ビールの味
21歳のとき、わたしは劇団の研究所に入り、数ヶ月後には初舞台を踏み、そのまま有り難いことに毎日舞台に立たせてもらっていた。まだ大学4回生。大学には籍を置きつつ、名古屋で卒論の準備をしながら舞台に立つ。
同級生たちより一足はやく”就職先”が決まったわたし。夢を叶えた喜びと、友だちのバイト三昧や、ゼミ旅行、卒業旅行、免許をとったり…文系大学生の4回生らしい日々を羨ましく思いながら、必死に毎日をこなしていた。
1番ラッキーだったのは、そのとき生涯の親友となる同期と一緒に出演していたこと。彼女もわたしと同じくらいお酒が好きで、休演日前の日曜の夜はまずお店で飲んでそのあとは家飲み。玄関には、飲んだ缶ビールの空き缶を並べてたっけ。
大阪で大学生をやってたときは、ビールが美味しいと思ったことはなかったなぁ。先輩の「とりあえずビールで」に合わせてはいたけど、本当はカシスオレンジとかカルアミルクとかが好きだった(今は一切飲まない!)
大阪を離れ舞台の仕事が始まり、いわゆる社会人になってからは、家に帰って自分のための晩ごはんを作りながら飲む発泡酒とか、週末に飲む280円の生ビールが涙が出るほどおいしかった!楽しくなんのストレスもないモラトリアム大学生時代にはビールのおいしさを感じられなかったみたい。ビールで幸せをかみしめられるのは、働く大人の特権?!
今だってそう。働いて汗をかいて、帰って缶ビールをプシュとした瞬間、
あぁ今日も無事に終わったんだ
って安心して、1日をちゃんと終わることができる。大事な儀式のようなものかも。
だから私にとっては
「とりあえずのビール」ではなく、
「ビールお願いします!!」
って感じ。じゃないと私の1日はずっと続いてしまう!
そしていまも、ビール飲みながらいい気分で書いております。休肝日も作らなきゃねぇ。そろそろいい歳だし