M-1 2021の感想雑記

　M-1 2021決勝に関して適当に書き殴っておくだけのnoteです。

　今年はオズワルドと真空ジェシカを激推ししていて、その二組に加えランジャタイまで通ったので発表生放送を見て暴れていました。ほぼ自宅『吊り革』でした。ニートということもあり普段大きな声を出さない反動でかなり大きな声で喜んでいた記憶があります。

　放送前、個人的な願いとしては“オズワルドと真空ジェシカがトップバッターにならないこと”だけでした。場が温まっていたら間違いなくウケて良い結果を残す気がしていたからです。
　というか、今回は特に好きな芸人しか決勝に上がっていなかったので、トップバッターという人柱に近いようなポジションに10組の中の誰かが当たってしまうことに頭を抱えていました。

　そういった意味では、トップがモグライダーに決まった時はかなり安心してネタを見る態勢に入れました。決してこれは変な意味ではなく、モグライダーのネタは出番順関係無しに大ウケを獲れるスタイルだと思っていたからです。
　実際、かなりウケていて点数も悪くなかったんですが、こうなったらなったで「トップじゃなかったらもっと点数獲れてたのかな～～～」なんて考えてモヤモヤしてしまいます。モヤモヤさせるな！　別の世界線も全部見せてくれ！！！

　ランジャタイはいつも固有名詞を使ったり話の流れが全く追えない漫才をやっているんですが、今回は固有名詞も無く話の整合性が取れているネタだったので「決勝用なのかなぁ」とは思ったりします。去年の敗者復活ネタを見てファンになった身としては、少し物足りないような気もしたんですが、点数が出た時の二人の表情の対比、及び、今大会における二人のポジションがあまりにも最高すぎて結果なんてどうでもよく感じてしまいます。当人達(特に伊藤さん)はどうなのかわかりませんが……。

　ゆにばーすのネタの大好きなところは、“男女コンビということに頼ったネタ”をするのではなく、“男女コンビということを最大限に活かしたネタ”をするところなので、そういった意味では今回のネタも本当に笑えました。
　最初のつかみが完璧で、恐らく理想通りであろうネタの入りを見た瞬間に「最終決戦は堅そうだ」と感じたのですが、思っていたよりも点数が伸びていなくて悲しかったです。本当に面白かった。

　僕は敗者復活のネタでハライチが一番面白いと感じていたので純粋に納得できました。去年もインディアンスを(脳内順位)一位で投票していたので、僕が世論ということになります。こんにちは、世です。
　決勝ネタは、岩井さんが馬鹿みたいに動いて叫ぶという今までの芸歴全てをフリにしたようなネタで、心から笑うだけでなく素直に感動してしまいました。
　M-1決勝に何度も進出していて、なんとなくハライチのネタの型や岩井さんのポジションが見ている全員に浸透したうえでのあのネタだったので、面白くないわけがないんですよね。飛影が急に叫びだしたら笑っちゃうのと同じです。途中澤部さんも視聴者も若干引き気味になってきたのが面白かった部分であり、もしかするとマイナス要素だったのかな？　なんて思ったりします。トーシロですが……。

　真空ジェシカ。最高。本当に面白かった。点数、あと20点はください。
　応援する気持ちに邪念が入らぬよう、ラジ父を聴かないようにするという神事みたいな姿勢で数日間を過ごしていたのですが、そうしたことで純粋に腹から笑えました。
　僕の真空ジェシカの好きなところは、俗に言うパワーワードで笑わせようとするのではなく、シチュエーションと展開で笑わせてくるのにネタ中の言葉が印象的に残るところなんですよね。それくらいに言葉選びが上手くてセンスも抜群なので、一つ一つのフリボケがめちゃくちゃ聴き心地が良いんじゃないかなと考えています。
　このフリボケセットで笑えてそれが独立して何個もある感じ、無粋ながら霜降りっぽさを感じるような気がします。無粋で申し訳ない。でも、霜降りと違う点は伏線張り→回収が存在する点。そのうえ、回収の仕方が心地良くて思わず吹き出してしまうような気持ちの良い笑いなんですよね。
　もっと点数が欲しかった……ハンドサインのくだり最高だった……。まーごめ。

