【牧乃ちゃんの企画】イカします!

「私は太った」

くコ:彡 くコ:彡 くコ:彡💦ピューン

凛々子ほ頬杖をついていた。

昼下がりの西麻布のお好み焼き屋。

目の前で額にほんのりと汗を滲ませながら、お好み焼きと格闘している彼は最近付き合い出したIT会社の社長だ。

ソースの匂いが立ち込めた湯気越しに彼を見ていると、これから訪れる深い夜のことを考えてしまう。

2本のヘラでお好み焼きをザクザクと切り裂いていく、うっすら血管の浮いた手と腕を見ていると、想像が止まらなくなる。

暖簾をくぐって外に出ると、まだ日差しが高い。

『これから、会社に戻って会議に出なきゃいけないから、部屋で待ってて』

家の鍵を渡される。

「うん。ちょっと買い物してから向かうね」

とだけ言った。

彼の車を見送って、駅に向かいながら、ひたすら考えた。

今から通っているジムで汗を流しても間に合わない。反って疲労感が出てしまい逆効果。
でも、少しでも何とかしたい...。

あ、篤(あつし)のところに行こ!
くるっと方向を変えて凛々子は歩き出した。

篤とは同じ大学の同級生。
学生時代の凛々子の元カレでもある。
会うのは半年ぶり。

篤は人に従事する仕事がしたいと言って整体師の仕事に就いた。
時々、身体を整えてもらったりしている。
凛々子の身体のことは隅々まで知り尽くしている。

院の扉を開けると、篤の視線がこちらに向けられた瞬間、蛍光灯に反射した篤のメガネが光った。

『久しぶり。どうしたの?』

「ちょっと整えて欲しくて...」

背中に篤の体温と肩に触れた繊細な手のぬくもりを感じる。

何かを確かめるように肩から背中に指を這わせていく。

腰のくびれ辺りで一瞬指が止まった。

『最近、ウォーキングしてないでしょ』

気付かれた!

振り向かずに意識だけ向けて言った。

「わかるの?」

『わかるよ、凛々子の身体は全部。...あと、酒も飲み過ぎだよ。』

篤には何でもお見通しだ。

おしまい。

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牧乃ちゃんの企画に乗っかってみました!
久しぶりにこーいうの書いたなぁ。
やっぱ、素人のわたしには難しいなぁ...
でも、楽しかった。

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ご興味ある方は是非!

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