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[DET]2022年トレードデッドライン展望

お久しぶりです。シーズン開幕してから中々投稿できず申し訳ありません。MLB界隈はここ数日ドラフトやオールスターで大いに盛り上がりましたね。今回はその後に控える一大イベントのトレードデッドラインについて考えていきたいと思います。

大補強したら去年より弱くなりました

昨年は予想外の健闘を見せ、オフには将来的なコンテンドを見据え2億ドル以上を費やす大型補強を敢行したDETですが、蓋を開けてみれば開幕から怪我人が続出し、さらに主力選手たちが揃いも揃って大不振に陥るなど、ここまで38勝56敗のAL中地区4位。期待を大きく裏切るシーズンとなってしまいました。すぐに結果が出るものではないことは分かっていましたが、さすがにここまで酷いとは思いませんでしたね。とにかく打線の状態が悪く、なんと7月末にもなって未だに2桁本塁打が0。スタメンにはOPS.500〜.600台がズラリと並び、一時は打撃11項目でメジャー最下位に沈む有様でした。

開幕前に「再建は100%完了した」と豪語していたオーナーのクリス・イリッチはこの状況になってもなお「チームの躍進に満足している」という意味不明な発言を残していましたが、何を根拠にそんなことが言えるんでしょうか…

リリーバーを売り捌け!

とにかく弱いDETですが、ブルペンだけは非常に優秀で、前半戦終了時点でブルペン防御率3.08はHOU、NYYに次ぐメジャー3位。現在のロスターには契約が残りわずかの優秀なリリーバーが揃っており、既にポストシーズン進出の望みが無きに等しいDETにとって、今年のデッドラインでは彼らを上手く放出して少しでもプロスペクトを獲得することが目標となります。

では、ここからは具体的な放出候補3人+aを紹介していきます。

※成績は全て7月23日現在のものとなります。

放出候補①マイケル・フルマー

近年は怪我もあり低迷していましたが、昨年からリリーフに本格転向して見事なカムバックを果たし、今年もここまでセットアッパーとしてブルペンを支えています。投球割合の60%以上を占めるスライダーが最大の武器で、被打率.137と抜群のキレを誇ります。この他、XBAやXSLGなどの指標も軒並み高水準です。

2020年の指標は見るな!

BB %が前年から6%も増えていたり、左打者に対し被OPS.853と異様に打たれている点は気がかりですが、今年のトレード市場には有力なリリーバーが少ないことから、中々の人気銘柄になるのではないかなと思っています。今年のオフでFAということもあり、トレード価値は今がまさにピークでしょう。

フルマーはチームが下降線を辿り始めた2016年にデビューしたため、キャリアを通してポストシーズンの経験がありません。昨年のデッドラインでチームメイトのダニエル・ノリスがコンテンダーのMILにトレードされた際には「いつか自分もポストシーズンで投げたい。どんな投手もそれを一つのゴールにしていると思うよ。」と語っていました。なおノリスは移籍先のMILで燃え続け、ポストシーズンのロスターから外されました。あれから1年が経ち、その思いはより一層強くなっているでしょう。迷走を続けるDETと再契約してくれる保証はどこにもないため、彼のトレードはマストで成立させたいところです。

放出候補②アンドリュー・チェイフィン

なぜか未だに背景写真が無いので載せときます

チェイフィンは今年から2年$13Mで加入しましたが、チームの低迷により放出候補に挙げられています。球速やスピンレートは平均以下ですが、スライダーを武器にイニング数を上回る三振を記録。昨年のデッドラインでもトレードされており(CHC→OAK)、貴重な左のリリーバーとして今年もそれなりに需要がありそうです。

来年の契約は$6.5Mのプレイヤーオプションとなっており、より大きな契約を求めて破棄する可能性も高いため、デッドラインまでに放出して見返りを得たいところです。今後予期せぬ不振や怪我に見舞われた場合はオプションが足枷となって価値が下がってしまう恐れがあるため、このまま安定したパフォーマンスを維持してもらって、万全の状態で出荷するのが理想ですね。

放出候補③ジョー・ヒメネス

青が一つもない美しいsavant

個人的に今年のブルペン最大のサプライズプレイヤーがこのヒメネスです。2018年にはオールスターに選出されたこともある豪腕ですが、昨年はコマンドが壊滅し、マイナー降格を経験するなどキャリアワーストのシーズンとなってしまいました。しかし、コマンドが大幅に改善された(BB%16.7→5.8)今年は別人のような安定感を披露。高回転のフォーシームで奪三振を量産し、キャリア最高のシーズンを送っています。今年の開幕前には「皆は俺の実力を忘れていると思うが、俺は忘れていない。」と語っていたように、本人も今年のブレイクにはかなり自信があったようです。

あと1年調停を残しているため2023年まで保有可能ですが、今以上に価値が上がることはなさそうなので、良いオファーが来れば今年のデッドラインで放出してもいいかなと思っています。

放出候補④グレゴリー・ソト(大穴)

ソトは現在DETのクローザーを務めており、ここまでAL3位タイの18セーブを記録。昨年、今年と2年連続でオールスターに選出されています。先日のオールスターではWSHのフアン・ソトとの「ソト対決」が少し話題になりました。このためだけに召集されたとか言ってはいけない。

スリークォーターから繰り出す平均97mphの豪速球が武器ですが、乱雑すぎるコマンドのせいで安定感は皆無で、登板すれば高確率で得点圏まで走者を進めます。防御率は良いですが、正直全く安心できません。

一部の現地メディアでは放出候補に挙がっていたため紹介しましたが、2025年まで保有できることもあり、彼が今年のデッドラインでトレードされる可能性はそこまで高くないでしょう。上の画像のようにハードヒット率やxERAなどの指標は中々に酷く、他球団からどこまで評価されているかは不明です。ただ、左であれだけの球速を出せるリリーバーは希少価値が高く、もしかしたら予想外のトレードが成立するかもしれません。

総括

今回挙げた4人のうち、MLB Trade Rumorsのトレード候補Top50にはフルマーが9位、チェイフィンが10位、ヒメネスが34位にランクインしており、この3人のトレードの可能性は比較的高いのではと思っています。

ただ、忘れてはならないのがDETのGMは悪名高いアル・アビラだということ。

ご尊顔

2015年途中に就任して以降、もはや伝説となった「ハビアー・バエズorアレックス・ブレグマン獲得未遂事件」をはじめ数々の愚行を犯し、DETが現在まで低迷している大きな元凶となっています(もちろん一概に彼が全て悪いとは言えませんが)。とにかくトレードが下手なことで知られ、毎回対価を求めすぎた結果破談するというのが定番です。

↑現地ファンに嫌われすぎてWikipediaが荒らされる始末…

今回のデッドラインでも「一つもトレードが成立しない」という最悪のシナリオを想定しておかなければなりません。とはいえ、さすがの彼も過去の失敗から学んでいるはず(と信じたい)。最低でも今年で契約が切れるフルマーのトレードは成立させてほしいところです。

ネガティブなことを書いて終わるのもよくないので、最後にDETの数少ない希望の星であり、現在MLB公式のプロスペクトランキングで全体1位にランクインしているライリー・グリーンのサヨナラホームランを貼っておきます。


デッドライン終了後にトレードが成立していれば、それを振り返る記事を投稿する予定です。長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

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