風俗に斡旋された大2の夏。
タイトルの通り、私は風俗に、いとも簡単に斡旋された。
ただ、スカウトを悪者にしたいわけではないので最後まで読んでほしい。
大学2年の夏、私はお金が必要になった。
でも、それまでバイトを、ちゃんとしてこなかったので、お金の稼ぎ方がわからない。
とりあえず、求人サイトを見る。
「オープニングスタッフ募集!ボーナス有り!」
「アパレルスタッフ募集!未経験歓迎!」
たのしそう。
でもこれじゃ、多分必要なお金稼げないんだよなあ。
どうしようかなあ。
「保証時給2000円!お酒が飲めなくても大丈夫!カウンターで接客するだけ!バー未経験者大歓迎です!
12時open 〜24時 シフト3h〜ok! 」
またガールズバーか。
時々入ってくるこの一面。
保証時給ってなんなんだろう。
チャラくてバカそうな女の子が、笑顔で接客したり、客引き看板を持ってる写真。私服だったり、露出の高いコスプレだったりしてる。
内観は綺麗そうでキャバクラみたい。
悪く言ってるけど、正直、楽しそう、だな。
いま営業中だ。
とりあえず1回だけ、電話してみるか。
「すみません。バ〇トル見ました。今って、アルバイト募集していますでしょうか。」
電話越しに、ガチャガチャわいわいした音が聞こえてくる。おっさんのデカい声がうるさい。電話の声聞こえない。ほんとにガールズバーなんだ。
「ありがとうございますー。してますよー。面接したいんですけどいつが大丈夫ですかあー?」
は?こんなテキトー?
声しか聞いてないけどわかる。いい歳した大人がこんな返事?まじ舐めてる。
「あ、ほんとですか!えっと、今週中に面接させて頂きたいのですが。」
「あ、大丈夫ですよー。いつがいいですかあ?」
「〇日とか、大丈夫ですか?」
「はい、全然。時間は?」
「12時って大丈夫ですか?」
「あ、いつでもー。じゃあ12時でお待ちしてますね。お名前だけ教えてもらっていいですかあ?」
「〇〇です」
「わかりましたー。では身分の分かるものだけ持ってきてください。はーい。」
面接が一瞬で決まった。
身分がわかるもの?それだけ?
てか電話、終始テキトーだったな。大丈夫なんか?
でも、銀行とか履歴書とかきかれなかったな。
私がバイトをだるいと思う第1関門を、突破してる。でもそれが逆に怖い。
面接当日になった。
よく知らない土地で、道が分からないかもしれないし、怪しいトコだったらバックれようと思ったから、
最寄り駅に1時間前に着くようにした。
地図をみても、ハッキリと場所がわからない。
徒歩1分って書いてあるのに、なんで?
30分迷って、「ガールズバー 〇〇」の看板を見つけた。写真と同じロゴ!
にしても怪しすぎ。よく見る風俗街感。無料案内所あるやん。
雑居ビルこわ。
いつもなら避ける場所。どうしよ。
行く?行かない?行きたくない。
でもせっかく見つけたし。
とりあえずTEL。
「すみません。面接予定している〇〇です。早く来てしまったのですが。」
「大丈夫ですよー!場所わかりますかあ?」
「あ、はい。近くまで来ました。」
「あ、よかったです!また分からないことあったら電話してください!お待ちしてます。」
意外と優しい対応。
こわいけど、踏み出そう。怪しい現場に。
なにかあったらあったで、ネタになるし。
命だけ守って、GO。