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[DET]2021年TDL振り返り

日本時間で今日の早朝に、今年のトレード期限が終了。再建中ながら中々動きを見せず、ファンをヤキモキさせていたタイガースも最終日にようやく一件トレードを成立させました。今回はこのトレードを振り返っていきたいと思います。

放出:ダニエル・ノリス

今年のオフにFAとなるリリーフ左腕のダニエル・ノリスをMILへ放出しました。トレードの内容がこちら。

MIL獲得
ダニエル・ノリス  28歳  LHP  21年オフFA
 DET獲得
リース・オルソン  21歳  RHP  

今年からリリーフに本格転向したノリスはここまでキャリアハイの38試合に登板していますが、防御率はキャリアワーストの5.89。ただし、BABIP.354という数字からも分かるように今年の彼はとにかく運に恵まれませんでした。FIPは3.78なので、内容的にはそこまで悪くはありません。安定した強さでNL中地区首位を快走しているMILですが、リリーフ左腕が不足していたらしく、ノリスに白羽の矢が立ったようです。

ノリスは2015年の途中からトレードでタイガースに加わり、そこからはチームが低迷期に入る中、主に先発として頑張ってくれました。中々結果が出ず2019年には1年間ローテを守ったものの3勝止まりで、スペンサー・ターンブル、ジョーダン・ジマーマンと共に、打線にかなり問題があったとはいえ3人合わせて7勝43敗という衝撃的なトリオを結成するなどとにかく苦しんでいましたが、「贅沢なものは必要ない」と車中泊をして暮らすなど独特なキャラクターで、ファンからも非常に愛されていました。ここまでのキャリアは苦しいことの方が多かったと思いますが、トレード先のMILで活躍して、オフに良い契約を勝ち取れることを願っています。7年間本当にありがとう!

獲得:リース・オルソン

そんなノリスと引き換えに手に入れたリース・オルソンは21歳の高卒右腕です。

2018年の13巡目指名で、今年はMIL傘下A+で14試合に先発して5勝4敗、防御率4.30。MILのプロスペクトランキングでは圏外でしたが、移籍後はタイガースのプロスペクトランキングで13位にランクインしました。フォーシームの平均球速は約94mphと突出して速いわけではありませんが、縦横2種類のスライダーとチェンジアップは平均以上の質を誇り、ここまで10.30という高い奪三振率を記録しています。最大の課題はコマンドで、ここまで与四球率は4.60。また腕の振りが激しいことから肩への負担が懸念されており、将来怪我をしてしまう可能性が指摘されています。プロ入り後は先発がメインとなっていますが、将来的にはリリーフ転向が予想されています。

予想以上にトレードが起こらず

残念ながらタイガースが成立させたトレードは前述のノリスの一件のみ。そもそもノリスがトレードされたのはかなり意外で、マシュー・ボイドが怪我でトレード不可となったものの、ジョナサン・スコープやホセ・シスネロなどトレード価値が高いであろう選手はそこそこおり、GMのアル・アビラも必死に交渉を重ねたようですが、厳しい結果となりました。同地区のMINが主力の多くを放出して質・量共に申し分ないプロスペクトを獲得しているのが本当に羨ましい限りです…

現ロスターでどこまで勝てるのか

結果的にトレードでチームを去ったのはノリスのみであるため、戦力に大きな変化は起こりませんでした。チームは後半戦開幕から破竹の7連勝を飾るなど調子を上げていますが、ここまでの後半戦の相手はMIN、TEX、KC、BALといずれも2ケタ借金を背負い低迷しているチームですので、これが真の実力かどうかは疑問です。ただ、あれだけあった借金が気付けば6まで減っていることからも、やはりヒンチ監督の手腕は本物だったんだなと感じています。ポストシーズン進出はほぼ不可能ですが、シーズン終了後までにどれだけの勝利を重ねられるのか、そしてケイシー・マイズ、タリック・スクーバル、マット・マニングのエース候補3人、「1番・CF」のレギュラーを掴みつつあるアキル・バドゥーら若手たちが今後どこまで成績を伸ばせるかは非常に注目です。

最後に

今回はトレード期限の動きについてまとめてみました。ネガティブなことも書きましたが、プロスペクトを1人獲得できた時点で何も起こらないよりは100倍マシですので、オルソンの飛躍と、ノリスの新天地での活躍を心から祈っています。

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