🎭ファントム日記🎭最終回

2024年1月25日 08:05

皆様、こんにちは！
気がついたらファントムの公演日から１ヵ月近くが経とうとしており、時の流れの速さに驚くと同時に、日記更新が大変遅くなり申し訳ない気持ちでいっぱいです、、、、、。
本番後は１ヵ月の休暇！！！！24時間睡眠！！！！というわけにはいかず、次なる公演に向けて動いているところですが、、！
今回は懐かしのファントム公演の思い出や裏話などを振り返ってみたいと思います！！！

自己紹介が遅れましたが今回の日記を担当させていただいているのは、ファントムで監督演出をしました、5期生のたまごんです🥚

5期生が執行代になっての初めての作品で、初期の頃はもうとんでもなくてんやわんやしていたのですが、5か月間カンパニーのみんなが本当に本当に全力で取り組んでくれて本当に支えられ幸せな5か月間を過ごすことができました。(締めの言葉みたいになってしまいましたが汗)
そんな大大大大大大大大好きなみんなと全力で作り上げたみーあキャット版ファントムのお話しなのでちょっとマニアック(！)で長くなると思いますが、よろしければぜひお付き合いください☺

写真は全て松田ミネタカ様に撮影していただきました。素敵なお写真をありがとうございました！

幕開き1番初め、エリック(ファントム)が登場するシーンです。本当に綺麗な写真すぎて惚れ惚れしますね。

エリックは生まれつきの醜い顔のせいで仮面をつけ地下に隠れ住んでいる青年。オペラ座の怪人としても知られるファントムを中心に据え人間としての内面に焦点を当てて描いた作品だからこそ、エリックという1人の人間の人生が本物であるように見えてほしい、というところからエリック像の模索は始まりました。絶望の中で生きる彼の心情や行動を理解し演じるということは本当に難しいことだったと思いますが、演じてくれた団員の白は私の中にある本物のエリックを体現してくれました。

パリの広場で歌っていたクリスティーヌが、偶然出会ったシャンドン伯爵(オペラ座のイケメンなパトロン)にオペラ座を紹介してもらう場面です。
この出会いは恋の始まりでもあり、実は悲劇の始まりでもあるという……。

ですがこのシーン自体はとっても楽しく明るいシーンです！！ちなみにパリ市民役はみーあキャットに入ればだれでも1回は経験できますというぐらいお話によく登場するので、団員の十八番です(ちなみに次公演も‥‥？)

私もみんなと一緒にリズムに乗って揺れる振り付けをやりたい！という念願を叶えようと、本番中は親子室(特等席！)で一緒に揺れてたら舞台から見えてたみたいです汗。

パリ・オペラ座の新シーズンが始まり、輝く舞台に立つことに胸躍らせる団員たち、それを支えるスタッフたち、舞台を心待ちにする観客たちのわくわくキラキラがたくさん詰まったナンバー「夜のために着替え」。

演じるみんなの舞台上での最高の笑顔と優雅な振り付けとこだわりの衣装がとても魅力的でした。一気にお客様をパリオペラ座の世界にお連れすることができたのではないかなと思います！！！！！

文化大臣に賄賂を渡してパリオペラ座の新支配人になったカルロッタとショレに、支配人職の解任を言い渡されるキャリエール😢のシーン。

カルロッタとショレは、キャリエールを解任したりクリスティーヌ(およびかわいい子)をいじめたりと悪役ポジションなのですが、実はオペラ座をのっとるまでに二人にはいろいろな過去があるのです、、！！詳しくは秘密🤫なのですが、このように演じる人物の過去を考えるなど役を作り込んでるからこそとっても深みのあるお芝居をすることができるんですね。みーあキャットの舞台はこんなところまでこだわり抜かれているんです✨

地下の闇の中で暮らすエリックにもただ一つの生きがいがありました。それは音楽です。生まれてきた理由を探し続けるエリックが世界のどこかにある天使の歌声を見つけ出したいと、力強く歌うナンバー「世界のどこに」。本当に素敵な照明で、曲の中でエリックに希望の光筋が差していく様子が表現できたのではないかと思います、、！私の演出要望を形にしてくださったホールの方に心から感謝を。

