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マイペースでいこう

焦ったり、羨んだり、不安な気持ちを丸ごと受け入れて、自分のペースを守る事はとても大切だと思う。

心がザワザワした時は、深呼吸をして、空を見上げる。

今日も変わらない青空。たくさんの飛行機。椰子の木を揺らす暖かい風。

マイアミに来てすぐの頃は強い日差しと朝から容赦なく輝く青空を見ているだけで疲れていた。
元気を無理矢理押し付けられているように感じて。
もちろん旅の疲れや、それまでの準備やあれこれで精神的にも疲れが溜まっていたから余計にそう思ってしまったんだろうけど…。
とにかく眩しさに目が眩んで、クラクラと疲れを感じてしまっていたのだ。

それが一年も経つと、その青空から元気をもらい、時折吹く風に居心地の良さを覚え、太陽がギラギラ輝く様子に力をもらっていたりする。

気候が一定なのは、心と体のバランスを取るのにとてもいい。ストレスがない。

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「学校嫌だー」と毎週月曜日に泣きべそをかいていた子供達も、今では「嫌だけど行くか。」と自分から準備を始めるようになった。

もうすぐ12歳の男の子2人。幼さの残る多感な心にどれだけの我慢をさせてしまったんだろう。
『もっと小さい頃だったなら、校庭で遊びまわるだけで友達を作る事ができたかもしれない。英語を話すことに躊躇も恥ずかしさもなく、慣れていけたのかもしれない。』
タラレバの話をしても仕方ないのだけれど、どうしてもそんなふうに考えてしまう時もある。

体も大きくなってきた2人を、宥めて、着替えさせ、旦那と2人でなんとか車に押し込んで、学校まで送り届けた日々。朝が終わるだけでどっと疲れて、いつ学校から何か連絡があるんじゃないかとヒヤヒヤと携帯ばかり気にしてしまう日々。

学校のエントランスまで手を握って離さず、ほんの一握りの勇気を振り絞るように校内に入って行く2人を、祈るような気持ちで見送っていた。

学校から帰れば、抱きしめて、頭を撫で、1日を終えた2人を褒め称える。学校で少しでもコミュニケーションが取れた話を聞けば、大袈裟なほど喜んで見せた。

英語が話せるようになるとか、勉強ができるようになるとか、それ以前の問題で、学校に行っていればいい。それだけで十分偉いと何度も何度も話して聞かせた。

慣れないこの環境で、小さくても楽しみを見つけて、言葉の分からない中に入って行くのにどれだけの勇気がいることか。

私は2人を誇りに思う。

アメリカにいる間に、たくさんの人に会って、いろんな景色を見て、心の引き出しをたくさん持ってる人になって欲しい。

どんな環境にも順応できる、いろんな側面から物事を見れる、カラフルな人に。

駐在という限られた期間だからこそ、自分のペースを守ることはとても大事だ。私も子供達も。

他の日本人と比べて「うちの子は〜」「私なんて〜」と思い悩んだり、足並みを揃えようと考えてしまう事もある。
でも、一歩立ち止まって、空を見上げて、子供達の顔を見て、今大切なことを改めて見直してみる。

『がんばっているじゃないか。
今日も笑って終えられた。
明日もなんとか過ごしてみよう。』


自分達のペースを知る事、自分のペースで歩く事、それはとても大切で、そしてそれは、時としてとても難しい。

だからこそ、胸に刻もう。

人生には無駄なことなんてきっとないから、成るようになると、マイペースで子供達も私も笑顔でいられる今を、少しでも長く楽しもう。

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