杉田水脈衆院議員にみる男女平等にアンチする女性の真意

 杉田水脈衆院議員の性暴力被害者の相談事業をめぐる「女性はいくらでもウソをつけますから」発言にみるように、同性という立場を考えると女性擁護派でもおかしくないはずだが、男女平等や差別是正に真っ向から反発する女性は一定数存在する。なぜあのような発言に至るのか。それは彼女の世界が「男性支配に固執するある男性議員」だけで成り立っているからに他ならない。

男女雇用機会均等法や#MeToo運動やなどを受けて、日本でもこれまでになく女性地位向上が叫ばれている昨今。これも時代の流れと考えると声高に反発する者は少ない。そんな中にあっても「女性はいくらでもウソをつく」などの誤った考え方をもつ女性は、要は、男性に同調するという立ち回りで成功した者である。

 ちなみに、杉田議員が大志があって政治家になった訳ではないことは、自由民主党の獲得枠を使って議員になったことからも明らかである。選挙で民衆に選ばれたのではなく、ある政治家の目に留まり、議席を埋める要員として選ばれた単なる数合わせの議員である。既得権益に躍起な男性だらけの政界で、力ある男性議員に同調することで彼女は議席を確保しているのだ。だからこそ彼女は分かりやすいほど、目をかけてくれた議員、とくに男尊女卑を至極当然と考える特定の男性議員だけを見ているのだろうということが容易に想像がつく。

想像はこうだ。
某男性議員「性暴力被害とかいうけど女性はいくらでもウソをつくから信憑性に欠けるよね(笑)」
杉田議員「本当そうですよね!わたしもそう思うんです」
そして、彼女はこう考えるのだ『女性はいくらでもウソをつくと発言したら〇〇先生が喜んでくれるはず!』

 不愉快なのは、政治的思惑があって発言した訳でも、考えた末の発言でもなく、誰かを喜ばせたいためだけの自発的な発言だろうということ。彼女にあるのは自分を認めてほしいという純粋なまでの自己愛。自分の欲求に対する忠実なまでの行為。民衆からどのように見られるかなど眼中にない。目的が明確だからこそ、彼女はどれだけ世間から叩かれても反省するどころか、仕事をやりきったという達成感しかないのだろうと思う。

 彼女が愚かで稚拙としか言いようがないのは、女性を小馬鹿にする男性議員の本音を代弁したところで、将来が約束される訳ではないということを理解していないということだ。金もコネも影響力もない議員が中身のないパフォーマンスだけで生きていけるほど政界は甘くないだろう。そうやって勝手に踊り、炎上発言を繰り返すうち、結局、彼女自身が敬愛する男性議員から変人扱いされ、どこかの議員夫婦のように切り捨てられるのは目に見えている。金もコネも影響力も中身もない議員など本当にただただ迷惑なので、早いところ公職から退いて欲しいものだ。

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