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薬師仏に祈念する、功徳

本日(7月7日)はチベット暦(蔵暦)五月八日で、薬師仏(薬師如来)の御縁日です。
午後8時から薬師仏の儀軌を修します。
今回もnoteからサポートいただければ、供養や祈願をさせていただきます。


本日使用する薬師仏の儀軌は、わりと有名で、しかも加持の強力なものです。

薬師八仏の儀軌を今年の2月に執り行ないましたが、あのときの儀軌はジャムグン・ミパムがお作りになった、かなり長いものでした。薬師八仏、薬師十二神将、四天王などを含む祈祷が組み込まれた、とてもボリュームのある儀軌です。

今回の儀軌は、私がお世話になっていたお寺(ナムドゥルリン寺)が継承する埋蔵経法「ナムチュー」の法統に属するもので、「ナムチュー」を発掘されたミギュル・ドルジェの師であり弟子でもあったチャクメー・ラーガアスヤ(=カルマ・チャクメー;1613-1678)が編纂したものです。内容としては密教立、無上瑜伽タントラに属しますが、比較的短くコンパクトにまとまっているのが特徴です。

チャクメー・ラーガアスヤは、この儀軌の最後にこう記しておられます(チベット語より訳出)。

この密意の埋蔵経法の儀軌は「ナムチュー」(天法)の法脈より凝縮したものを、ラーガアスヤが編纂した。もし誤りがあれば本尊に懺悔したい。この善行によってすべての衆生が病や苦から解放され、薬師如来の位に達することができますように。

顕立の儀軌では先に斎戒・沐浴が必要であるが、それより高位の無上瑜伽タントラ(密教)においては、後に持ってきても差し支えない。

この成就法で祈念することの功徳と利益は以下のとおりである:

1.出家僧は、戒が破られない。
2.破戒したとしても、罪は浄化され、三悪趣に堕ちない。
3.地獄・餓鬼・畜生に生ずる一切の悪業は浄化され、其処に転生しない。
4.仮に転生したとしてもすぐに解放され善趣の最上位に転生し、漸悟して仏位を得る。
5.今生において衣食と富をたやすく得られる。
6.病、悪霊・呪詛・ギャルポ(強力な地霊)の攻撃がすべて消滅する。
7.金剛手菩薩・梵天・帝釈天・四天王・薬師十二神将が七十万の眷属と共に守護し救う。
8.十八種の非時死(早すぎる死)や、敵、猛獣などのあらゆる危害から解放される
9.すべての願望が叶う。

等々、想像を絶する功徳と利益は、二つの薬師仏経で説明されている。

ほとんどの仏法にケチをつけては不満を漏らすような学僧の居る大寺院――チャン、ダムリンペル、チューコルなど特徴ある大寺院――ですら、延命や死者の罪業浄化の儀軌は薬師如来だけであり、他の儀軌は広まっていないほどである。

また「チベットのブッダガヤ」と称されるラサのジョウォ・リンポチェ(大昭寺)の御前や、(古訳ニンマの)サムイェ寺の菩提仏塔の御前で修される儀軌も、薬師如来なのである。

このように新訳派・古訳派、顕教・密教の区別なく、薬師如来の功徳ほど大きいものはないのだから、自信をもって行じるがよい。(拙訳)

皮肉が込められているのはチャクメー・ラーガアスヤらしいのですが、それほど薬師仏の御利益というのは大きいということでしょう。

「第七波」とも騒がれていて予断を許さない感染状況が続いております。
私もこの儀軌を大切に護持し、皆さまが無事で過ごせるよう、功徳を廻向したいと思います。

(更新:7/8 19:00)
昨晩は沐浴した後、午後8時より薬師仏の法要を執り行ないました。
1時間半でしたが、とてもいい調子で終われたので、その調子のまま再度沐浴をして午後10時半に二座目(真言一千遍)を修しました。
今回もご賛同いただきましてありがとうございました。

PayPayからいただいた分については、そのまま護法尊供養で使うお酒(大量に使う)を揃えて捧げることができました。
また今回も一部をチベット寺に寄進することで、三宝とのご縁を深めることができました。

もともと短い儀軌のため、また初めのセクションに戻って唱えるような箇所がいくつもあり、進行で戸惑う場合もあります。
しかしそれに慣れてくると、二座目は真言の念誦に集中することができました。

本日(7/8)も夜は、薬師仏の儀軌を執り行ない、善を廻向したいと思います。

そして明日(7/9)はグル・リンポチェの御縁日ですので、午後5時から「リクズィン・ドゥーパ」の儀軌(ツォク供養)を執り行なう予定です。詳細はまたこちらで告知いたします。

サポートは、気吹乃宮の御祭神および御本尊への御供物や供養に充てさせていただきます。またツォク供養や個別の祈願のときも、こちらをご利用ください。