太正ヒソヒソ裏話4

 2020年12月19日に美少女文庫から発売の『吸血鬼妹の殲滅刃』の裏話その4です。

 今日は服装についてです。

 本編の主人公・弥士郎は和装、ヒロインの閑音は洋装を身につけています。

 大正時代に入ると、男性には洋装が広く普及しました。

 主流だったのは背広にフロックコートです。

 西洋風の文化が浸透して、それに合った服装の需要が増したことと、工業化が進み、洋服の生産体制が整って供給が増したことの両面が原因として考えられるでしょう。

 しかしそれも都市部の話。

 多くの農村部ではまだ和装が一般的でした。

 田舎暮らしの弥士郎はそんなわけで和装のまま旅を続けています。

 一方女性の間では和装の習慣が残ります。
 当時の女性は男性に比べ家の外に出ることが少なかったためでしょう。

 その証拠に、外に働きに出る女性(いわゆる「職業婦人」)の間では、制服として洋装が普及していきました。

 また欧米の貴賓と接する機会の多い上流階級の間でも洋装は以前から好まれました。

 華族令嬢の閑音が洋装なのはそうした背景からです。

 女性の間で洋装が一気に広まったのは、1923(大正12)年の関東大震災以降と言われています。

 このとき、多くの女性が、下に救助用のクッションが用意されたにもかかわらず、建物から飛び降りるのを拒否して焼死したと言われています。
 その原因が和装。
 着物の裾がはだけて、肌があらわになるのを嫌がったからだそうです。

 この事件があってから、中に下着をつけ肌を隠せる洋装が一気に広まったのです。

『吸血鬼妹の殲滅刃』第3話の遊郭街でのエピソードはこれを下敷きにしています。

 ちなみに大正のこの時代は、本来なら洋装の下着はドロワーズです。

 閑音が穿いているようなぱんつはまだ生まれていません。

 が、架空の「太正」ということでご了承いただければと思います。

 この世界のこの時代に現代と同じぱんつが存在する理由については、

 こちらの作品をお読みいただけると納得できるかと思います。

『女騎士団ぱんつこれくしょん』

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『吸血鬼妹の殲滅刃』

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