　「ここでオズワルド来たらめっちゃ良いかもな……」というタイミングでのオズワルド。今年の出番順、最高。
　ネタも本当に良かったです。素人目に見ても「カンペキじゃん……」と思わざるを得ないようなネタ。畠中さんのヤバさを正面から摂取できるの本当に幸せなんだよな。納得の点数と順位。

　ロコディは正直他のコンビに比べあんまり詳しくなかったんですが、思っていた数倍面白かったです。「ワニ」「肉うどん」「しりとり」の要素を挙げられた時点で、ワニを逃して肉うどんに転生する流れに気付けなかったのが悔しい。何なんだこの文章。
　審査員の誰かが言っていたように、途中ラコステを挟むというアクセントがあったのも最高。序盤で「天界の全部を演る」と言って（大丈夫なのか）的な笑いが生まれたにも関わらず、本編ではその慌ただしさというノイズに成り得る要素を感じさせずに内容の面白さでウケを獲っていたのが凄い。

　錦鯉、去年から今年にかけてパーソナルな部分を含めて手の内をかなり晒したうえで、この面白さを叩き出してくるのが凄かったです。
　序盤の「寄り合いって言えよ」までの間、一番面白く感じる間だったような気がします。そういったスローペースな序盤から、ウケも展開も綺麗に右肩上がりになっていく様子が見ていて本当に気持ち良かったです。紙芝居あたりからの流れ、今改めて見ても最高すぎる。
　なんというかバカじゃない人がバカのフリをしてバカを演じると、視聴者としては少し構えてしまう部分があるんですけど、雅紀さんはバカな顔をしてバカなネタをやって実際に恐らくバカなので、笑いに躊躇いが生まれないんですよね。最高の漫才。

　インディアンス、僕は完全に赤の他人なのに一昨年のネタが恥ずかしくて見れないくらい今年の仕上がり方がヤバかったですね。めちゃくちゃ面白い。ずっと何か喋ってるんだけど、聞かせなくていい喋り(何か喋ってるということだけ伝わればいい)部分と、しっかり聞かせるべき喋りの使い分けがとても綺麗に感じました。
　もう洗練されすぎて笑うしかないといった感じ。練習してる感が伝わりすぎて笑いづらいタイプのネタって正直あると思うんですけど、インディアンスはもうその先に行っているような貫録を感じました。納得の評価。

　僕は今年ももを2位予想していたんですけど、思っていたよりも点数貰えなかったですね……。
　3回戦のネタよりも偏見の方向性や鋭利さに磨きがかかっていたので、めちゃくちゃ笑ってしまいました。やっぱり偏見って一番面白いな。
　ネタがもっと洗練されたら優勝する顔なのは実際にそうだと思うので、もっと応援していきたいですね。

　毎年最終決戦は「正直このコンビが獲りそうだな……」というのが明確に感じられるような気がするんですが、今回は上辺だけじゃなく本当に分からなかったです。インディアンスも錦鯉もオズワルドも全く贔屓目なく等しく面白かったですし、とても幸せな時間でした。
　ただ、錦鯉が今までやってこなかった時間差ボケを最後に持ってきた時点で「あぁ……これは……」と思ったのも事実です。面白すぎる。
　僕は今回のオズワルドの決勝ネタが、彼らの漫才の中で一番好きなネタで、これを決勝でやったらチャンピオンになるだろうなという謎の自信があったのですが、思っていたよりもあんまりウケてなかったですね……。あの2倍はウケていいネタだと思っています。
　客層が理由なのかネタのテンポ感や声の張りが理由なのか、そもそもあのネタじゃない方が良かったのか、トーシロの僕には到底わかる範疇の話じゃありませんが、一人のオズワルドファンとしてただただ悔しかったです。再三言いますが、アレはもっとウケるネタです。
　でも、そういうのを抜きにしても、今回の錦鯉はただ単純に面白かったです。バナナのクダりを面白いギリギリまで繰り返したのが絶妙な匙加減だなぁと思いました。次にどういうクダりをやるのかが判明している中であれだけ笑えるのって本当に凄いと思いました。

　M-1 2021、最高でした。錦鯉に、祝。