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こんなに面白かったんだなと 7年ぶりに見たブレイブウィッチーズ感想

(2023.11.28修正と追記)
 この2日でブレイブウィッチーズを一気に見返しましたので、感想を。こんなに面白いアニメだったんだなとびっくりしました。

経緯

 事の経緯は下記のとおりです。
 11/11のワールドウィッチーズ15周年イベントで、「ルミナスウィッチーズのこれまでのイベントやバックステージ映像が、dアニメストア加入で見放題」と突如アナウンスされました。その当日は「いやいや流石にそのエサで動画視聴サービスに加入とかないわ」って思ってたんですが、1週間後に流れるように加入していました。チョロいなこいつ。
 で、しばらくはルミナスのバックステージ映像とか見て「あらあら相変わらず藍本さんと結木さんは可愛いわね」と、キモオタそのものの感情を垂れ流していたのですが、ふと見ると加入者の見放題にブレイブウィッチーズが入っていました。ということで、「それじゃあ久しぶりに見てあげようじゃないか」と謎の上から目線で日曜日午後から見返したというわけです。ブレイブの円盤は買わなかったので、ほぼほぼ放映当時以来の再視聴となりました。
 そう、これまではシリーズの円盤はすべて購入しており、ストライクやストライク2に至っては、単巻でそろえていたのにBOXも買うとかいう意味不明なことをしていたんですが、ブレイブは買いませんでした。ブレイブが放映された2016年当時、丁度ウィッチーズ公式のアレさに呆れかえっていたのも相俟って、あまり面白いと思えなかった、ハマり具合的に丁度谷間の時期だったというのも大きかったと思います。みんデキは皆勤でしたが、ブレイブのキャスト公開の直前で行くのをやめた、そんな時期でした。

テーマの明確さは素晴らしい

 ところが7年の時を経て久々に一気に見返してみたら、かなり面白い。
 雁淵姉妹の物語としてテーマは一貫していますし、補給線を維持しようという502部隊の物語中の目的も最後まではっきりしている。特に後者は、ストライクやストライク2では「毎週律儀にやってくるネウロイを撃破して、最後数話で巣を壊す」みたいなものでもなく、グリゴーリの巣の破壊に至るまで、割と一貫しています。
 そして唐突なギャグ回や露骨なエロ回、前線での臨戦態勢なのに謎の日常回みたいなものがないのもいい。いつものギャグ回に分類されるような7話のワライダケ回ですら、「補給物資の不足」という一つのテーマの延長線の中でやっているから不自然さがないんですよね。
 昔見た時はもっとギスギスしていた感じがある502も、ロスマン先生、菅野さん、ラル隊長と、彼女たちが何故ひかりに厳しく接していたかは十分に描写されているから理不尽さもない。復帰後に冷たくあたる孝美お姉ちゃんも、流石に7年も歳をとると彼女が冷たい理由にはピンときますし、ラル隊長との会話でしっかり劇中で真意を語らせているからストレスもない。
 ストライカー破壊に怒るサーシャも、不可抗力で壊れた時にも起こってるのはやや理不尽ではあるものの、原由実さんの声があくまでも優しいから突き放す感じにはならいんですよね。むしろ原さんの演技がむっちゃよくて、まあこれは私の涙腺がゆるゆるだからですが、6話でストライカーに落書きされたと誤解して涙ながらに怒るシーンとか、二パに泣きつくところか、本当に良かったですね。普通に泣いたわ。
 
更にリベレーターというモチーフの使い方がいいですよね。8話でさらっと出てくるのですが、貧弱で使い物にならないと世間からみなされていても、使い方によっては伯爵を守り、そしてネウロイの巣を撃破する最後の一撃にもなるという、まさに魔法力が低くて使い物にならないとみなされていた、ひかりちゃんそのものなんですよね。
 
そして徒手で塔を登るという「そんな特訓するの…」って序盤で思わせていたロスマン先生の「片手に魔力を込める」というのを、最後の最後にリベレーターによる一撃に活かしてくるのもよかったと思います。

何故はまれなかったか

 ただその一方で、公式のアレさ具合以外に、当時自分が何故夢中になれなかったのか、何故ストライクシリーズと比べて評判がよくなかったのかも、なんとなくわかります。
 やはり2話は相当の鬼門だったというのがあるでしょう。
 まず1つは、孝美の「絶対魔眼」です。この技名みたいのはすごい違和感があるんですよね。従前のシリーズだと固有魔法の能力として治癒、魔眼、怪力、空間補足、未来予知なんかがあるわけで、技じゃないんですよね。ストライク最終話でペリーヌさんのトネールや、エーリカのシュトルムなんかもあるんですけど、あれって最終話でネウロイの巣を撃破するという最終局面の勢いの中でやるからそこまで違和感がない。ところが2話という最序盤で技名みたいにいきなり言われると、ちょっと「あれれ」と思う所がありました。また、髪色が変わるのも「そういうアニメでしたっけ」感は強い。いつどの媒体で見たり聞いたりしたかは忘れましたが、ウィッチーズシリーズは「いかにも創作に見えるような髪色はNG」にしていた記憶がありまして、そういう中で髪色が変わるというのは結構奇抜ですね。
 2話の空戦描写についても、孝美の固有魔法との関係上、コアを見破っては撃ち抜くの繰り返しにならざるを得ないんですが、ストライク、ストライク2,劇場版、OVAと通ってくると、動きのなさや物足りなさは否めないかなと。特にネウロイとの距離感も今一つ分かりにくいですし(配信版で見たので、円盤で変わっているかもしれません)。
 もう一つは、502の各キャラクターの掘り下げ具合でしょうか。ストライクは1期2期で各キャラの掘り下げがかなりあったと思うのですが、ブレイブはそこまではないんですよね。せいぜい5話の下原とジョゼ、6話のサーシャ、8話の伯爵くらいでしょうか。ブレイブは雁淵姉妹の物語としてみれば、部隊の掘り下げはまた別とも思えるのですが、これを502部隊の物語と期待すると、やはりちょっと物足りない感じはあるでしょう。で、これって何故かというと、502のキャラクターが公開された時期も関係すると思うのですよね。正確な時期は調べきれませんでしたが、確か502のキャラクターがフミカネ氏のtwitterで公表されたのって、ストライク2が終わって、公式の動きが止まった中だったような記憶があります(もしかしたらストライク1期終了後かもしれませんが、自分がtwitterを始めた時期から考えるとストライク2ではないかと推察しています。フミカネ氏のツイートを調べても初出時期が調べきれませんでした)。本当に新しい展開や情報に飢えていた中で、1人ずつ、ジョゼやサーシャといった新しいキャラクターを出してくれたときに、界隈は本当に盛り上がっていたんです。だから、古くから見ていたファンにとっては、もっと502の隊員を掘り下げてほしかったという需要もあったんじゃないでしょうか。
  
 ただ2話の描写措くとしても、年を取って「作り手のメインテーマはこれなのかな」と考えながら見ると、割とすんなり面白く見れるものだと思いました。ワールドウィッチーズ15周年のみんデキに加隈さん、末柄さん、石田さんが登壇されるという報があったときに、ブレイブ2期に期待した人がいたのもうなずけるなと。
 で、こういう「あとから見たら面白かった」というのは、割と悔しいというか、「もっと早く面白いと思えたら」というのはあります。惜しいとは思うんですが、今こうやって面白く思えて、今後も楽しく見返せるという機会に恵まれただけでもよかったと思っています。

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