山の荒廃が進んでいます。水はけの悪い箇所では雨水が流れて表土を深くえぐり、里山道を遮る倒木などを見かけることが多くなりました。

台風通過後には倒木が発生することも多い

そこで、私たちマウンテンバイカーも、地域のボランティア団体が行なっている里山の保全活動に参加し、里山保全のノウハウを教えていただきながら、倒木の除去や傷んだ散策路の補修といった作業を率先して行うことで、健全な里山環境を末長く維持できるよう、保全活動を引き継ぎ、その意義や楽しさを次世代に伝え、引き継いでもらえる活動を目指しています。

このたび駿河台大学の学生の皆さんと共に活動を行えることは、まさに私たちの目指す次世代との交流という貴重な機会となります。
協働の1年目となる今回は私たちにとって初めての機会となるため手探り状態ではあります。
お互いにアイデアを出し合ってより良い授業を作っていきましょう。
そして末永く続けていき皆さんが卒業した後も遊びに来たくなるような森に育てていけたらと願っています。

よろしくお願いします_(._.)_



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