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2022年のマイベスト~ゲルハルト・リヒター展

2022年の展覧会まとめ中。
2022年でいちばんよかったなって思ったのが9月に行ったリヒター展だったのですが、当時書いた記録はないので、いまがんばって思い出して書き起こします。

ゲルハルト・リヒター展@東京国立近代美術館

リヒターって、美術界では超有名なんですね。わたしは何も知らず。「ビルケナウ」ももちろん知らず。
なんとなくで行ってみたのですが、作品もとてもよかったし、また展示空間がとてもよくて、衝撃を受けました。
こういう空間構成は、誰が考えるんだろう、学芸員さんなのかしら、それとも空間美術デザイナー的な専門職があるのかしら。
動線とか、視線誘導とか、そういうのも含めて、心に突き刺さる展示になっていて、すごいなぁ……と思いました。
順路もなかったので、好きなようにぐるぐると見て回って、気に入ったところに戻ったりして、めちゃくちゃ堪能しました。
巡回展だけど、会場が変われば、また配置は変わるのかしら。

ビルケナウ

会場に入って、最初の広い部屋、ロビーのようになっている部屋でさらっとアブストラクト・ペインティングを見た後、左側の部屋に入ったら、そこがビルケナウの部屋でした。

最初に視界に入るのは、左手にあった写真バージョンのビルケナウのパネル。へ~~これかぁ~、としばらく見て、ふと横を見ると、鏡がある。これも……作品なのかな?(作品でした)
ここに配置するのすごいな……と思ってさらに横を見ると。

油彩のビルケナウ、4枚。

!?

えっ、、これは、なんかすごいんですが……こっち(最初に見たもの)とは違うの?たぶん違うんだけど……なんで違うの???と動揺してました。(あとで作品リストを読んで、こっちのすごいほうが油彩なのか……と知る。)
油彩の方は、部屋の中まで入ってきて、ようやく目に入るように展示されていて、目に入ったときの衝撃がすごかった。写真バージョンよりも、距離を取らないと、受け止められない。なんだこれは……

写真は撮ってもよかったのだけれど、とてもじゃないけど撮る気になれないというか、わたしはこれを撮れる器じゃないな……と思ったので、写真バージョンの方だけ撮りました。それでも、正面からは撮れなかった。

ビルケナウ(写真ヴァージョン)

もちろん、他の部屋も一通り見てから、再度この部屋にも戻って、もう一度見ました。知識として、この作品の背景は知ってはいるのだけれど。なんだろう、このエネルギー。

グレイ・ペインティングとカラーチャート

まだまだアートを見慣れていないわたし。

グレイ

一面グレーの絵。へ~。いいなぁ、なんか。って思いました。
グレーはね、色としてはすごく好きなんだよね。無彩色の部類に入るけど、色はある。

どちらかというと、カラフルなのは苦手。
なんだけど、これは、なんか見られるな。

4900の色彩


これは確か、いくつかのパネルを組み合わせて、1枚の作品にしていたはず。展覧会ごとに、組み合わせを変えていいらしい。
25色で塗られた約50cmのプレートが196枚あって、25×196=4900ってことらしい。(今ぐぐった)

へ~。おもしろいな。
こういうのを、おもしろいなと見ている自分がおもしろい。

それからこういう絵を、誰かが見ているのも、おもしろい。
なんかその、絵面がいい。

透明越しの、ストリップ

その部屋からまた、中央のロビーに戻る。
と、部屋の真ん中に、ガラスのオブジェ「8枚のガラス」。
もちろんこれは、最初に会場に入ってきたときも、真ん中に鎮座しているのが見えていた。
でもグレイの部屋から出てくると、その透明なガラスの向こうに「ストリップ」の部屋が見えるんだ。
うわぁ、この景色、いいなぁ。
オブジェも最初に見たときと、全然違ってみえる。
その風景は撮ってません。うまく撮れなかった。わたしにはこの感動は撮れなかった……
代わりにストリップを単体で。

ストリップ
グレイの縞模様
(ストリップと同じ部屋にあった)

あとは、静物画もよかったなぁ。

なんか、とてもいい、とてもいい、と思いながら、会場内をぐるぐるしていた記憶があります。
作品といい、会場といい、深く心身に浸透してきた美術展でした。
ビルケナウ、また見られたらいいなぁ。


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