日々の雑記 vol.2
・2024年4月
川べりに沿ってずっと桜並木が続いている。花曇りの中、桜も心なしか寒そうに儚く白く揺れている。
道路の溝には桜の花が溜まり、車を走らせると花びらが舞い散る。
桜の花の見頃はいつもなぜか天気が悪い。
その中でわずかに青空が広がる時がある。その甘い水色の中で一斉に風に吹かれている桜の花は見る者の胸をざわざわとさせる。
車の中から見る桜はとても綺麗で、信号待ちのたびに見とれてしまう。
車の窓越しに、電車の窓越しに、テレビのニュース越しに、そして歩道で風で吹かれてくる桜の花を見るたびに、心が揺さぶられる。懲りずに毎度毎度、幾度も春は訪れるのに。
その期間はとても短く、見逃さないようにと焦ってしまう。そしていつも名残惜しむ間も与えずに花びらはどこかに散っていく。
手に入れたくてもただ眺めているだけで通り過ぎていく。甘くて淡くて美しい、ぼんやりとした幻影だけを残して。
・2024年5月
血圧を測る度に骨折した人はいないのかと思うけどこれが普通なのだろうか。病院に行き上腕をぎゅーっとされる度に痛さに眉をしかめる。
症状は良くなることもなく悪くなることもなく、ずっとこの体内に燻っている。病気はあくまでも自分の一部なのだ。自律神経という存在は私の体と心を守ろうと必死に闘っている。
外に出ると車が熱い。窓を開けると新緑の青い匂いが流れ込んでくる。湿気を含んだ、雨が降る前の青い懐かしい匂い。日差しは眩しく、夏の気配はすぐそこに迫ってきている。
何の前触れもなく発作は突然やってくる。動悸や恐怖、訳の分からない不安、冷や汗と共に訪れる。息が出来ない。うずくまる。汗だくでトイレへと駆け込むことも珍しくはない。
おそらく病気や苦しみや痛みや悩みは人それぞれ違って、詰まるところ、本人にしかわからないものだと思う。苦しみの中に存在する原因は、その人の背景が絡んでいる。すべてを理解することはできない。自分の苦しみを省みてもそれは痛いほどわかっているつもりだ。
もしこの先、私に大切な人が出来たとき、私はその人に何をしてあげられるんだろうと思う。
苦しみを分かち合うこと、理解すること、支援すること、いろいろ考える。
思考はぐるぐると回り、答えに辿り着くことはない。
正解はきっと、その人と切れた時、離れた時にやっとわかるのだろう。泣き出したいくらいの後悔と共に。
それでもその人のために何ができるかを考え続けようと思う。
それであの人が笑顔になるのなら、もうそれだけでいいのかもしれない。
どうか叶うなら
私の幸いをすべて、あの人にあげることができればいいのに。
点滴の等間隔に落ちる雫を見ながら、その人を想う。
よく懲りないなという自覚はある。
幾度も期待し傷つき
もうしないと誓いつつ
また誰かを好きになる。
だから恋は 春という表現がされるんだと思う。
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