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音楽とのこれまで その2

ドイツでの父の駐在期間も終わり、途中一度も帰国せず中学2年生になったわたしは久しぶりに日本の地を踏みました。
電撃プレイステーションと週刊少年ジャンプが愛読書だったわたしは、やっとそれらが定価で買えること(ドイツで購入するとおよそ4倍の値段。)を待ちわび、帰国を楽しみにしていたのですが、公立中学校に転入してその気持ちは一変しました。
学校がとても荒れていました。
みんなスマートで、ついていくので必死だった日本人学校の温室から、いわゆる学級崩壊やいじめといったオフロードにやってきて、それらとはそれなりに戦いましたが、いまいちサイズの合わない初めの制服同様、なかなか馴染めませんでした。大好きだった音楽の授業も、一瞬生徒全員の注目を集めるので精一杯。すぐに立ち上がって歩き出したり、それぞれに話しはじめたり。これまでとはかけ離れたものでした。

気持ちが沈み、思うことは“ドイツに帰りたい”。不登校になりかけたわたしに、母が「部活に入って楽器をはじめたら?」っと言ってきました。それは良いかも!と、同じクラスの友達に頼み、吹奏楽部の見学をさせてもらいました。
たくさんの楽器にワクワク!入部は即決。案内してくれた友達がクラリネット担当だったので、自分もクラリネットをやる気でいました。

ここから、運命というか、人生の面白さというか、出会いの果ての成り行きが始まっていきます。

顧問の先生にクラリネットをやりたいことを伝えると、人数的には問題ない。ただし、転校による途中入部のため楽器が足りない。従って、個人的に楽器を購入してもらわなくてはならないけれど、それは可能だろうか。ご両親と相談してきてほしい、とのことでした。

フルート

現在の愛器 Muramatsu AD 最初の楽器はSANKYO エチュードでした 

帰宅し、両親にそのことを話すと
父「楽器を買うのは良いけど、お父さんはクラリネットよりフルートの方が好きだな。」
母「お母さんもフルートの方が好きだわー。」
私「じゃあ、第一希望フルートで、第二がクラリネット、第三をサックスって書いておくね。」
と、なりました。

この会話を、両親は覚えているのでしょうか。笑
両親が特にフルートに詳しい、クラリネットに詳しいというわけではありませんでしたが、どうせ楽器を買うことになり、家で練習されるならフルートが良いなと思ったようです。
(今、この会話を思い出して面白いと思うのは、候補が全部木管なこと!とにかく木管希望ではあったようです。笑)

翌日、希望楽器の書かれた入部届を提出したところ、あっさりフルート希望が通り、かくしてわたしは成り行きでフルート担当となるのでした。

その3に続きます。

人首 美佳子(ひとかべ みかこ)
武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科卒業。フルート専攻。
在学中よりポップス、クロスオーヴァー、ジャズの楽曲を演奏するユニットにて活動。関東全県でコンサート、ライブを行う。ユニットの楽曲がローカル局紀行番組テーマ曲として採用される。東京芸術協会主催、レ・スプレンデル音楽コンクール室内楽部門 奨励賞受賞 (デュオフルート、ピアノトリオ)
フルートを故 中野富雄、中野久美子各師に指示。ヴァンサン・リュカマスタークラス受講。現在は横浜在住、二児の母。

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