記憶
「君と僕の会話している映像が送られてきたんだけど、見ない?」
「どういう事?」
「そのままの意味だよ、どうやらいつの間にか隠し撮りされてたみたいなんだ」
「へえ 盗撮されることなんてあるもんなんだな。 」
「僕も初めの10秒ほど見てみたんだけど、どうやら遠くから撮ったからなんだろうか、肝心の音声が入ってないんだ
「とりあえず見てみるか 今見れるのか?」
「うん ケータイに保存してあるから見ようか」
映像の中には俺と君が映っていた。これはどこだろう。
「たしかに俺だね お前もいる 」
「そんな所で嘘をつくわけがないだろう? 」
「そして……音声は聞こえんな」
「そうだね 君はこの時の会話を覚えていないのかい?」
「内容も場所も分からんな 。どうだ?この会話の内容を当てるってのは 。当てた方が晩飯をおごる。」
「いいね。この公園の辺りにはラーメン屋は2件ある。どっちにするよ」
「最近できたフードコートの方に行かないか。」
「OK。じゃあ内容を見よう。」
動画は数十秒のもので、俺と君以外にはほとんど何も無かった。
「この頃から全然顔が変わってないな 最近の会話か?」
「というよりも君も僕も数年単位で変わる顔でもないでしょ。 僕らは学生でもないんだから」
「確かにな。年代では検討できないか。」
「場所も分かりそうにないしね。 口元で見てみようか。」
その映像は異様に画質が良く、遠くから撮っているにも関わらず口元もはっきりと映っていた。
「口元じゃわからんな。」
「この映像を僕達に送ってきた人はどういう意図なんだろう。」
「さあ。この映像が重大な意味があるんじゃねえの。」
「金とか?」
「知らず知らずのうちに僕達の会話が財宝の場所を示してたりするのかもね。」
「こええな。」
「こういうのはどうだ?俺らの猛烈なファンがいて、俺らにどうしてもコンタクトを取りたかった。」
「有り得ないだろう。僕達はただのサラリーマンなんだから。」
「うーん、じゃあわかんねえな。仕方ねえ。ラーメン屋行くか。ワリカンな。」
「君はよく食べるから食べた分自分で払うことにしよう。損はしたくない。」
「お前はいつもケチだな。まあ行くか。」
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「君と僕が公園で会話している映像が送られてきたんだけど、見ない?」
「どういう事?」
「そのままの意味だよ、どうやらいつの間にか隠し撮りされてたみたいなんだ」
「へえ 盗撮される事なんてあるもんなんだな。 」
「僕も初めの10秒ほど見てみたんだけど、どうやら遠くから撮ったからなんだろうか、肝心の音声が入ってないんだよ」
「とりあえず見てみるか 今見れるのか?」
「うん ケータイに保存してあるから見ようか」
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