見出し画像

デトロイト・タイガース 開幕40試合を終えて

ご無沙汰しております。2021年シーズンが開幕してから40試合が経過しました。今回はここまでの戦いを振り返っていきたいと思います。

予想通りの低迷

タイガースは現在40試合を終えた時点で、地区4位の14勝26敗。少し前までは勝率、チーム防御率、チーム打率が全てメジャーワーストに沈むという悲惨な状況でしたが、最近は4連勝を記録したりとチーム状態は少し上向いてきており、ひとまず最弱チームからは脱却しました。ただ既に3度も5連敗を喫しているなど非常に不安定で、今後再び大型連敗を喫する可能性も決して低くないでしょう。ある程度予想していましたが、今年も厳しい戦いになりそうです。

投手陣振り返り

まずは投手陣を振り返り。先発陣では昨年大スランプに陥ったボイドが復活し、現在8試合に登板して防御率2.45と、キャリア最高のシーズンを送っていきます。

画像1

ここ数年どん底のチーム状況の中、大きな離脱もなくローテを守ってくれた功労者ですので、トレード期限まで何とか調子を維持してもらい今年こそ彼を強豪チームにトレードしてあげてほしいです。その他では新加入のウレーニャも一時覚醒し4試合連続のHQSを記録するなど、復活のきざしを見せています(なお、ムエンゴに苦しみその4試合で僅か1勝しかできなかった模様)。昨年唯一まともな成績を残したターンブルは怪我で出遅れましたが、復帰後は昨年同様安定した投球を披露しています。未来を担う若手では昨年デビューした18年のドラ1右腕マイズが2試合目で嬉しいメジャー初勝利をあげ、現在も3試合連続のQSを記録するなど、徐々にメジャーの水に慣れてきました。一方マイズと同じ2年目で、左腕エース候補のスクーバルは中々安定せず、0勝6敗と苦しいスタートとなってしまいました。全体で見るとチームの先発防御率は4.10で、壊滅的だった昨年と比べるとかなり改善されました。一方でブルペン陣は登板する度に失点を重ね、メジャーワーストの救援防御率6.19という悲惨な状況です。昨年飛躍したガルシアやアレクサンダーが開幕から精彩を欠き、ノリスやファーマーといったベテラン勢もピリッとしません。先日のKC戦では7回終了時点で7-0とリードしていたにも関わらず、守備の乱れも重なり8、9回で同点に追い付かれるというお笑い野球を展開し、好投していたボイドの勝ちを消してしまいました。出てくる投手の大半が防御率5点台以上という厳しい現状ですが、何とか彼らが奮起して巻き返してくれることを願っています。

野手陣振り返り

続いては野手陣。新加入のグロスマンは出塁率.385に加え得点圏打率.450と無類の勝負強さを誇り、1番打者ながらチームトップの18打点を記録するなど申し分ない働き。先程述べた7-0から追い付かれた試合でも最後にサヨナラタイムリーを打ってくれました。

昨年ブレイクしたキャンデラリオは打球が中々上がらず長打が激減してしまいましたが、打率と出塁率は高水準なため及第点といえるでしょう。

画像2

問題はここからです。この2人以外は皆揃って深刻な打撃不振で、軒並み打率2割台前半〜1割台に沈んでいます。特に昨年ある程度結果を残したスコープやW・カストロがここまで打てなくなるのは誤算でした。その他ではメジャー初打席初球ホームランの鮮烈なデビューを飾ったバドゥーもその後はすっかり落ち着いてしまい、正捕手候補として加入したラモスは低打率ながらチームトップの6本塁打を記録していましたが、背中を痛め離脱してしまいました。

チームとして打率だけではなくアプローチ面でもかなり問題があり、ロスターの半数以上が出塁率.300にすら届いていません。ヒンチ監督も日々打順を組み替えるなど試行錯誤していますが、中々突破口が見えず…衰えが顕著だったカブレラがようやく調子を上げてきた(最近5試合で打率.350。なおトータルではまだ1割台…)ことと、昨年メジャー出場がなかったロジャースが戻ってきたのが数少ないポジティブな要素です。いずれにせよ打線がこのままでは本当にヤバいです。四球をしっかり選ぶだけでも大分違ってくると思うので、特にまだ若いW・カストロなどはもっと選球眼を鍛えて、安定して出塁できるようになってほしいです。

まとめ

今回はシーズンの約4分の1を終えた時点での戦いぶりを簡単にではありますがまとめてみました。予想通りの苦戦が続くタイガースですが、メジャーワーストクラスのブルペンと打線がどこまで巻き返せるのか注目です。仮にベテラン達が復調して好成績を残せば、夏のトレード市場で有益なアセットとなります。他にはマイズやスクーバル、バドゥーといった数年後の未来を担うであろう若手たちが頑張っているので、彼らの成長をゆっくりと見守っていきたいと思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?