耳が聞こえない自分が「LIVE」を楽しめるようになるまで
今週は「LIVE」をテーマにして、書いてみるよ。
「LIVE」というと、音楽やお笑い、ミュージカル等、色々あるけど、
今回は「音楽」について、ふれたい。
よくフェスティバルとかストリートライブとか色々な場面で
「LIVE」が行われているよね。
Facebookを見ても、「たのしかった!」「最高!」といったような感想が
書いてあるのをちらほら見掛ける。
うん、「LIVE」って楽しそう。
今、このブログを読んでいただいている方の中には、
疑問を抱く方もいるだろう。
耳が聞こえない人って、そもそも「LIVE」を楽しめるの?
その答えは、人によって違う。
じゃあ、私はどうか?
その「答え」は「NO」である。
でも「●●」があれば、「YES」である。
今回はその話をしたいと思う。
私は「高橋優」が好き。
今から4年〜5年前。大学4年生の時だったかな。
私はたまたまテレビを見て、「高橋優」の「福笑い」の存在を知り、
you tube で「福笑い」のMVを見て、好きになってしまった。
他にも色々な曲を聞いて、どれも素敵な曲であり、
「高橋優」の人間性に魅力を感じた。
そこで、たまたま12月に「LIVE」が行われるという情報を取得し、
私は、目の前にいる「高橋優」が「歌っている」姿をみてみたいという想いがあり、友達を誘って、いくことになった。
会場は「中野サンプラザ」で、席は2階席だった。
その日のために、私は高橋優の曲を何度も聞いて、歌詞と曲を覚えた。
とうとう「高橋優」がステージに上がり、
大きな拍手と歓声がわあっと聞こえる。その圧力がはんぱなかった。
そして「高橋優」が歌い始めた。
周りの人はわあっと騒ぎ出す、そして歌い始める。
そんな中で、私はキョトンとしてしまった…
あれ?今、何を歌っているんだろう?
と、真剣に目の前に歌っている「高橋優」の声に集中する。
でも、それでも分からなかった。
周囲の人々は「高橋優」と共に楽しそうに「歌っている」
そんな中、私は孤立感を感じてしまった。
こんな感じで、「LIVE」が終わってしまった。
帰り道に友達と話していると、「あの曲歌ってたよねー」とか「あの曲感動した、よかったよね」とか聞くと、「あ、あの曲歌ってたんだな…ああ、好きな曲なんだよ…聞きたかったなあ」とか「あの曲って結局どんな歌だったんだろう」と思いながら、友達とLIVEについて、共感できない辛さを味わってしまった。
その時、私にとって「LIVE」は
目の前にいる大好きな歌手と共に、一緒になれない辛さを
ただただ味わうだけだったよ。
そんな苦しい経験があった。
時間は経っていき、そして私は3年目の社会人になった。
今でも「高橋優」のことは好きだが、「LIVE」には行っていない。
会社の同期が「高橋優」が好きで、私を12月に行われる「高橋優」の
「LIVE」に誘ってくれた。
その時、過去苦しい経験を味わったから、正直行くかどうか迷ったが、せっかくの機会だったので、行くという選択肢をとった。
それで、もし同じような経験をしてしまったら、次は行かないようにすれば、いいと思っていた。
その時の「高橋優」はあの時と比べ、有名になっていった。
あの時「中野サンプラザ」だった会場は、
今度いく会場は「武道館」だった。
そして「LIVE」の当日になり、「武道館」という会場へ入った。
その時の私は、緊張感が高まるとともに、「LIVE」を楽しめるかどうか、不安な気持ちが高まっていった。
そして、「高橋優」が「ステージ」に上がった。
同時に、あの時と同様に皆の歓声と拍手がわあっと盛り上がる。
そして歌い始めた。
胸に衝撃が走ったのは、その時だった。
大きな画面にリアルタイムに「歌詞」が表示されていた。
これがあれば、耳が聞こえない私でも
今何を歌っているのか、分かるようになる。
その時、私は涙が出るほど、嬉しかった。
私は、初めて味わった。
目の前にいる「高橋優」と共に「歌える」喜び。
「大好きな曲」をその場で「高橋優」に「歌ってもらえる」嬉しさ。
周囲の人々と共に「一体感」になれる楽しさ。
帰りに友達と「LIVE」について「共有」できる幸せ。
そして、人生で初めて「LIVE」ってこんなに素敵で楽しいものなんだ
ということが分かった。
中野サンプラザで味わった、「高橋優」と共に「歌えない」孤立感や辛さは既に消えていた。
必死に歌詞や音楽を事前に覚えなくても分かり、楽になった。
今回「LIVE」は、たまたま画面に「歌詞」がついていただけかもしれない。
運営側の人々にとって「小さなこと」をするくらいの程度かもしれない。
でも耳が聞こえない私にとって、
「歌詞」がリアルタイムで表示されていることは、とても大きなことだよと。
「LIVE」を楽しめるようにするためには、必要なことだよと。
当たり前に、「LIVE」に歌詞がリアルタイムで表示されるようになったら、
耳が聞こえない私にとって
「どのアーティストのLIVEにいこうかな〜♩」という選択肢が
出来るよ。これもまた人生において、大きなことだよ。
もし読んでいただいている方で
「LIVE」に関わっている方がいたら、是非ご検討いただけたら、嬉しい。
そして最後に。
障害は「人」にあるのではなく、
「社会側」にある。
その障害をどんどんなくしていき、
皆、HAPPYになれたらいいね。
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「高橋優」をはじめ、「LIVE」を運営されていた方々へ。
「LIVE」の楽しさを教えてくれて「ありがとう」
私を誘ってくれた同期へ。
あの時誘われなかったら、きっと私は「LIVE」の楽しさを味わうことができないまま、一生を過ごしていたところだったよ。「ありがとう」
中野サンプラザで一緒にいった友達へ。
あの時、実は分かっていなかったんだ。嘘ついてごめんね。
もしこのblogを読んで、びっくりさせてしまったらごめんね。
でも一緒に行ってくれたおかげで、
今回のLIVEにつなげることができたよ。「ありがとう」
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