歯茎のそらまめ怖いよおおお
4ヶ月ほど前、親知らずがあまりにも痛くて歯医者に行った。
思えばそれがすべての始まりだった。
親知らずを抜く前にはレントゲンを撮り、
歯がどんな方向に生えているのか、
はたまた歯茎に埋まっているのかを確かめてもらう。
そういえば、歯や骨の写真はいつ見てもすごいなと思う。
証明写真よりも証明写真となり得るような、
だが自分で自分の写真を見分けることができない
本当に不思議な存在であるなと思う。
そんなことはどうでもいい。
親知らずを見てもらうために撮ったレントゲンに写ってしまった。
左奥の歯茎にそらまめ程の大きさの白い袋のようなものが…。
「紹介状を書きますから早めに総合病院に行ってください」と。
ああいう時の医者の顔というものは、
この世の優しさのすべてを突き飛ばすような顔をしている。
恐らく、優しい顔で言ってくれていたはずだが
少なくとも私にはそう見えた。
約3日後、紹介状を握りしめ家の近くの総合病院に行った。
CTやらMRIを数週間にかけて撮りまくり
診断された病名は歯原性角化嚢胞。
いや、こっわ。
痛くも痒くもないのに、私の証明写真に写ったそらまめは嚢胞だったのだ。
さらに医者は畳み掛けた。
「これ、元腫瘍なんで。」
え、こっわ。
今は嚢胞と言われているこのそらまめ、
元々は腫瘍と言われており転移する可能性も低くはないらしい。
あ、全然良性なんですけど。
しかもその治療法が私にとって鳥肌だった。
まず、歯茎を少し切り取り嚢胞の中身を取り出す。
そこにガーゼを詰め込んだまま数週間生活することによって
その袋を小さくしていく。
小さくなった袋を全身麻酔の手術で摘出する。
泣けるわこれ。マジ泣ける。
一回目に歯茎切るときとか局部麻酔だからね。
切られていることが分かるのに、
痛くないあの局部麻酔がどうしても苦手だ。
さらに、数週間に一度詰め込んだガーゼを交換する作業が訪れる。
怖すぎねこれ。麻酔なしだからね。
3回目ぐらいにはだいぶ痛くなくなったけれど、
1回目と2回目は本当に病みそうだった。
そして、来たる明日全身麻酔で嚢胞を摘出する。
そのために、今日は人生ではじめて入院をした。
この経験を経て私はつくづく痛みに弱いことに気がついた。
それから、血も苦手だ。
人間レベルをあげるために、まずは明日を乗り越えよう。
そういえば、今朝起きるとガーゼが口の中からなくなっていた。
あ、寝てる間に飲み込んだわと悟った。
入院してすぐ看護師さんにそのことを伝え
お腹のレントゲンを撮ってもらった。
ガーゼはないらしい。
担当医は「あー、歯茎のなかに戻ってますね。」とのこと。
恥ずかしすぎて、今すぐにでも退院したいと思った。
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