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眉下切開

本術式は瞼縁に一切の操作を加えないため、自然な眼瞼縁を保つことができます。一方で本術式では眼瞼縁余剰皮膚の除皺や挙筋腱膜短縮術の併用は困難です。

そのため、本術式を重瞼線が確実に存在し眼瞼下垂を認めない症例に用いると非常に効果的です。

さて、本術式の欠点は、眉毛直下に一条の瘢痕が必ず生じるため、瘢痕の程度によっては整容的に問題になることです。

切除する皮膚のデザインが悪いと、術後の切開線が眉毛直下から外れてしまい間違いなく整容的な問題になるので、デザインは大切です

Andre Camirand らが提唱する毛包斜切開を眉毛下切開法に用いると、眉毛の毛根が温存されるため、瘢痕周囲からの発毛で瘢痕が隠れるとされていますが、瘢痕を隠すほどの発毛が得られない症例が散見されます。

そのため、顕微鏡下で形成外科の基本的な切縫を行う方が間違いなく再現性の高い scar quality が得られます。

形成外科の素養のない医師の場合、真皮縫合は創縁を寄せるだけで良いと考えてますが、これは間違いで「表皮レベルの段差は0.5mm以内」で創縁を確実に寄せるのが正しい真皮縫合です。

顕微鏡を使用することも非常に重要です。仮に真皮縫合が確実に行えたとしても、裸眼や3倍程度の拡大鏡では表皮を寸分のズレなく確実に合わせるような表皮縫合はまず無理です。顕微鏡下で観察すると必ずズレています。表皮縫合のズレは陥凹変形の原因になり非常に目立ちます。ニキビ跡の陥凹が目立つのと同じ現象ですね。

動画は同一症例の術後4ヶ月の瘢痕です。顕微鏡下でも瘢痕は視認出来ません。

経験の少ない医師は眉下の瘢痕は目立たなくなると言いますが、目立たなくなる=目立たないだけで瘢痕は認識できるので、瘢痕が分からなくなるレベルとは雲泥の差があります。

手術動画



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