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真夏の夜のミステリー

夏になるとふと思い出すエピソード。
友人と六本木の映画館にレイトショーを観に行ったときの90年代半ば頃の話です。

映画館は空いていたので2人とも隣りの席に各々バッグを置いて鑑賞。
見終わってからバーに飲みに行こうとなり映画の感想を言いながら歩いてる最中ずっと何かの匂いがしていましたが、夜の六本木の雑多な匂いかと思って特に口にすることなく歩いて店に着きました。

店に着いてもその何かの匂いが消えずむしろ強めになってきたのですが、何だろうね?って言いながらお酒を飲み始めました。
しばらくして友人がバッグを持ってトイレに行ったと思ったら大絶叫が。

なんと友人のバッグの中には多めの人糞がこんもり入っていて中の荷物は全滅。
当時は猫も杓子もハイブランド品をこぞって持っていた時代。
友人の持ち物ももれなく高級ブランド品ばかりでしたが、まんべんなく茶色くなっており廃棄一択。
財布の中身とポケベルのみを割り箸で何とか取り出して全てゴミ集積場に処分しました。
飲み直すという空気でもなくコンビニのビニール袋にお金とポケベル入れて友人は帰っていきました。
あの哀しい背中は忘れない。

しかし謎の多いこの事件。
上映中はスクリーンに見入ってたにしても一体どのタイミングでバッグを持って行きまた戻しに来たのか。
空いていたし気配は分かる気がするのです。
お金は取られておらずただう◯ちだけ入ってたこと、入ってた量が多くてどこでそれを入れたのかなど一般常識の範疇を超え思考もショートして考えるのをやめてしまいました。
1つだけ言えるのは「六本木はやっぱりコワイ」です。

その友人とはその後もこの話はタブーとして触れることもなく、そして一緒に映画館に行く事もなく時が流れ令和になりました。
一緒に何の作品を観たのかも、う○ちのインパクトにより忘れてしまいました。
あの頃今よりずっとたくさん映画館に行っていたのは彼女の影響だったけど、あれが原因で彼女は映画館嫌いになっちゃったかもしれないな。

私といえば、あれ以来劇場ではバッグはしっかり膝の上。
その後もうんこテロと呼ぶべき現場に再び遭遇する事もあり(映画館以外です)、東京は安全な街ではないと再確認したのでした。

という真夏の何のこっちゃなミステリー話。
みなさんも手荷物はお気を付けください。

くだらない話にお付き合いいただきありがとうございました。 

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