修道女と異能バトルが好き

修道女と異能バトルが好き

マガジン

  • CREDO QUIA ABSURDUM

    修道女、異能、バトル そんなかんじ

最近の記事

遠雷と翡翠④ CREDO QUIA ABSURDUM 3

← 前の話 † 「イーリャ……これから、どうするの?」  窓の外を眺めながらアンゲリーナが訊いた。イリヤは、うずくまるようにソファに座っている。所々破れかけたソファの革には、まだ薄っすらと修道女のぬくもりが残っていた。 「俺は……悪くない話だと思っていル。もちロん、契約すルのは俺だけだ。……君に危ないことはさせたくない」 「…………」  アンゲリーナが振り返った。昼の光に照らされた窓外から目を移すと、部屋の中は一層暗く見えた。彼女は口を開きかけたが、玄関から飛び込

    • ブラックティ

      • 遠雷と翡翠③ CREDO QUIA ABSURDUM 3

        ← 前の話 2†  爆発を聞きつけた街は騒然としていた。家を飛び出してきた人々が不安げに口走る言葉は、メリーにとって聞き慣れないものだった。そんな雨音のような囁きの中を、メリーは騒動の当人である少年──イリヤ・ズヴォナリョーフに先導されながら足早に抜けていく。 「ねえ、イーリャって何歳? わたしよりも歳下に見えるけど」  学友に聞くような気安い口調でだった。もっとも、二人とも学校になど通ったことはほとんどなかったが。 「もうすぐ十六歳。…………初対面の人間に愛称で呼

        • +3

          画像投稿テスト

        マガジン

        • CREDO QUIA ABSURDUM
          26本

        記事

          遠雷と翡翠② CREDO QUIA ABSURDUM 3

          ← 前の話 † 「現場を発見したのは、この一帯を管理している港湾組合の警備員でした。遺体は全部で十三人──いずれも焼死。この廃倉庫を中心に半径四百メートル圏内に点々と倒れているのが不可解ですが、おそらく何者かに襲われ、逃げようとしたためにそうなったのでしょう」  遺体に祈りを捧げた後しばらくして、メリーはクラウチク刑事から事件のあらましについて聞いていた。  なおアンドレイの母親は、メリーの協力も得ながらなんとか気を取り直し、帰宅していた。息子がつるんでいたヨシフ・サハ

          遠雷と翡翠② CREDO QUIA ABSURDUM 3

          秋バラ

           小説書き終わらね〜〜〜〜ッということで、秋バラを貼ってお茶を濁します。  いつの間にかパカーンと満開になっていたはつね。買ったまま植え替えてないのにやたら元気。というか春と花の形も色も違くない? 花弁少なくない?  季節によって形が違うのかと思ったけど、秋のサンプルが2輪しかないのでまだなんとも言えない。  ブラックティーはまだつぼみです。  関係ないけど、先週末にお庭の土づくりしようと思ったら下準備の草むしりだけで連休が潰れました。ウフフ。

          秋バラ

          遠雷と翡翠① CREDO QUIA ABSURDUM 3

          1†  チャルノ川へ面した古い倉庫街を照らすのは、月の光と、水面に反射したその破片だけだった。湿度の高い夜の闇には埃と黴、そして海から上ってきた微かな潮の香りが混ざっている。とぷり、とぷりと護岸に打ちつける音は、巨大な両生類が唾液の溜まった口を開け閉めするかのよう。  暗幕のように分厚い夜のしじまを震わせたのは、水平二気筒のドロドロとしたエンジン音と、男たちの甲高い声。サイドカーつきのモーターサイクルたちが、微睡んでいた闇の精霊たちを蹴散らしていく。  若者たちだった。十人

          遠雷と翡翠① CREDO QUIA ABSURDUM 3

          (予告)CREDO QUIA ABSURDUM 3

           自作小説の第3話を書き始めました。今回はその予告、兼自分の逃げ場を無くすための戒め。どうして前話から1年近く経っているんですか?  9月末か10月はじめには投稿します。まだタイトルすら決めていないけど……。 以下、あらすじ。  倉庫街で発生した大量殺人。全身を炭化させるその手法は、明らかに魔術によるものだった。犯人を追うメリーは、魔術師の少年・イリヤと、獣化の呪いに侵された少女・アンゲリーナに出会う。イリヤはアンゲリーナの治療薬を手に入れるため、ギャングと手を組み違法

          (予告)CREDO QUIA ABSURDUM 3

          アジサイとか

           すぐ更新忘れて季節を逃す。写真は全部6月に撮ったやつ。  あと挿し芽していたバーベナとリナリアは鉢に植え替えました。それぞれ6本中6本成功。発根率100%。すごい。

          アジサイとか

          ブルーベリーほか

           毎年それなりの数の実がつくけど収穫のタイミングが分からないブルーベリー。品種は「オニール」「ブルークロップ」「ブルーレイ」の3本。

          ブルーベリーほか

          バラ開花

           この1週間ぐらいで撮ったバラ。  アップの写真ばかりで鉢全体が無いのは雑草放置してて地面が汚いからです。

          バラ開花

          バラ

           バラが咲きはじめました。楽しみ。  あと育ててた苗も先週地植えにしました。ヒマワリは元気だけどオルレアは枯れ気味。根が傷ついた?

          チューリップ、ヒマワリ、カエル

           色の変わるタイプのチューリップは見てて楽しい。でも咲き始めの淡い色のほうが好き。  あとスギナ生えすぎ問題。  あと先週蒔いたヒマワリが発芽した。早い。

          チューリップ、ヒマワリ、カエル

          ヒマワリ蒔いた

           ホームセンターでヒマワリの種を発見。そういえば植えたことなかったので衝動買いしました。  スギナの成長がすごいのだけど、チューリップを散発的に植えているせいで草むしりがしづらい。

          ヒマワリ蒔いた

          チューリップ、ムスカリ、スズランほか

           旧Twitterくんからの避難先として、noteに日記的なのも投稿することにした。まあ、そもそも大して書いてないのだが。  草むしりの季節になってきたのが面倒くさいです。草々。 追記

          チューリップ、ムスカリ、スズランほか

          プロテウス⑨(終) CREDO QUIA ABSURDUM 2

          ← 前の話 † 「臭い取れた!?!?」  全身の泡を流してメリーはオルレアに訊いた。 「分かんないです……」  修道院へ帰ったメリーは何よりもまず浴室へ飛び込んだ。地下水路に入っただけでなく、そこで汚水に塗れながら一戦交え、さらに数時間血まみれになりながら探索したのだ。うら若き少女にとって、自身から凄まじい臭いが発散されていることは耐え難いことだった。 「一応もう一回洗っておこうか……。ユーリも……」メリーは石鹸を泡立てて鉄鎚を擦りはじめる。「何度洗っても砂が出て

          プロテウス⑨(終) CREDO QUIA ABSURDUM 2