シャンドン伯爵に紹介をもらったクリスティーヌはオペラ座にやってきます。そこで出会ったのはシャンドン伯爵のことが大大大好きな団員たち。

クラスの一軍女子を目指して！！クリスティーヌとは対照の最大限にぶりっ子な女の子になって！！というように役作りしていっていたのですが、みんな本当に純粋でクリスティーヌみたいな性格の持ち主だったのでなかなか難しかったのです😂
でも、沢山練習を重ねて団結力抜群の嫌味な女の子たちになれてましたよね！お揃いの衣装もとっってもかわいかった。

新支配人となったカルロッタのもとへ新作オペラのプランを見てもらおうとオペラ座のスタッフたちがやってきます。

長い巻物(演出プラン)を広げたり畳を見せつけてきたり歌い出したりと、とんでもなく騒がしくて様子のおかしな団員たちが誕生してしまいました、、、。初めて練習した時から様子がおかしい度合いが完璧で、あらためて6期生の演技力とアドリブ力に感激した記憶があります。一人一人の役の作り込みが素晴らしく(笑)、最高に息の合ったシーンに仕上がっていたのでお客様にもお楽しみいただけたのではないでしょうか！！

スタッフが持ってきた新作オペラのプランをはねのけたカルロッタが歌う「This place is mine」。

曲の中でコロコロ変わるカルロッタの表情だったり真正面から飛んでくる声歌声の圧だったりにとにかく圧倒されっぱなしでしたね。この曲をきいたら頭から離れなくなるし、なぜかわからないけどすごく力が出ます笑
単にオペラ座すべてを支配したい！というだけではなく、ここ(オペラ座)まで上り詰めてきたカルロッタの信念が詰まった一曲なのです。

エリックが天使の歌声をもったクリスティーヌに出会う場面。遂に探していた夢に出会えたエリックとオペラ座でいつか歌うことを夢見るクリスティーヌのデュエットソング「Home」はファントムの代表楽曲です。

ゆったりとした穏やかな曲ではあるのですが、そこに秘められた二人の大きな夢とここから始まる二人の物語の幕開けとしての場面に相応しい壮大さを演出するために韓国版ファントムの演出を取り入れつつ、舞台を大きく使った曲中の移動が多くなっています。地下に住むエリックが地上のクリスティーヌを見上げていたり、クリスティーヌを見守るように立っていたりと曲の心情に合わせた舞台上での動きにこだわりました😎

オペラ座の新演目「カルメン」のリハーサル。アンサンブル全員がオペラ座の団員役ということで、団員が躍っている本格的なダンスに見えるようにしなければなりませんでした。当然踊りが得意な人ばかりではないのですが、全員の努力がすさまじく、振り付け師を中心に全員が一丸となって練習した結果、見ごたえのあるダンスシーンに仕上がったのではないかと思います！

リハーサル中に地下で行方不明になっていた男、ジョセフブケーが死体で地上に送りかえされてきました。これはファントムの仕業かもしれない、身近に怪人ファントムがいるかもしれないという得体の知れない恐怖に支配される団員を表現する楽曲が「ファントムのフーガ」です。

このシーンはとにかく照明をこだわりたいというお話をしていたのですが、写真を見てもらえばわかるように沢山の照明を使用し切り替えを多くしてもらい、迫力のある場面になりました。こだわりは「ah~ファントム！」が繰り返されるたびに一部の照明がびかびか⚡するところです(細かい)。個人的な感想すぎますがミュージカル好きとしては内容はともかくこういう迫力があるシーンってぐぐぐっと来ちゃうのでそれが演出できて嬉しかったです。

「You are music」。これは言葉では語れないので、歌詞と旋律をきいて全てを感じてほしい曲です。二人の歌声は心に虹をかける。見ている私の心にも虹がかかっていました。みなさまにもかかっていましたか？🌈
ここでファントムという物語を終わりにしたい、この幸せな瞬間で時を止めたい、何度もそう思いましたが、やはりこのあとの悲しい展開があってこそyou are musicの説得力が生まれるのです‥‥悲しい‥‥。

オペラ座の団員のたまり場となっているビストロで美声を披露したらどうかとエリックに言われ、緊張しながらもエリックとのレッスンの成果を発揮するクリスティーヌ。クリスティーヌ役のあなは本当に天使の歌声の持ち主で、いつも練習のときから思わず聞き惚れる美声を部屋に響かせてくれていました✨

こんなに歌も歌えて真っすぐで純粋な心の持ち主で、ってなかなかオペラ座にはいなさそうだしそりゃシャンドン伯爵もつい本気の恋をしてしまうよね‥‥ってなりますよね。
このシーンはガヤ（アンサンブルの演技）が多めだったのですが、どこでどんな空気感をつくるのか、どんな表情で歌をきくのか、どう移動して交流するのかなど難しい設定を完璧にこなしたアンサンブルによって支えられたシーンでもありました。一人一人の演技が細かいので、ぜひそういったところにも着目してみてもらえると面白いですよ☺

