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[DET]躍進のシーズンを振り返る〜リリーフ投手編〜

ご無沙汰しております。前回の投稿から大分間が空いてしまい申し訳ありません。今回はリリーフ投手編です。数が多いので20試合以上登板した選手のみ取り上げています。

今年途中まで在籍したダニエル・ノリスについてはこちらの記事で軽く触れているので、今回は割愛させていただきます。

グレゴリー・ソト

Gregory Soto  26歳  LHP
62試合  6勝3敗18S  76K  ERA3.39  WHIP1.35
FIP4.14  bWAR1.4  fWAR0.4

デビュー以降着実に成長を続ける左腕。今年はシンカーとスライダーが全投球の8割以上を占め、あまり投げなかったもののフォーシームの平均球速と空振り率は共にリーグ1位だった。シーズン途中からクローザーを務め、チーム唯一のオールスターに選出された。制球がアバウトでいわゆる劇場型であったが、要所で三振を奪って切り抜ける場面が多かった。故障で一足早くシーズンを終えてしまったが、メジャー屈指の豪腕リリーバーの仲間入りを果たしたと言ってもいいのではないだろうか。

ホセ・シスネロ

Jose Cisnero  32歳  RHP
67試合  4勝4敗4S  62K  ERA3.65  WHIP1.33
FIP4.13  bWAR0.3  fWAR0.0

2014年にHOUから解雇され、ドミニカやメキシコで4年間の武者修行を積みMLBに帰ってきた苦労人。

在籍3年目の今年はセットアッパーとしてフル回転し、チーム最多&キャリアハイの67試合に登板。主に8回を担当し、平均96.7mph(約155キロ)のフォーシームで打者をねじ伏せた。最後の2試合で1.0回7失点と大炎上してしまい防御率がはね上がったが、それまでは2点台を維持しており安定していた。来年もソトと共に勝ちパターンの一角として期待したい。

マイケル・フルマー

Michael Fulmer  28歳  RHP
52試合  5勝6敗14S  73K  ERA2.97  WHIP1.28
FIP3.46  bWAR1.9  fWAR1.6

2016年の新人王がブルペンに仕事場を変え見事に復活。開幕当初は先発やクローザーを務めるもパッしなかったが、リリーフに完全転向してからは劇的に安定感が増した。スライダーの投球割合を前年から10%以上増加させ、キャリア最高の奪三振率9.43を記録。トミー・ジョン手術から2年が経ち球速も手術前のレベルに戻り、ソトやシスネロが離脱した最終盤は再びクローザーを務めた。来年の起用法は不明だが、本人は先発への拘りはあまりないという旨のコメントを残しており、このままリリーフを続けるのではないかと思う。

カイル・ファンクハウザー

Kyle Funkhouser  27歳  RHP
57試合  7勝3敗1S  63K  ERA3.42  WHIP1.40
FIP4.27  bWAR1.0  fWAR0.3

2015年のドラフトでLADから1巡目指名を受けるも入団に至らず、翌年4巡目まで評価を落としタイガースに指名された。

2年目の今年は高速シンカーを武器に、前年を大きく上回る57試合に登板した。ビハインド時や勝ちパターンなど場面を問わず様々な状況で登板し、便利屋としてブルペンを支えてくれた。特にリードしながらも先発が5回まで持たずに降板した試合での登板が多く、先発が取りこぼした勝ち星を拾って7勝を記録した。

タイラー・アレクサンダー

Tyler Alexander  27歳  LHP
41試合  2勝4敗  87K  ERA3.81  WHIP1.26
FIP4.39  bWAR2.0  fWAR1.0

フォーシームの平均球速は90マイル程度だが、カッターやスライダー、チェンジアップなど変化球を低めに集めて多くの三振を奪う。今年はブルペンデーの先発やロングリリーフを中心に登板を重ね、終盤からは先発に転向。澤村拓一を彷彿とさせる宇宙開発ボールを投げる場面もあったが、比較的安定して試合を作った。先発、中継ぎをこなせる貴重な左腕であり、来年もマルチな活躍を期待したい。

