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[DET]2022年シーズン振り返り:先発投手編①

ご無沙汰しております。MLBはいよいよポストシーズンが始まり盛り上がってきましたね。昨年オフに大型補強を敢行したはずのタイガースはポストシーズンにかすりもせず、一足早くシーズンを終えてしまいました。今回はシーズン全体の簡単な総括と、選手個人の活躍ぶりを振り返っていきたいと思います。

失意のシーズン

DETは今シーズン66勝96敗、首位から26ゲーム差の地区4位という結果に終わりました。開幕前には「ポストシーズン進出は厳しいとしても、シーズン勝ち越しぐらいは可能なのでは?」などと楽観的に考えていましたが、甘かったですね。2億ドル以上かけて補強したにも関わらず前年から勝ち星を11も減らしてしまいました。目立たないだけで立派なお笑い球団です。

投手陣(特にブルペン)は平均以上のパフォーマンスだった一方、野手陣がMLB最弱レベルの貧打で、新加入のJavier Baezを筆頭に主力打者たちがこぞって不振。規定打席到達者でOPS.700以上は一人もおらず、7月末まで2桁本塁打が0人という異常事態でした。最終的に本塁打110、得点557がMLB最下位で、OPS.632はワースト2位。投手陣がいくら頑張っても、こんな打線では勝てるはずがありません。

また、シーズンを通して異常なレベルで怪我人が続出しました。誰かが復帰すれば代わりに誰かが故障者リストに入り、主力選手の多くが怪我によりシーズン終了。首脳陣が思い描いていたであろう選手運用が全くできず、苦しい戦いを強いられました。

ここまで弱いとファンの楽しみは新たに導入されたドラフトロッタリーぐらいしかありません。DETはその圧倒的な弱さで、9月途中まではWSH、OAKと共にトップの確率(16.5%)をがっちりとキープしていました。

しかし、既に残りの試合が消化試合と化していた9月末、「なぜ今なんだ」という最悪のタイミングでチームはなぜか息を吹き返し、怒涛の6連勝を記録。ロッタリーのランキングはあっという間に後退し、最終的には6番目(7.5%)まで転落してしまいました。

怪我人続出に主力選手の不振、勝たなくていい試合で無駄に勝ってしまう…などなど、何もかもがツイてない、とにかく歯痒いシーズンとなりました。

数少ないハイライトとなったCabreraの3000本安打達成

先発投手振り返り①

ここからは選手一人一人にフォーカスして活躍を振り返っていきたいと思います。今回は先発投手6人を掲載しました。

一応5段階の評価を付けていますが、あくまで私の独断と偏見によるものですので悪しからず。

Tyler Alexander

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                      評価:★★☆☆☆

元々はロングリリーフを務めていたが、怪我人続出に伴い先発にシフト。フォーシームの平均球速は90mph程度で空振りのとれる変化球もなく、終始苦労していた。制球がまとまっているのが逆に災いし、打ち頃の球が真ん中に集まって痛打を浴びるシーンが目立った。

来年は被弾を減らし、本来の持ち場であるリリーフで貢献してほしい。

Beau Brieske

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                     評価:★★★☆☆

2019年のドラフト27巡目指名から這い上がり、4月に念願のメジャーデビュー。デビュー2試合目でLADの大エースClayton Kershawと互角に投げ合うなど良い意味で期待を裏切る活躍を見せ、その後も特に大崩れすることなくローテーションを支えてくれた。

3試合連続QSと好調だった矢先に前腕を痛めシーズン終了となってしまったのは残念だが、彼の活躍は今年の数少ない収穫の一つだった。フォーシームの質は平均以上なので、来年は決め球となる変化球を確立したいところ。

Rony Garcia

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                     評価:★★☆☆☆

昨年は膝を痛めて3試合の登板に終わり、今年4月にリリーフで復帰。5月から先発ローテーション入りした。

ハードヒット率やバレル率などはMLB最低クラスだが、三振がある程度奪えて制球もまずまずなので、試合を壊すことは少なかった。6月には本人が「ここで投げるのが夢だった」と語っていたヤンキースタジアム(元々NYY傘下でプレーしていたため)での登板を果たしている。

しかし、7月末に右肩を痛めてそのままシーズン終了。健康さえ維持できればそれなりに計算できる存在だけに、怪我なく1年間戦えるようになってほしい。

Alex Faedo

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                     評価:★★☆☆☆

2017年ドラフト1巡目指名。一昨年はMiLBがシーズン中止、昨年はトミー・ジョン手術で全休と丸2年実戦から遠ざかっていたが、今年待望の復帰を果たし、5月に初昇格してデビューした。

デビューから6試合連続で5回以上、2失点以下と安定感のある投球を続けていたが、その後は打ち込まれる試合が続き、7月末に臀部を痛めてシーズン終了となってしまった。球速、制球共にイマイチで、大学時代のようなキレの良いスライダーも見せられず。やはり2年間のブランクの影響は否めなかった。ゲームメイク力はある程度備わっているので、将来的には堅実な先発4〜5番手あたりを担ってくれれば御の字か。

Garrett Hill

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                     評価:★★☆☆☆

Brieskeと同じくドラフト下位(2018年24巡目)から這い上がった叩き上げで、7月に昇格してデビューした。

当初は先発を務め、8試合でERA4.22とまずまずの成績だったが、コーチからロングリリーフの適正を見出され、ブルペンへ配置転換された。すると9月13日のHOU戦にて、それまでフォーシームのシーズン平均球速が91.3mphだったにも関わらず、誰も想像だにしなかった96mphを計測。その後もコンスタントに94mph前後を計測するようになり、突如として速球派投手へ変貌を遂げた。

どうやら投手コーチのChris Fetterがマイナーのコーチと連絡を取り合い、2AでTy Madden(2021年ドラフト1巡目指名、現在傘下3位のプロスペクト)が取り組んでいるプログラムをHillに応用してメカニクス改造を施していたらしい。

いわゆる「魔改造」の成功例となる可能性を秘めており、今後も彼の投球には注目していきたい。

Drew Hutchison

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                     評価:★★☆☆☆

TOR時代に2度の二桁勝利もその後はジャーニーマン化し、独立リーグも経験した苦労人。

昨年に続きマイナー契約でスタートし、4月に昇格した。そこから2度DFAとなり、6月にはKBO行きの噂も流れていたが、結局は残留。以降、シーズン終了まで怪我なく完走した。

球速や変化球ともに全盛期のようなキレはなく、諸々の指標も最低クラスだったが、熟練の投球術でなんとかこれを誤魔化し、先発した18試合中11試合で5回以上を投げた。ただし、そのうち6回以上投げたのは2試合のみと、スタミナの衰えは隠しきれなかった。

成績はともかく、怪我人だらけのチームで最後までローテーションを守ってくれ、非常にありがたい存在であったのは間違いない。

最後に

次回は先発投手編②を投稿する予定です。その際に先発投手全体の簡単な総括も行いたいと思っております。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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