ビストロでのクリスティーヌのお披露目が大成功したお祝いに2人で夜のパリの街角を歩くクリスティーヌとシャンドン。今まで本気の恋をしたことがないシャンドンですが、クリスティーヌを本気で好きになってしまい、その恋心を打ち明ける、という場面です。

写真を見てもらえればおわかりいただけると思うのですが完全にプリンスとプリンセスです、よね♡！
全力でロマンチックなシーンにしたいということで、2人のほかにも何組かパリの夜を楽しむカップルが登場するのですがそこもぜひ注目していただきたいところでした。当初の予定にはなかったのですが星も降りまして(！)、とってもとっても素敵なシーンになっていましたね🌟

エリックがクリスティーヌの初舞台が始まるお祝いにと用意した一輪の薔薇ですが、それを渡すことは叶わず、その一方シャンドンはクリスティーヌに豪華な花束を渡します。自分には手に入らない幸せを知り悲しみに暮れるエリック、初めて恋に落ち世界が輝いているシャンドン、夢見たオペラ座で歌えることを喜ぶクリスティーヌが歌う三重唱。クリスティーヌとシャンドンの幸せオーラがエリックの悲しみを際立たせられるように、と入れた場面です。

このあと、エリックは誰もいないクリスティーヌの楽屋に用意した薔薇をそっと置いて帰ります。楽屋に戻ってきたクリスティーヌはその薔薇を見つけてエリックからのものだと確信し大切にシャンドンからもらったお花の中に生けるんですね‥‥。クリスティーヌのエリックとシャンドンへの気持ちって‥‥。
シーンの切り際(次のシーンに行く直前)ってシーンの余韻を残したり接続をスムーズにしたりするという点でとても大事なことだと思っていてファントムではこだわっていたのですが、この場面は特にお気に入りです。

ちょこちょこあらわれる、言ってはいけない言葉を連発するショレとプチ切れカルロッタの寸劇

クリスティーヌの初舞台「タイタニア」が幕を開けます。でもクリスティーヌはカルロッタの毒薬のせいで声が出なくなり舞台は急遽中止になるという大騒ぎに。

催眠ガスはドライアイスマシンを使用しているのですが、ここまでしっかりドライアイスを使ったのはみーあキャットの公演で初かもしれません。どのぐらいの濃さを出せるかなと思っていたのですが想像以上にしっかり催眠ガス(！)に見えてました！！
最後、元支配人でエリックの実の父キャリエールが、エリックの行動をやめさせようと叫ぶところがいいんですよね。この段階ではキャリエールがエリックの父親であることは明かされていませんが、ただの支配人と地下に住む怪人、という関係ではないことが少しずつ伝わっていけばいいなと思っておりました。

ここまで長々とお付き合いくださり誠にありがとうございます。
ですが、実はここまでで1幕ですので笑、まだ興味を持っていただけているかたはもう少しお付き合いください、、、！！！！この作品は2幕が真骨頂なのです！！！！！(マニアック度が増すのでお気を付けください)

それでは2幕！

クリスティーヌを地下へと連れ去ったエリックと、エリックの身を案ずるキャリエールが口論になる場面。エリックがたった一つの生きがいを守りたい気持ちも、キャリエールがたった一人の大切な息子を守りたい気持ちも、どちらも切実でもどかしい。本当はお互いがお互いの気持ちを理解し合えているはずだからこそ余計に辛いですよね。

目覚めたクリスティーヌにキャリエールがエリックの生い立ちを話す、「エリックの物語」の場面。

キャリエールにはエリックの気持ちがとてもよくわかっているんだ、という話を役作りの時にしたことがあります。キャリエール自身が恋をし、それによって苦しんでいる(あるいは苦しんでいた)からです。クリスティーヌにエリックがクリスティーヌに恋をしているのがわかるとはっきり告げるのも、エリックの苦しみから目をそむけたくなる気持ちも、キャリエールにはエリックの苦しみがよくわかるからなのではないかなと思います。だから「エリックの物語」は「キャリエールの物語」でもある。そんな視点でこの場面をつくりました。