アレックス・ラング

Alex Lange  26歳  RHP
36試合  1勝3敗1S  39K  ERA4.04  WHIP1.49
FIP4.40  bWAR0.3  fWAR0.1

2019年途中に生え抜きの強打者ニック・カステヤノスをCHCに放出した際に獲得したプロスペクト。

4月にメジャーデビューを果たすも打ち込まれる試合が続き、6月にマイナーに降格した。しかし約2ヶ月のマイナー調整(途中1試合だけ昇格)を経て8月に再昇格してからは別人のような快投を見せ(4〜7月の防御率6.88、8月以降の防御率1.45)、最終盤は勝ちパターンも担った。特にスライダーのキレは素晴らしく、多くの三振を奪った。現地メディアでは来年のブレイク候補に挙げられており、今後の成長が楽しみな選手の一人。

ジョー・ヒメネス

Joe Jimenez  26歳  RHP
52試合  6勝1敗1S  57K  ERA5.96  WHIP1.52
FIP5.22  bWAR-0.5  fWAR-0.2

2018年にはオールスターにも選出された剛腕リリーバーだが、近年は迷走気味。

乱調が続きクローザーの座を剥奪された昨年のリベンジを期して臨んだ今年は奪三振率を再び二桁に乗せ、ハードヒット率も大幅に改善したが、一方でノーコンぶりに拍車がかかり、キャリアワーストとなる与四球率6.9を記録。奪三振と四球を量産する投球スタイルは非常に波が激しく、シーズンを通して安定感とは無縁だった。しかし首脳陣からはなぜか信頼を得ており、同点やリード時に結構な頻度で登板してはファンを震え上がらせた。なお、謎の勝ち運を発揮しチーム3位タイの6勝を記録している。

デレク・ホランド

Derek Holland  34歳  LHP
39試合  3勝2敗  51K  ERA5.07  WHIP1.57
FIP3.96  bWAR0.1  fWAR0.3

投手陣最年長となるベテランで、マイナー契約で加入後、スプリングトレーニングで結果を残して開幕ロスター入り。残念ながらかつてのキレは無く専ら敗戦処理での登板となったが、大きな怪我もなく一年間チームに帯同し、汚れ仕事をこなしてくれた。格闘技ファンであり、WWEとUFCのチャンピオンベルトのレプリカを購入して、試合で活躍したチームメイトにプレゼントしていたが、これが選手間でかなり好評だったそうで、チーム全体のモチベーション向上に繋がったらしい。

ベテランとしてグラウンド外で良好なチームケミストリーを構築してくれ、成績以上に貢献度は大きかった。

ブライアン・ガルシア

Bryan Garcia  26歳  RHP
39試合  3勝2敗  32K  ERA7.55  WHIP1.86
FIP6.91  bWAR-1.2  fWAR-0.9

昨年は暫定クローザーを務め見事な投球を見せたが、今年はフライボールの割合やハードヒット率が急増し、開幕から失点を重ねた。昨年は25試合で1本も本塁打を打たれなかったが、今年は10本も打たれてしまった。その他にも多くの指標が悪化し、最終的には防御率7.55と凄惨な数字を叩き出してしまった。

バック・ファーマー

Buck Farmer  30歳  RHP
36試合  0勝0敗  37K  ERA6.37  WHIP1.73
FIP6.59  bWAR-0.3  fWAR-0.5

投手陣ではチーム最古参。2018年には66試合、19年には73試合に登板し、今年も開幕からセットアッパーを務めたが、被本塁打が急増するなど痛打を浴びる場面が非常に多く、5月に早くもDFAとなりマイナーに降格。6月に再昇格したが8月に再びDFAとなり、リリースされた。その後TEXとマイナー契約を結んだが、昇格することなくシーズンを終えた。

最後に

今回はリリーフ投手をまとめてみました。ソトやシスネロ、フルマーらにある程度の目処が立ち、ファンクハウザーやラングといった新星たちの活躍もあり、非常に実りの多いシーズンでした。次回は捕手・内野手編を予定しています。また、既に積極的に動いているオフシーズンの補強についても何とか記事を出せればと思っています。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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