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原点of原点。
「私とは?」と考えた時にたどり着くのは、
陸上ではない。
今の私を作っている80%は中学時代に所属していたソフトボール部での経験が大きい。
ソフトボールは中学校入学と同時に始めた。
2年では1番セカンド、
3年では1番ショート、
そしてキャプテンを務めて
チームの主軸と機動力の選手になった。
ここまでなら普通。
しかしこのチームの監督こそ鬼だった。
独学でソフトボールを勉強し、全中準優勝までチームを率いてのし上がった経歴の持ち主。
試合中ふと、
「ライト!お前の前に落ちるぞ。そんな(守備が)深くていいのか?!」
と言った直後の打球がライトの選手の前にフラフラっと上がって落ちた。
予知?、、、呼吸を忘れたかと思うようなその時の状況を今でも覚えている。
そして当時何があったか挙げるとキリがない。
まず、褒められた事がない。
それは当たり前として、
パッと思い出せる監督の鬼の所業をいくつかご紹介。
①セカンドは体に当てて前に落とせば間に合う事件。
2年セカンド時、
イレギュラーや取り損ないがあるとグローブを外され後ろに両手を掴まれ10m程度の距離からノッカーがノック。地面に押さえつけられボールを体に当てて前に落とす練習。
②軸足のかかとはきっちり返せ事件。
フリーバッティング練習中、軸足(後ろ脚)のかかとが返っていなかったとき、お尻にバッドでフルスイングされる、まさにケツバット。
痛みでまともに立てなかった。
バッティング再開するも、またもやかかとが返っていなくて同じところに決定打のケツバット。
③土砂降りの帰塁練習事件。
基本的に帰塁は手から(ヘッドスライディング)。
しかし10月下旬の気温も低い土砂降りの練習試合。冷たい雨、田んぼのようなグランドで掟を破り足から帰塁した私は交代。控えだった先輩に連れられ泥へ向かって徹底的にヘッドスライディングの練習。
代表作を挙げましたけれどもっとあります(笑)
そして最大の事件は坊主命令事件。
その名の通り、髪の毛をバリカンで丸坊主に。
もともと学校指定の赤ジャージを着ていても「ぼく、そっちは女子トイレだよ?」と見知らぬおばさまに男の子と間違われるほどのかなりの短髪だったが。
2年の夏、総体前に監督からの通達。
2年時は内野手のポジション。
「お前の覚悟を見せろ、お前のせいで先輩の夏が終わっていいのか。」と。
14歳思春期、バリカンが頭に当てられ髪が落ちて少しの重力も感じなくなる感覚と流した涙は今でも忘れない。
ここまで監督の鬼の所業を書くとただの体罰摘発文書だが、そうではない。
今、どんな困難があっても誰に何を言われても
立っていられるのはこの時の経験が大きい。
あの時の辛さより、、と思えるからだ。
そんな比較の仕方はもちろん間違っているし、
痛みが伴った指導を正当化してはいけない。
これを追求すると長くなるのでとりあえず正しいか間違っているかはひとまずおいておく。
私はこの鬼監督の下、ソフトボールをして彼の組織作りからあることを学んだ。
チームのルールは下の学年から。
他のチームと違って下の子に物を持たせない。水分補給は下の子から。
グランド整備は3年がやる、が徹底されたチーム作り。
なので今でも当時の先輩方の悪いところが1つも見つからない。永遠の憧れ。
他の人によく聞く、「あの先輩、あれが嫌だったよねー!」の感情が全く無い。
下の子を気遣い、変化にいち早く対応し、尊敬され慕ってもらえる人になるということ、
評価するのはいつだって他人
だということ。
これは現在アスリートとして活動する中で
かなり大きな財産になっている。
そして、中学卒業間近、
その濃い3年間を私に与えた監督は私に言った。教官室にあったカレンダーを見てすぐに呼び出したそう。
そこには、
「私ならできる」
と書いてあった。
「これまでお前はよくやった。これからは陸上という未知の世界だが、お前なら絶対に大丈夫だ。これ(カレンダー)を見たとき思った、
一般人にはそれなりの言葉にしかならない。
ただ、お前がこの言葉を信じたときに必ず道は開ける。」
という言葉をかけてくれた。
これまでどんなに頑張っても、もがいても苦しんでも良いプレーをしても結果を出しても
褒められたことや温かい言葉など無かった。
そんな鬼の監督が最後にかけてくれた言葉、
「私ならできる」
この言葉は今でも私の座右の銘だ。
この言葉で私は
あの辛かった時期を思い出し原点に戻れる。
そしてこの言葉で前に進む事ができる。
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→ドキドキは警報。
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