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だしまきたまご(何にもいらないよ、それだけでいい)
中学生の頃からだったと思う
だし巻きを巻くのが楽しかった。
母ではなく
祖母でもなく
私にたまごの巻き方を教えてくれたのは
祖父だった。
味付けよりも
何故だか巻くことが面白くて
何度も何度も
練習した。
そしてわたしの得意な料理の
ひとつとなった。
大好きな彼からの連絡
今日、家に来るらしい。
仕事も忙しく
正直めんどくさかった。
しんどいから、と言う
わたしの返事に彼は
〈何もいらない
冷麺(今度は美味しいといいな)
あなたと行ったのが1年と少し前
あれからあのお店へ行っていないな。
冷麺がスゴく美味しいお店で
毎回私は注文していた
なのに、あなたと行った時だけ
美味しくなかった
その味があなたとの未来を
教えてくれていたようだ
あの店で
美味しくない冷麺を食べて以来
あなたと会ってない。
あの店にも行ってない。
冷麺はきっと
美味しく食べれるだろう
だから余計に
足を運べずにいるんだ
アボカド(覚えてる?)
キミと遊びに出掛けた都会で
ランチを食べることになり、
二人で昼間っから
呑みまくり
食べまくり
楽しかったな。
そのときに注文した
アボカドのサラダが美味しくて
酔った勢いで
店員さんに作り方を聞いたっけ、
キミは覚えてる?
冷蔵庫の中に
程好く熟れたアボカド
あのときのサラダが甦る。
そしてキミのことも。
とん汁(キミが好きだから作ったよ)
久しぶりにキミとのごはん。
食べたいと言っていた
ヒカリモノのお刺身を用意する。
あとは何にしようかなーーー、
そうだ。
キミは昔からとん汁が好きだ。
そうだった
あーーー、
でも大根ないな、
里芋もさつま芋もないな
でも
こんにゃくはある。
人参と茄子もある。
もちろん豚肉もある。
あるもので、作ろう。
キミがとん汁の熱さに、
少し顔をしかめながら食べる横顔は
すぐ想像できる。
その顔見た