三人でコラボカフェに行く話 3
ということで、コラボカフェを楽しみ帰路に就く。
「これ、夜中動き出したりせんやろな……」
手に持った黒い手のチョロQを睨む。シダラがにっこり。
「動くかもしれないね」
「あげるわ」
「そういわずに」
シダラとチョロQの押し付け合いをしていると、サガラが冷静にいう。
「大丈夫、動かないよ。動いたら今頃カフェに行った人みんな阿鼻叫喚だよ」
確かにその通り。Twitterで大騒ぎになるやろな。
「さて、この後どうする? あそびごやに――」
「二度と行きません」
シダラの声を遮ると、ぶーぶー、と不平不満を漏らし始めるからうるさい。
「今度は命がけじゃないゲームにするって」
「ホンマか?」
「うん!」
あまりにも元気で無邪気ぶった返事に嫌な予感MAX。
「何するつもりですか、シダラさん」
「そうだね。次賭けるのは佳代ちゃんの――」
「お兄ちゃんアウトー」
サガラの声でシダラの言葉がかき消される。
「私の、なんや?」
「聞かなくていいよ、佳代さん」
サガラが悟ったような笑みを浮かべる。
聞かへん方がええんやな。分かった。察した。ありがとう、サガラ。
「全く。冗談なのに」
シダラがにこりと笑い、声をワントーン落とす。
「半分は」
「お兄ちゃん、アウトー。三つ貯まると、佳代さんと接触禁止です」
「それは困るなあ」
シダラがしょぼんとした顔を作る。こいつ、作っとる。やっぱり、ちょっと可愛いのが腹立つ。
「でもまあ、まだ遊び足りないのは本当」
「確かにそれはそうやな。うちでゲームでもする?」
「マリオカートしたい!」
サガラ、ナイス提案。
この後、ヨッシー使いの私と、クッパ使いのシダラと、ルイージ使いのサガラで、壮絶な戦いが繰り広げられるが、それはまた、別の話。
終わり
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