ベラドーヴァという役をつくるかどうかというのは迷った点でした。梅田芸術劇場で上演されているファントムではクリスティーヌがベラドーヴァ役を演じています。ただ「キャリエールの物語」を描くうえで、キャリエールが愛した女性という存在を強く描く必要性があると感じた結果、ベラドーヴァをクリスティーヌと同一人物が演じるということにはなりませんでした。結果的にエリックにとっても母親、という何にも代えられない明確な存在をつくることになったのではないかと思います。

エリックの物語は約11分にも及ぶとても長い場面でした。その中でエリックやキャリエールの心情、このファントムという作品が始まったきっかけなどとても大事なことを沢山詰め込まなくてはなりません。その分他のシーンの何倍も台詞に悩み演出に悩んだシーンだったと思います。

その頃、クリスティーヌに毒を飲ませたカルロッタをオペラ座から追い出すことを決意したエリックは地上に向かいます。
エリックはカルロッタを願わくば殺さずに済むことを望んでいたはずです。ただカルロッタにはカルロッタの矜持があった。エリックがクリスティーヌが歌うことを夢見ていたオペラ座は、カルロッタにとっても夢を見るための場所だった。カルロッタによって夢を打ち砕かれたエリックは一思いにカルロッタを殺害しカルロッタの夢を叶わぬものにします。

ブケーを死なせてしまったあとはあんなに動揺していたのに、カルロッタ殺害後のエリックはクリスティーヌと笑顔でピクニックをしています。こういうところにエリックの歪な愛や執念がうかがえますよね。それだけではなく心の底からこの愛のためだけに生きている、言い方を変えるとこの愛に縋って生きている、そんなエリックの脆さを感じることもあります。

エリックはクリスティーヌに仮面を外した顔を見せてほしいと頼まれ、彼女の誠の愛を信じて顔を見せるのですが、その瞬間逃げられてしまいます。

声にならない声をあげながら絶望と悲しみのあまりクリスティーヌをもてなすために用意した楽園を壊すエリックは、その中で自分の仮面をつけていない姿を鏡で見てしまう、この瞬間のエリックの心情を理解し演出するのはとても難しいところでした。

エリックの様子を見てかけつける黒いマントの人物たち、彼らは従者と呼ばれ地下のシーンでたびたび登場しています。従者をどう描くかというのもまた大きな課題でした。概念のダンサーに見えてしまうところをどうにかして、エリックと同じ境遇の地下に住む住人という役割を与えたかった。従者はエリックよりも能力を持たず生きる希望も持たぬ人間のためエリックを救うことはできません。しかしエリックの気持ちを理解し共感する存在なのです。そんな従者の手を振り払い、エリックは真っ暗な孤独におちてきます。

その頃カルロッタが部屋で死んでいるのが見つかり、ファントムへの恐怖と怒りに包まれるオペラ座。「ファントムのフーガ」が見たことのない怪人への恐れを表現しているのとは異なり「ファントムのフーガR(リプライズ)」では目に見えた醜い人間ファントムへの悲鳴や恐れを表現しています。ファントムのフーガでファントムを形容する言葉は「不気味な黒い影」「闇に潜む怪人」ですがファントムのフーガRは「猟奇的殺人鬼」「けだもの」「醜い悪魔」なんですね、、。楽曲はフーガが宝塚版、フーガRが梅田芸術劇場版のものを使っているんですがそもそも本家にはフーガRというシーンがないので、自然な流れで組みこむことに苦労した記憶があります。
ここからルドゥ警部を含めた警官が指揮を執ってファントムを探し出そうとしているのですが、警官みんな警官服がとてもよく似合っていてリアルなシーンになりました。

団員を避難させた後、エリックに事情をきくため地下へと戻るキャリエール。その頃エリックはクリスティーヌを追って地上へ戻ったところで、鉢合わせた警官に撃たれ被弾し地下へと逃げます。

フーガRからの撃たれるシーン(紗幕裏でキャリエールが地下に戻る)からの地下のシーンという流れは時間的にも音源的にも非常に大変なことをさせてしまったところではあったのですが、それでも色々試行錯誤したのはどうしてもyou are my own(キャリエールがエリックに自分が父親だと打ち明けるシーン)を地下でやりたかったということに尽きます笑。

