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答えはひとつじゃない。山に登る理由だって

三股からの常念岳コースには、
果たしたい夢がある。

それは
三股の分岐から、
『堀金村』と書いてある柱の間の急登の抜け方だ。
ちなみに地図のコースタイムは3時間30分。

1350mから『堀金村』柱のある2200mの間

この間は、
よく整備された登山道で迷うなどの危険はない。
景色は同じような樹林帯で 
アキレス腱が常に引っ張られるような斜度や 
道のつづら折りの繰り返しも
同じような道が
標高差900m  延々と続く。
いつもここで集中力が途絶え ぐだぐだの登りになってしまっていたのだ。
ぐだぐだになる原因を考えてみた。

『脳の悲鳴』を聞き過ぎていたことにあるとみた。
疲れ
痛み
空腹
キチンと対応したにも関わらず感じるこの三点は、身体を止めさせたい脳の悲鳴なのだと分析している。

いつぞやの合戦尾根で、この三点でフラフラになりつつも(きちんと対応したあとだったので)構わず歩き続けていたら、
ふーっと身体が軽く、
痛みや違和感も無くなり
空腹さえも消えて、
歩くことに専念出来た…という体験をした。
これは人間の側からみた登山のゾーンに入れたという状態だと感じた。
これはなかなかの醍醐味だった。
多分 長距離を行ける人って体力ももちろんだが、脳が大暴れしないんだ。
以降、『脳のコントロール』が私の課題となっている。

私はアスリート経験は無いが、故障も怪我もしたことがなかった。
それが2年前の下山中に 左膝が『コキッ』と鳴って(骨伝導でなく耳で聞こえた!)だましだまし登山口まで5km下った翌日、左膝がパンパンに膨張してしまった。
コロナの自粛が厳しくなってきた頃で、頼りの丸福整骨院の予約も取りにくく 仕方なく即日受診出来た整形外科では、注射で水を抜いたあとは筋肉を柔らかくする薬と鎮痛剤の処方のみだし、
痛いからと安静にしていると 余計に痛みに敏感になってきたりして、
(そういや70代後半の人が 膝が痛くなったら何にも出来なくなるよ〜って言ってたなぁ)と諦めつつも同時に、すがるようにネット検索でヨガに行き着いた。

ヨガで気づかせてもらったのは
呼吸
背骨
姿勢保持


予約の取りにくかった丸福整骨院で、
施術を受けていた中での ほんの雑談で気づいたのが
膝は構造的に 前後には強い。
ただ、五味さんの屈伸は内傾しているので無理をかけ続けていた
という指摘だった。これは無意識のくせで、姿勢保持筋が弱いゆえに疲れてきたり 集中が切れて歩きが雑になってくるとさらに顕著に現れてくる。
本人が気づいてなかった分 本当にありがたい指摘で、今でも『一歩入魂』の心がけにしている。内傾すると、膝は消耗していくのだ。

スキーの二級検定はそのうち受けよう…と思っていたところが、
あれよあれよと2月に受けることになった。
で、それは落ちたのだが💦(苦笑)
落ちてはじめて何が足りないのか?等々繰り返し練習したり上級者の御指南を受けたりYouTube見たりするうちに、私の課題・あぶり出された事が
足首
骨盤
腹筋ゆるゆる
であった。

同じボーゲンスタンスをしても、私は単に足を広げているだけ(笑)だから引力に抗えず後傾。
それに対して 筋で、重心位置の調整など入ってくるとお尻キュ!お腹キュ!ってなるのだ。

なぜ膝故障やスキーの話になったか。
まず 人は段階を踏まないとステップを上がれない ということと、
順調に物事が進んでいる時には気づかない事が、アクシデントや失敗で見えてくる。
ということに気づいたからだ。
それとともに、優劣・勝ち負けではなく、
また生きてきた道が絶妙に絡み合っての今の私であり、
多分私の気づきも 他の人には(へ?)ってことかもしれないけど、
私も(へ?)って思う人と同じ土俵に乗ってないということでもある。

まずは三股コースを行けるだけの筋力(ただしヘロヘロ)がつき、
そこから質を上げていく、
それには体調管理やギアの充実、補給のタイミング、補給をする上での人体のホメオスタシス・メカニズムの理解、そんなこんなが出来るようになっての 脳のコントロールに気づいたのではないだろうか。
そういえばTJARの土井選手も、脳の制御について書いてあったな。


さて、
前線と発生したての台風にはさまれて連日雨予報だったのが、ショートステイで確保した日がポッカリと曇り予報だった。
これはチャレンジしたい!
この夏、一日しかなかったらどこを登りたいかずっとぐるぐる考えていたのが、未知の山域・山よりも、地元のいつも見ている山の稜線、常念岳への気持ちが募っていたところだ。
そして常念岳といったら
三股コース堀金村柱までのコースタイムを3時間以内で行きたい。

そして当日。

堀金道の駅から
常念岳ピークが見えている!よっしゃー


薄陽が差していたものの風が強い。
ハシゴを越えて岩場に出たところで雲の中となり、大粒の雨が落ちてきた。

雨雲が切れることもあった


急いでレインウエアを着て先を進んだけれども先行していた人がことごとく引き返してきた。話をすると、上に行くほど風も雨もひどかったらしい。

常念岳ピストンの予定を
前常念の
YUKARIケルンまでなんとか…
と下方修正したものの、
あと60mくらいのところで
下山することにした。

下に行くほど晴れていて、
安曇野の街が見えた


その判断理由は荒天もあるが、
温泉♨️のあったかさと(何食べようかな〜)の、
下山に意識が向いてしまったからだ(笑)
脳に負けた。。

ほりでーゆーの向こうに
雨雲のなくなった常念岳
だけど雲の動きが早く風は強そうだ


でもでも!
目標は達成して
三股〜堀金村柱間を2時間30分で歩けた。それも雑念も湧かず歩きに集中した静謐な心持ちで快適に歩き通せたのだ。

気持ち良い登りだった〜
また行こう!

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