男女間の友情が成立するかどうかは相手による
昔から議論される『男女間の友情』について。夫はナシ派、私はアリ派です。世の中でも私たち夫婦のように意見が分かれていますが、男女間の友情が成立するかどうかなんて、相手によるとしかいいようがないのが正直なところ。
なのに、なぜ男女間の友情が成立するかどうかが議論になるのかといえば、成立すると考えたい派が成立させたいからなんじゃないでしょうか。
私は工業高校出身者なうえ、技術畑で社会人経験を積んできたこともあり、異性の友人はおそらくかなり多い方に分類されます。そんな友人たちとは、結婚した今でもつき合いがあります。高校時代の友人にいたっては、もうすぐ30年近くなる人もいます。
その中でも、私には特に仲の良い男友達がいます。私にとっては昔から良き相談相手で、長年のつき合いで「こういうところ、好きだなぁ」と思うことは多々ありますが、これまで一度も恋愛的な好意を持ったことがありません。
あくまでも人間的に好きだというだけ。恋愛的な好意とは全くの別物です。
一方で、友情のつもりが恋心になってしまった友達もいます。彼とは長く友達として関係を続けていきたいからこそ気持ちを伝えないという選択をして今に至ります。
友人に対して恋愛感情を持った時点で友情は破綻していると見ることもできるため、ここも見解が分かれるところかもしれません。しかし、恋愛感情も元をたどれば相手の人間性に惹かれたゆえの気持ち。友情だって、大差ありません。
いろんな異性の友人とつき合いを続けてきて思うのは、男女間の友情は自然に成立するケースもあれば、お互いの努力で成立するケースもあるということ。仮に相手に恋愛感情を抱いたとしても、胸にしまい続ける覚悟がなければ、友情を育んでいくのは難しいでしょう。
一方で前者の場合は、お互いにとって恋愛的な好意や性欲といった類の触手が動かない場合に成立しやすいといえるかもしれません。いつも相談相手になってくれている男友達は男性としてもとても魅力的な人。ですが、私にとっては、恋愛や性欲の対象ではありません。彼も同じ感覚のようです。
少なからず相手に対して恋愛的な好意を感じたり、性欲の対象になったりするような相手であれば、お互いに明確に線引きをしたつき合い方をしない限り友情を成立させるのは困難でしょう。
どちらにしても、友情を成立させたいからといって無理に相手に自分の価値観を押し付けるような関係は遅かれ早かれどこかで破綻します。そうでなくても、ライフステージが変わったり生活環境が変わったりすると今まで通りにつき合えなくなることが多々あるのが男女間の友人関係です。
同性であれば気にしなくてもいいことを、異性間ではお互いへの気遣いとして考えなくてはならなくなる場面も多いからです。
男女間の友情が成立するかどうかを考えて自分の価値観をごり押しするよりも、お互いを真に気遣いながら接していくほうが何倍も大切なことではないかなと思います。
そんな時間を積み重ねていくうちに気づけば成立しているのが男女間の友情かもしれないなと、自分の友人関係を見て感じています。異性の友人とのつき合い方は同性の友人とのつき合い方とは異なるところもありますが、相手を気遣う・向き合うという点では同じです。
男女間の友情がアルナシ論争は、おそらく今後も途絶えることはないでしょう。でも、あるかないかで考えるのではなく、友情を育みたい相手と出会えたことに感謝して、今ある時間を大切にいろんなことを共有していってほしいなと思います。
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