エリックとキャリエールが今まで打ち明けることができなかったお互いの本心を打ち明けるこの場面は二人が何か一つの壁を超えるようなものであるような気がしているんですね。それはきっと「そんなに悪くなかったよ。僕がこの世に生を受けたこと。考え直してみたんだ。僕には音楽があった」がきっかけだったのではないかな、と思ったり思わなかったり。今まで二人が幾度となく会話を交わしてきた何一つ変わらない地下で、ようやく素直に真っすぐにお互いと向き合えるようになる。それもこの後すぐにエリックが死ぬことを考えればほんの一瞬の出来事なのですが、でもそのたった一瞬でも永遠の親子の絆になれるんです、、、。なんだかよくわからない解釈を並べ立ててしまっていますが、あくまで一解釈と思っていただけると助かります！笑

音楽が人生に救いをくれたのはエリックとキャリエールともに共通することなのです。このフレーズをデュエットするって熱すぎますよね、、、、、。

曲中にエリックが僕の顔を見てどう思った、って聞くところがあるのですが、それにキャリエールは「もう少しましだったらなあ」って答えるんです。本音で話せるようになったことを言いたい会話なのかなと思っていたときもあったのですが、色々考えてやっぱりキャリエールは醜い息子を醜いと認めたまま愛したんじゃないかなと思います。それがエリックに伝わっているかどうかはわからないけれど。この感情はきっとベラドーヴァにはないものだったんじゃないでしょうか。苦しみながらも息子を大事に思い育ててきたからこそキャリエールの中に芽生えた感情なのかなと思います。醜いものを醜いと感じずに愛せるベラドーヴァと醜いものを醜いまま愛せるキャリエール。どちらも本当の愛であるような気もするしそうでないような気もするしじゃあクリスティーヌの愛はどうなんだろう、エリックはどの愛を望んでいるのだろう。こうなってくるとあまりにも想像の域になりますが、そんなことを考えながらファントムという作品を楽しんでもらえるとより奥の深さを堪能できるのではないかなと思います。
(挨拶で話そうかなと思わないこともなかったのですがあまりにもマニアックなのでここで🙇)

警官に追い詰められ逃げ場を失ったエリックはキャリエールに自分を救う(撃つ)ように叫びます。エリックは苦しみから解き放たれ、息子を銃で撃ったあとのキャリエールはまたその死の苦しみによって苦しむんですね。どこをどう拾っても悲しい物語ですが、エリックは最後の最後に救いを得るんだなと思います。誰からも愛されない孤独に生きるエリックが様々な愛によって救われ、愛があることを教えてくれた母親のもとへと飛んでいくんですね。ベラドーヴァがいなければエリックは愛というものがあって求めるということができるということを知らなかったわけで、それはつまりクリスティーヌやキャリエールの愛を知ることもできなかったということになるんじゃないでしょうか。

色々と考えさせられる話ですね。演出をやり終えてもなお、この物語の奥深さに心を掻き乱される日々です笑。

さて、ここまでみーあキャット版をダイジェストのような感じで振り返ってみました。なんと10000字弱！！
大変長々と書いてしまったにもかかわらず、ここまで読んでくださいました皆様、誠にありがとうございました🙇
もうファントムに思い残すことはないですね。本当にやり切りました。

演出をやるにあたって、常々ミュージカルとはどんな良さがあるのだろう、何が魅力なんだろう、どういうミュージカルが人の心をうつのだろう、などと考えるのですが、そんなものは人による、というのが今のところの結論です笑
ですので、このファントムという作品も見てくださった皆様の心にさまざまな残り方をしたと思いますが、面白かったかもしれないとか、このシーンは評価に値するとか、ちょっとだけ切なかったとか、1℃だけ心が温まったとか、あの団員の笑顔が良かったとか、そんな些細なことでも十分なので、皆様の心に少しでもいい思い出が増えていることを願っています。

最後に、
第11回公演『ファントム』を実施するにあたり、ホールのスタッフの方々、先輩方、関わってくださった皆様、見に来てくださった皆様、団員のみんなには本当にお世話になりました。心から感謝申し上げます。

ここまで読んでくださり本当にありがとうございます！
また次回公演の日記もお楽しみに～～～～👋

〜公演情報～

3期生卒業公演
💃『クレイジー・フォー・ユー』💃
2024年2月24日(土)
@たかいし市民文化会館(アプラホール) 小ホール

6期生新人公演
❄️『アナと雪の女王』❄️
2024年5月26日(日)
@池田市民文化会館アゼリアホール小ホール

第12回公演
🇫🇷『1789-バスティーユの恋人たち-』🇫🇷
2024年7月14日(日)
@なるお文化ホール

3公演ともに完全予約制・無料

ライター紹介
あだ名：たまごん
役割：監督演出
一言：1789の演出も頑張ります

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