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父と私②経営者が倒れたら会社は死んだも同じ〜リビングニーズ特約と指定代理請求権〜

私ができることて孫の顔を見せに帰るくらいしかできなかった
親がこんな病気なら普通は仕事を辞めて息子と実家に帰る選択肢もあったかもしれない
父は私が仕事を、証券の仕事を辞めるのを嫌がった
子供を産んで復帰することを決めた時夫にも実母にも義両親にも反対された
会社の先輩にも上司にも嫌がられた
今の時代なら考えられないけど当時の証券会社というところはそんな場所でした
そんな中父だけは私と仕事の話をするのをとても楽しみにしていた
父は小さいながら会社を経営していた
ワンマン経営者
損害保険の代理店だけれど県下に800契約もありトップクラスの代理店だった
宅建をとり不動産は他社に所属し土地活用やら企業の誘致をしていた
自分は保険と不動産ができて娘は証券がわかって…就職してからやっと父が足りない分野で私は認めてもらえるようになってきた矢先の病気でした

ワンマン経営者が倒れたら会社は死んだも同じこと
父は病の身体を押して仕事をしていました。母に運転させてお客様のところへ行ったり病室にパソコン持ち込んで仕事をしていた
でも考えてもみてよ、父が扱うのは"保険"であり不動産も土地の活用は未来を見据えないとできない
もはや保全するのがいっぱいいっぱい…いくら長い間お客様だったとは言え特に法人のお客様から残酷にもどんどん離れていきました。
母が"おじいちゃんが癌になった時は当時の支店長、メロン持ってきたけどこの前支店長何を持ってきたと思う?桃の缶詰二個よ?お父さんがどれだけ〇〇海上に貢献してきたか考えたらお父さんに見せられなかった"と
会社なんてそんなものです。残念ながら…

となると、会社の経営は傾き収入は大幅に減ります。当然家計はあっと言う間に火の車に
その年弟は受験生でした。
仕事もするし一つでもストレスを減らしたい、激痛と闘ってるわけですから個室に入ります。
もちろん16種の特定疾病に該当するため介護保険も申請通れば少しは楽になります(ここは話には聞いていたけど割と早かった)
妹が身体が弱く介助が必要…私は乳飲み子抱えて戦力外…母は相当大変だったと思う
その年の暮れ事務所で私が会社の年賀状を作成していたら父が杖をついてやってきて
"〇〇(長男)にクリスマスに何か買ってあげてほしい。病気…だから…少ししか…あげられないけど"と涙まじりに
後にも先にもあんな父をみたことはありません

その時の5000円はこのままとってあるのです。
銀行にもいれずに。まだ私あの日の光景を思い出すと胸がいっぱいになり涙が止まらないので話せない😂
病気も痛みもらひどく相当辛かったと思います。
必死で積み上げてきた仕事も減り思うようにどんどん動けなくなる
余命も少なく死の恐怖を毎日毎秒死と隣り合わせと言う気持ちは私には想像すらできません。
"朝目が覚めると、今日も生きてたて思う"と言っていましたし…ある時明け方メールが来ました。父はメールが下手で。笑ほとんどメールなんかしないのですけど
"今日夢みた。元のように歩けるようになって庭を歩いてる夢。目が覚めて歩いたら転んでしまい元より痛めてしまった"と
これは辛かった。今でも辛い。

父も薄々はわかっていたのでしょうが、母は父にお金の心配までさせまいと苦労していました
そんな時、住友生命の外交員が定期訪問にやってきたわけです。
父はそりゃ保険屋ですから保険はしっかり入っていて…他社ですが
それなら"リビングニーズ特約が使えるはずです"と
母が指定代理人、指定代理請求でリビングニーズが使える!!
ただ、ここで母が気にしたのはリビングニーズを使うということは父が病気と闘うのを諦めたと同じになるのではないかと言うこと
家族は家族で葛藤がありました。
そうなんです、余命宣告されたからといって父は闘うのを諦めなかった
良いという事は全てやりました
私はカルテを託され国立がんセンターにセカンドオピニオンをもらいにもいきました
そこで一縷の望みのソラフェニブと言う分子標的薬を勧められるのですがこれはまだ日本で当時認可がなく田舎の病院では医師がやりたがりませんでした。
保険屋は簡単に癌治療の話をしますがそんな簡単なものではないのです
ただ本当にあの時は苦しかった
使って復活したら笑ってやろうよ!なんて話をして
末期癌余命半年て言われた精神は健康の時とは明らかに違うわけです。元気な人には想像ができないとは思います。
死がすぐそこにある状態。
家族でさえ違う。不安な毎日。
そんな時にお金の心配をしなくて良いだけで精神的な負担は減る

治療に専念できる
国内生保の定期訪問て本当に素晴らしいと思います。そこで彼女が来て話してくれなければ全く違っていたかもしれない。
私が生命保険はリビングニーズと指定代理請求が最強と言うのは自分の家族がこれに救われたからというのもあります



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